19.母心
ーーー翌日
「よし!皆んな慣れてきたな。今日は昼に終わったぞ、解散!俺らが私に行っといてやる。」
「ありがとうございます。」
「やったーなのですー。」
私達は走って村長に教えてもらった場所へ向かった。
橋を渡って、森の小道を抜け、大きな木のある分かれ道を右。
平和で、静かな村があった。
私達は村に人に聞いて、先ずルークさんの家を訪ねた。
交渉上手のナーフがノックする。
ギィィ
「はい。どなたでしょうか...」
ほっそりとした、四十代くらいの女性が出た。
「私達はザールさんのパーティと、今活動している者です。ルークさんのお宅で間違い無いでしょうか...?」
「っ...ルークは息子です。数年前に死んだと聞きました。...中へ入ってください。」
「失礼します。」
「お座り下さい。何も無い家ですが、すみません。」
「いえいえ、とんでもないです。」
ルークさんの母親は私達を家へ入れてくれた。
「何の御用でしょうか...」
「実は、ザールさん達の事を聞きたいのです。」
「ザールくん達ね、あの子達はとっても良い子だったわ。どうしてそれが知りたいの...?」
「実は....」
今までのザール達の身に降りかかった不幸や、言動を詳細に話して、協力して欲しいという事を伝えた。
「.....ザールくん達がそんな風に...」
「昔は偶に家に来てくれていたんだけど、ある時からパッタリ来なくなって、心配はしていたの。家族同然の子達だったから...」
母親はゆっくり過去の事を聞かせてくれた。
「そうね、昔は良く五人で遊んで、見ている私まで楽しかったわ。でも、一つ大きな事件が有ったのね。」
「私の息子、ルークが税金を村人から搾り取る、悪どいことで有名だった貴族様を殴った事があったの。」
「その貴族がサンドラちゃんを蹴飛ばしたのね。それで、謝って下さいって言ったらしいのよ。勿論相手は下民に謝るかって謝らない。」
「あまりに頭に来て殴っちゃったのよ。」
「それで、部下に酷く殴られて帰ってきたわ。それに、この村を潰すって貴族が言ったらしいのよ。」
「村の人は、それはルークを責めたわ。でもルークは明らかに正しい事をしたでしょう?でも、私は息子を誉めてあげられなかった。」
「母さんごめんって言うのにね、私は何も言えなかったのよっ....」
目尻に涙が浮かんでいる。
「でも、四人が来てくれて、息子を褒め称えてくれたの。ずーーっと、息子が泣き止むまで。凄い、偉い、普通はできない、英雄だって、ありがとうって。」
「自分達の村が潰されるかも知れないのにねぇ。その後五人で村の人達を説得して、隣村まで説得して、全員で貴族の所まで行ったのよ。」
「村の取り潰しを辞めさせるどころか、課されていた重税まで軽くして来てね。そんな正義感に溢れた子達だったわ。」
「そうだったんですね...」
「そうよ。」
「息子はいつもいつも言っていたわ。このパーティで冒険できて良かった。母さん、本当に幸せなんだ。皆んなの役に立てることが。ってね。」
「だからね、自分達を責めないでって言ってあげて欲しいの。ルークは皆んなと冒険できて幸せだと言っていたって。」
「ありがとうございます。絶対に伝えます...!」
「久々に息子の事を話せて良かった。ありがとう。あっ...それとね、実はルーク、サンドラちゃんの事が好きだったのよ。」
すると、一通の手紙を差し出した。
「これ、恋文。私が開けるのも申し訳なくて、まだ開けてないの。是非持っていって。」
「恋文...ですか!分かりました。必ず届けます。ありがとうございました。お邪魔しました。」
「おじゃましたのです。」
「お邪魔しました。」
私達は丁寧にお辞儀をして、家を出た。
今の姿からは想像もできない三人の話が聞けた。
「昔は正義感溢れる良い人達だったんだね。」
「それが魔物や人間によって変えられてしまったのですね...」
「...アリスさんの家へ行こう。」
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