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恋多き人々6

「恋愛体質といえば、ローゼもある意味そうなのかしら。」

「まあ、あれだけキザな感じなら、そうかもしれませんね。」


あの調子で女性を口説きまくっているに違いない。


「いや、ローゼがずっと恋愛してるって意味じゃなくてね。彼、女性にすごくモテるのよ。」

「まあ、あの見た目で細やかな気遣いができて、器用であの見た目だったらモテるでしょうね。」


おっと。

思わず見た目のことを2回言ってしまった。

ローゼはとにかく見た目が半端ないのだ。

整っているのはもちろんのこと、もう何か人を魅了するフェロモンでも放っているのではないかと思うほどである。

とにかく華やかで、立っているだけで目で追ってしまうような存在感があるのだ。


「あのねぇ。女性にモテるってかなり凄いことよ。ただでさえ女は少ないし、男からアプローチするのが当たり前の世界で、複数の女が自ら寄ってくるんだから。」


確かにそうだ。

なるほど、ローゼの美しさは世界の常識すら捻じ曲げるらしい。


「けどまあ、そんな珍しい男が2人、この家にはいるのだけどね。」

「ローゼもリリもかっこよくて自慢のお父様です。」


話が読めた私は、思わずしたり顔で発言した。


「まあ、リリの場合は見た目ではなく家柄がね。王族のような面倒な責務は少なくて、けれど国一番の大貴族。領地は豊かで、財力も申し分ない。リリの下に嫁いだら一生の贅沢を約束されたようなものだから。」


薄々気付いていたけれど、そんなに凄い家だったのか。


「そんなわけで、私達の世代の高物件トップ2人を同時に手に入れた幸せな女性があなたのお母様ってわけ。で、権力目当てで結婚したリリには冷たくして、ローゼを溺愛してるって状況よ。」

「あー、そうだったんですね。」


そりゃあ、リリが話すのをためらうわけだ。

子供に妻と上手くいっていないとか言いにくいだろう。


「それにしても、そんな状況でよくリリとローゼは仲良くできますね。」


普通だったらリリは嫉妬するだろうし、ローゼは気まずくなると思う。


「まあ、リリが聖人君子のような人格者だからというのもあるけど、ローゼも異常にリリを慕っているからね。それこそ仕事でもないのに妻と別居してリリと暮らすくらいには。」


なんと。

ローゼは妻ではなくリリと暮らすことを自ら選択するくらいリリが好きらしい。


「もしかして、ローゼはリリを恋愛対象として……。」

「見てないと思うわよ。」

「なぜ断言できるんですか!」

「だってあのローゼよ。本気でリリを恋愛対象として見てるなら、あの強烈な魅力を武器に言葉巧みに操って、とっくにリリを陥落させてるわ。」

「た、たしかに。」


ローゼといると気づいたら終わっていた、なんてことがよくある。

朝の支度から、お風呂のお世話、ボードゲームの勝敗に至るまで、私がぼーっとしているうちに終わらせてしまうのだ。

こんな人が本気で誰かを落とそうと思ったら、きっと相手はひとたまりもないだろう。

抵抗する隙もなく、気づいたらローゼの望む結果へと導かれているのだから。


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