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田中ですけど!?

(第一話)


「そ、そんな・・・・・・俺本当に死んだんですか?」

「ええ。残念ながら貴方は元の世界で死を迎え、今は魂だけの状態でこの女神の間に招かれているのです。」

 高校一年の夏、学校の帰宅途中に交通事故に巻き込まれた所で記憶が途切れているが、どうやら俺はそのまま死んでしまったらしい。

 そしてまるでテンプレートのような女神に招かれて、とても聞き覚えのある説明を受けていた。

「突然の死でショックもあるでしょうが、貴方にはこのまま天国に行く以外にもう一つの選択肢があります。

 貴方の生きた世界とは別時空の世界に勇者として召喚され、もう一つの世界の平和を脅かす魔王を討伐してもらえないでしょうか?

 もちろん只の人間に魔王を打倒することは不可能でしょう。

 ですので、私が特別な加護を与えることで一般的な人間は到底不可能なレベルの能力を与えますし、ステータスの方も何の訓練も無しに最初からカンスト状態にしておきましょう。」

「それっていわゆるチートスキルをくれる上に、ステータス面もチート状態にしてくれるってこと?」

「はい、間違いなく異世界に到着した時点で世界最強の一人となれるはずです。

 ちなみに魔王討伐後はそのまま異世界に定住して頂いても構いませんし、魔王討伐の恩賞として元居た世界にお金持ちで優しいご両親のご子息・ご令嬢として記憶をそのままに転生して頂くことも可能です。なんならチートスキルとカンストステータスを持ち越しする得点も付けますよ?」

「いきます! ぜひ行かせてください!」

 嘘だろ、なんて話だ。

 夢じゃないよな? 死にかけの走馬灯じゃないよな?

 うん、違うな。だってほっぺをつねると痛いし。(魂だけの状態で痛みを感じれるのは不思議だけど)

「それではお行きなさい! そして魔王を倒し、世界を救うのです!

 勇者、鈴木よ!」

「えっ、ちょっ・・・・・・? 俺、田中ですけど・・・・・・?」

「・・・・・・。」

 ウィーーーン!

 数秒の間を置いて、俺の足元にぽっかりと大穴が開いて、俺は真っ逆さまに下へ落ちて行った。

「俺、田中太郎なんですけどーーっ!?」

 俺の絶叫はただただ落とし穴の中で反響するばかりであった。

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