魔王襲来! そして俺は––––––
『恐らく、これはアレですね。
最終攻略地点である魔王城から最も離れた場所に転移させようとして––––––』
––––––星を360度ぐるっと一周して、その最終攻略地点に限りなく近い場所に転移させてしまったと?
バカなんじゃねーの? 本当にバカなんじゃないの・・・・・・!?
「一体、何の騒ぎだ! デルミアっ! 無事か!」
「お父様・・・・・・!」
「・・・・・・ッ!!」
騒ぎを聞きつけて、魔王城で生活を送っている貴族っぽい見た目をした美少女の父親がズンズンと大きな足音を立てながらこっちに向かってきた。
いや、これだって見た目的にも、周囲の反応的にも・・・・・・!
「ま、魔王!?」
「うむ、いかにも我こそが魔王『デーモンコア』であるが・・・・・・君は誰だね?」
この場合どう答えれば命は助かるんだろうか?
クソみたいな女神に唆されて、魔王である貴方をブチ殺しに来たはずが、今しがたアンタ様の娘さんに命を助けられたんです・・・・・・だめだ、正直に話すと色んなものが終わる気がする!
俺が何も言えずに固まっていると、その明らかに不審な様子を見て魔王が何かを察したような顔をした。
「まさか、貴様・・・・・・女神によって召喚された勇者か!」
だめだ、終わった・・・・・・!
「実は我の祖先もかつて女神の手によってこの世界に召喚されてな。
我が一族はデタラメな理由で理不尽な異世界召喚をされた我が祖の恨みを晴らすために女神打倒を目標に日々戦っているのだ。」
その日、俺は魔王と親友になった。