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ノーラのたーん の7

「この前の続きだから、4歳からかしら」

「ええ。リベルったら4歳になって色んな事が出来るようになったんですよ」


見ると、小さなリベルが食事の支度を手伝っている。

自分から手伝いたいって言ったのよね。


「あらあら、お手伝いできて偉いわねえ」

「火や刃物を使わずにひとりで出来上がりの形まで完遂できる。いい仕事を割り振りましたね。この母親、なかなかできます」


天照さま、プロの視点ね。経験者かしら?


昼食ができあがり、帰ってきた父親も一緒に、家族勢揃いの食事が始まる。

そして両親に褒められて得意満々のリベルがかわいい。



映像は進み、今ではリベルのお手伝いも慣れたもの。

「すっかりリベルの仕事として定着したのね。将来は料理人志望かしら。そのまま魔王も美味しく料理しちゃってくれるといいわねえ」



更に時は進み。

「洗濯もできるようになって、もうすっかりお兄ちゃんねえ。って言ってたらホントに兄弟が出来るみたいね。ふふふ、リベルにはまだよく分かってないみたいだけど」



おっと、ついに弟と妹の登場シーンね。

「あら、双子だったのね。弟と妹が一度にできてどんな気持ちかしら」

「凄く嬉しそうですね。いいお兄ちゃんになりそう」

その感想に応えるかのようなリベルのお兄ちゃん宣言。うんうん、がんばれ!



そして始まるドタバタ。

生まれたばかりの子供って、本当に何もできないのよね。

もう1から10まで全部やってあげないといけない。

それがふたり。


こうして見てるとよく分かる。

見る面倒は2倍かもしれないけど、大変さは3倍?4倍?

リベルが戦力になってるから何とか回っている感じね。

父親はこの事分かってるのかしら?



動き回るようになると完全に目が離せないわね。

母親と交代で見張ってるけど、時々ヒヤッとするシーンが。

エイミースも手が出せなくってもどかしそう。


「あらあら、この頃はもうすっかり弟くんと妹ちゃんが生活の中心ね」

「それにしてもほんとリベルっていい子ですね。母親の負担を減らすように、自分が負担にならないようにと考えて立ち回って。4歳の子にここまでの事ってできるものなのかしら?」

「与えた加護はすべてロックしています。今のリベルは普通の子供ですよ」

「うーん、加護以外の何かが作用しているのかしら・・・」


私も不思議には思っている。

ここまで良い子って歴史レベルで少ないのよね。




「あら?あらあら?これはリベルへのサプライズかしら?母親がリベルの新しい服を作り始めたわ」

「お誕生日・・・ではないですよね。じゃあお出かけ?でも小さい子たちが・・・」


私はエイミースと見ているからこの先の展開は知ってるけど、ネタバレ厳禁。

できるだけ静かに見ていよう。




そしてその日がやって来た。

「そうか、街デビューだったのね」

「ふふふ、すごくうれしそうですね。こんな顔するのって随分久しぶりじゃないかしら」

「それにしても、エイミースってこんな子だったかしら?」



街に到着。

「お店に行って、屋台のご飯も食べて。リベルにとって今日は初めて尽くしね」

「あら、次は炭を買うみたいですよ」


ここでリベルに運命の出会いが待ってるのよね。ちょっと大袈裟な言い方だけど。


「お絵かきセットを買ってもらったのね。あらあら、帰り道はもうお絵かきセットのことで頭がいっぱいみたいね」

「ふふふ、上手に描けるようになるかしら」


なれるんですよ!って言いたい。




「最近はおとなりのリアちゃんとお絵描きの毎日ね」

「まだ紙には描かないんですね。もったいなくって強力アイテムを使わないうちにクリアしちゃうタイプなのかしら?」

「あの天照さま、それってどういう意味・・・」

「あらすみません。うちの世界の話なのでお気になさらず」




「あらまあ、とうとう紙に描くのね」

「ちょっと上手すぎじゃないですか?5歳ですよね?」




「・・・」

「いくら何でもこのレベルの絵を描けるっておかしいですよ。何かのスキルとしか思えません。あの、ロック掛かってるんですよね?」

「エイミースもそう言ってましたが、ロックは間違い無く掛けています。よほどのことがない限りは緩みすらしないはずです」


そして、もっと不思議な私の想いを聞いてください。

「それよりもリアちゃんです。彼女には完全に何も干渉していません。にもかかわらず、方向性は違えどリベルを上回る絵の才能。むしろこの点に関してはリアちゃんの異常性のほうが気になります」

「確かにこれは、あまりに大きな才能ですね。将来この世界の芸術を一変させる可能性すらあるほどの」



「今は未来を楽しみにするしかないかと。そしてその未来の為にもがんばって、リベル!」


それにしてもさっきからママが静か。魔王の話にも乗ってこないし。

チラッと見ると、なんだろう、貼り付けたような固い笑顔に・・・冷や汗?

これは絶対何かある!


「ねえママ?なにか知ってる事でもあるのかしら?」

「わたしナニモシラナイワヨ。でも、ちょっと気づいちゃったことだったらあるかも・・・」

「言ってください!全部!今すぐ!!」


「あのね、なんとなく覚えのある力を感じるなあって思ったのね。なんだろうってずっと考えてたんだけど・・・、なんだか私の創造の力がちょっと入ってるかなって・・・、入ってるのはリベルなんだけど、一緒にお絵描きしているうちに、リアちゃんにもそれが影響するようになっちゃってるかなって・・・」

「ママそれって事実!?」

「ちょっとよ、ちょっとだけね。ほんのちょっとだけだから」

「周りにも影響するって、それ絶対ちょっとじゃないから!一体いつ混入したの!?」


「えっと、多分転生するところを見せてもらったときじゃないかしら・・・」

「うそ、そのタイミングって・・・私があの子の最終チェックしたあとじゃない!」

「ちょっとだけだから・・・」

「人間に創造力よ?神力の代表格よ?それに絶対私の加護とかロックにも影響してる!!えーーーっ!あの子、これからどうなっちゃうの!?」




ホントにどうなっちゃうの?

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