さあ勇者転生だ の1
日本から戻った私は、マイヤ・マイヤさまのもとに報告に赴いた。
「ただいま戻りました」
「ノーラちゃんおかえりー。その子があなたの勇者ね」
「はい。いい子に巡り合えたと思います」
そう答えた私と抱きかかえた赤ん坊に、マイヤ・マイヤさまは優しく微笑みかける。
「そうみたいね。とてもいい子。私もその子を歓迎するわ」
「あれだけ苦労したんですもの。いい子に会えて本当によかったわ」
「はい本当に・・・って、え?」
「さっき天照ちゃんから聞いたの。ずいぶん大変だったみたいね」
「何故天照さまが??」
不思議に思った私に、くすくすと笑いながらマイヤ・マイヤさまが答える。
「あなた天照ちゃんにこんびにすいーつのこといろいろ訊いたでしょう?それなのに帰るとき手ぶらだったから、心配して連絡してきてくれたのよ」
私の脳裏に優し気な天照さまの姿がよぎる。
「その時にね、あちらでの様子もいろいろ教えてくれたの」
「そうだったのですか・・・」
私の脳裏の天照さまが優しく微笑み手を振っている。
「いい子を選んできてくれて私もうれしいわ。ノーラちゃんも本当いい子」
さすがに私に「いい子」はないだろう・・・うれしいけど。うれしいけど!
「これから転生させるのよね。しっかりがんばってね、ノーラちゃん」
「はい、しっかり務めあげます」
「もう、またそんな堅苦しい言い方して。昔みたいに『うんママがんばる!!』でいいのに」
いや、そんな言い方したことないぞ。なかったはず。なかったよな?
すごい勢いで今までの記憶を探っていると、
「まあいいわ。そうそう、天照ちゃんがこんびにすいーつたくさん送ってくれたから、あとで一緒に食べましょう」
脳裏の天照さまが眩しすぎる!!
日本で知ったあの言い回し、今こそあれを使う時!
天照さま・・・マジ神・・・
神たる私に使うときが来るとは思っていなかったけど。