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まずは勇者を探そう の1

「はぁー、なかなかいい人いないわねえ」

天使たちが提出した資料に端から目を通したけど、どれもピンとこない。


「やっぱり彼の地で直接見てみなきゃ駄目かしら・・・」

資料の束を置いて窓の外を眺める。

薄い虹色の空を見上げ、ゆっくりと私は決意する。


「よし、日本へ行こう」



「創造神たるマイヤ・マイヤさま。わたくし彼の勇者郷に赴き、直接勇者たりえる者を探してくることといたしました」


創造神マイヤ・マイヤさまは、神々を含むこの世界を創造した母であり、私の直属の上司である。そのマイヤ・マイヤさまは私の言葉に少し驚いたようなご様子。


「えー、ノーラちゃんってばまたそんな堅苦しいしゃべり方して。ママ悲しいです」

「ノーラちゃんではありません。ノーラ・ノーラです」

「ノーラちゃんママ悲しいです」

「いや、ですから・・・」


「ママいつも言ってるでしょう、そんな他人みたいなしゃべり方しないでって」

「そうは言ってもけじめというものが・・・」

「今は他に誰もいないんだから、そういうしゃべり方は禁止ーーー」


こうなると一切話は進まなくなる。いつものこと。こちらが折れるしかない。


「はぁ・・・、分かった、分かりましたよ。ちょっと勇者探しに日本に行ってきます。ママ」

「分かったわ。行ってらっしゃい。あちらの創造神には私から伝えとくわね」


話を終え部屋を出ようとする私に後ろから声がかかる。

「帰りにこんびにすいーつ買ってきてねー」


そして私は世界を渡り、日本へと降り立った。私たちの世界を破滅から守るために。



「私がこの地の柱、天照といいます。この度はうちの子の助力を求めいらっしゃったと聞いています」


目の前にいるのは一切隙のない凛とした立ち姿の女神だ。

優しげでありつつも途轍もない強さを感じる。少し苦手なタイプかも。


「はい。もちろんきちんと本人 に説明して同意を得てからではありますが、私たちの世界を守るために来ていただくのですから、できる限りの加護は与えるつもりです」


当然だ。

神だからと言って一人の人間を好きに扱っていいはずがない。

ましてや今回は異世界の民が相手なのだから。


「もちろんその点についてはまったく疑っていません。こちらが助力をお願いするときもありますから、お互い様ですし。ただ・・・」

と言って天照さまは右手を頬に添えて半ばつぶやくように続ける。


「最近うちの子たち、あちこちの世界で大人気みたいで・・・、うちの子たちにもなぜか異世界の存在が普通に受け入れられているようなんです。

『転生特典』とか『TUEEEE』とか新しい言葉まで作って・・・

残った子たちには他の世界に行った子の事を気づかれるはずないのに・・・」


どこの世界もいろいろと悩みを抱えているようだ。

そのあといろいろと日本の最新情報を教えてもらった私は、天照さまに謝意を伝え、勇者候補に会えるという勇者スポット巡りを始めた。


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