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ノーラのたーん の6

「マイヤ・マイヤさま、今よろしいでしょうか」

「その声はノーラちゃんね。待ってたのよ、さあ入ってー」

「失礼いたします」


中に入ると、そこには満面の笑みのマイヤ・マイヤさま。

そしてなんとなくいるんじゃないかなぁって思ってたけど、やっぱり来ていた天照さま。


「お久しぶりです。天照さま」

「ノーラ・ノーラ様、お久しぶりですね。お変わりありませんか?」

「ええ。それにあの子も毎日楽しそうにしています。今日はお茶会の日ですか?」

「いいえ。マイヤ・マイヤさまから『もう少ししたらノーラちゃんが来るから』って急遽呼ばれまして」


ママってば・・・


私の視線に気づいたマイヤ・マイヤさまが、両手を少し振りながら少し慌てたように、

「違うのよ?いえ、あれ?何が違うのかしら?えっと、ほら、さっきエイミースちゃんが来てたからね、ああもう少ししたら報告に来てくれるんだろうなあって、ね」


どうしよう、反則気味にかわいい。


「そうしたらほら、この前も天照ちゃん一緒に観たじゃない?だからきっと、今回も一緒に観たいんだろうなあって。それでね、急いで声をかけたのよ」

「すみません天照さま。ご迷惑じゃありませんでしたか?」


「大丈夫ですよ。むしろ誘ってもらって嬉しかったですから」

「なら良かったです。マイヤ・マイヤさまったら、いつも悪気は全くないんですけど、とにかくマイペースっていうか周りを振り回している自覚が欠片もないものですから、迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、嫌いにならないであげて下さいね」


「んもう!何言ってるの、ノーラちゃんってば!」

「ふふふ、まるでノーラ・ノーラ様がマイヤ・マイヤ様のお母さんみたいですね」

「え?」

「ホントよぅ。ママがノーラちゃんのママなのに、なんでノーラちゃんがママのママみたいなこというのよ!もう」


あの子の母親の想いをもってリベルを見てたことで、言動に影響が出たのかしら?

いや、これは違うな。

きっとこういう事。


「マイヤ・マイヤさま、っていうかママ!今までどれだけ私のことを振り回してきたと思ってるの!?天地創造の時も途中でいきなり丸投げしてきたし、うっかり世界を滅ぼしかけたときだって、ろくに説明もなく『よろしくね~』で後始末振ってきたし、それに・・・」


「ノーラ・ノーラ様、それくらいにしておいてあげたほうが・・・」


天照さまの声に我にかえる私。

マイヤ・マイヤさまをチラッと見てみると・・・


涙目。


うわぁ、ものすごーくNAMIDAME・・・


「うう・・・ノーラちゃん、きらい」


からの幼児化・・・

これにはさすがに罪悪感が・・・いや、事実しか言ってないけど。


「ごめんなさいママ、いえ何が悪いかって言うとママが悪いっていうか・・・じゃなくって、言いすぎて・・・ないけど、ママだってがんばって・・・いるかっていうと微妙だけど、ええっと、とにかくごめんなさい?」


「ママ、ひさしぶりにノーラちゃんにあえるって、たのしみにしてたのに・・・」


グフッ、クリティカルヒット!

胸が痛い。

何故だろう、だんだん私が悪かったような気がしてきた・・・




「ふふふ、マイヤ・マイヤ様、今日はいつもと違うお菓子を持って来たんですよ」


あら?ここで天照さまがいきなりの通常運行?


「え?いつもと違うの?」


つられてママも一瞬で元通り。

私の胸の痛みを返せっ!!


でも天照さま、ありがとうございます!



「実は、私の神域で眷属がお店を開きまして。スイーツのほかにも、色んなお菓子とか飲み物とか。あと雑貨みたいなのも扱うお店なんですよ」

「まあまあ、すっごく素敵ねぇ。私もお買い物に行ってみたいわあ」

「ええ。今度是非来てください。その時はノーラ・ノーラ様も一緒に、ね」

「はい、ありがとうございます。是非ご招待ください」


「それで、今まではスイーツだけだったけど、袋菓子とか箱菓子とか呼ばれているものも色々持って来たんです」

「まあ、とっても楽しみだわ」

「それに、日本で映像観賞するときの定番のお菓子と飲み物も用意したんですよ」


うーん、天照さまってば、完全にリベルの成長記録の観賞会として来てるわね。


「あら、定番って、どんなものなのー?」

「ええ、こちらです」

そういってテーブルの上に取り出した天照さま。

そこにあったのは・・・


コーラ

ポテトチップ

ポップコーン


「日本ではこの3点セットが定番なんですよ。他の国に行くと、これにピザが加わった4点セットになったりしますね」

「どれも初めて見ましたけど、そのピザっていうのもあるんですか?」

「ごめんなさい。今日はピザはないの。お店で扱ってなくって。帰ったら眷属に言ってみますね。扱うようになったら次は持ってこれると思います」



それぞれのコップにコーラを注ぎ・・・なにこれ?泡が、泡が!!


「ゆっくり注げば泡が立ちませんよ。落ち着いて、ノーラ・ノーラ様」

「うう、次はエイミースに任せることにします」


何とか3人分注ぎ終わり、ポテトチップとポップコーンは大皿に盛る。



さあ、リベルの成長記録の再生をスタート。

まあ、私は一度エイミースと見たんだけどね。

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