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ここはどこ? 考え得る限り最悪な答えが返ってきました

(第三話)

「風よ!」

 ブワアアァァーーッ!

「おっ? おおおぉぉ??」

 地面にあわや激突する直前、突風が巻き上がり俺の身体の落下速度を軽減してくれた。

 明らかに自然現象ではない人為的な感じの風の動きだった。

 これは魔法っていうやつか・・・・・・?

「大丈夫ですか!」

 どうにか地面に無事、足を着けることができた俺の方へ俺を助けてくれた張本人が駆け寄ってくれた。

「あっ、はい・・・・・・。」

「どこかお怪我はありまんか?

 それにしても、どうしてこんな所に空から––––––」

 非常にごもっともな疑問を浮かべている声の主は、俺がこれまで二次元でしか見たことのないレベルの美少女であるばかりか。

 その褐色の肌、輝かんばかりの光を放つ金髪に、尖った耳の形・・・・・・これは夢にまでダークエルフっていう種族なんじゃいのか!?

「どうしたんです!? 急に泣き出して・・・・・・!」

「いや、もう死んでもいいやって思えて・・・・・・。」

「折角助かったのに!?」

「あぁ、ごめん。俺、田中太郎って言います。

 ええっと、助けてくれてありがとう。

 ん? あれ?

 そう言えば、ここ日本語通じるのか?」

 ピロリロリーン♪

 うぉっ、また音が鳴った!

『どうもさっきぶりです。AI天使の『アリス』ちゃんです。

 今は、私がエンジェルパワーでお互いの言語を自動翻訳しているので、異世界語を理解できなくても会話に支障をきたさないようになっているのです。

 ちなみに文章の方も、私の方で自動翻訳するのでご安心ですよ?

 ちなみにちなみに、私の声は基本的に鈴木・・・・・・田中様にしか聞こえないようになっているので、不用意に私と会話していると未だにイマジナリーフレンドとお喋りしている残念な人と勘違いされるので気を付けた方が良いですよ?』

 そういうのって普通、出発前に説明しとくもんじゃないのか?

 つーか、攻撃スキルの有無もそうだし、転送位置も・・・・・・いや、そもそも人違いで俺を異世界転移させた疑惑もあるんだがどうなってんだ。

「あの? 大丈夫ですか? 急にぼんやりして。

 やっぱり、どこか打ったんですか? お医者様を呼んで来ましょうか?」

「あぁっ、いえ、おかげさまで大丈夫です。

 ただちょっと急な出来事で固まってしまっていただけです。本当にありがとう。命の恩人です。

 ・・・・・・ところで、ここってどこですか?」

 俺の推測では「RPGの始まりの町」的な場所の近くだと思う。

 見るからに良いとこ出のお嬢様に命を助けてもらった状況から察するに、ここはこのお嬢様の住むお屋敷の敷地内ってことなんだろうけど。

 まずは初めての町でステータス確認やらギルドへの登録を––––––

「ここは魔王城の裏庭ですけど、本当に大丈夫ですか?

 あの、また固まってどうしたんですか? もしもーし?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 あの、クソ女神やってくれやがる!

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