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リターン  作者: 乾 澪
61/74

Ep51:二位

や っ ち ま っ た ぜ \(^o^)/

こりゃーいくらなんでも皆様に引かれるんじゃないかなと思うレベルで今回とんでも設定ぶちかましちゃった気がします。

いえ、前々から自分の中にはあった設定なのですが、改めてこうして人目に触れるところに出すとなると、かなりやっちまってます。

ハーレム展開にする上で必要な処置でしたが…さきに謝っときますね(´・ω・`)


あと、行間は前の状態に戻しました。見づらい、というか、なんか勝手に改行がおかしなことにされてしまうので、これで行こうと思います。携帯から見てくださっている方には少々つらいかもしれませんが、ご容赦ください。

 「こちらソフトボール投げの会場でぇーす、ただ今の時間帯は五年生指定の時間帯ですのでそれ以外の学年のひとは、ってアルエルドくんだあああああああ!!!!」

「あーはいはいどうもどうもー。ちなみにアルエルドくんはライザックくんになりましたのでそこらへんよろしくー」

「うあああああライザックくんだああああああ!!!!」

ご丁寧に言い直してくれた運営部の男子生徒。

あの人どこかでみたことあるなぁ…と思っていたら、隣の人が答えてくれた。

「あの子、クロネコちゃんの大ファンの子じゃない?ほら、確か後援会の、クロネコちゃんの手を握りながら泣き出しちゃった子」

「あーはいはい、いましたいました。…ていうか、人の腕しがみついて何してんですか少佐?」

「だからぁ、アリアせんせい、でしょ!」

「アリアせんせい、いい加減腕から離れてください」

「んもぅ、つれないなぁクロネコちゃんは」

頬を膨らませながら絡めていた腕を外すアリア少佐…もとい、アリア先生。

…先生ってなんだよ…なんでこの人こんなところで先生なんてやってんだ…。

「対策部はどうしたんですか?アリア先生がいないと仕事回らないでしょ?」

そう、この人だって一応残念ながら悲しくも一つの部署を任せられる程度のお偉いさんなのだ。

こんな娘っこが最高責任者なんだから笑ってしまうが、その嘲笑を物ともしない度量がこの人にはある。

度量も、才能も、可能性も。

しかし抱える部署自体の弱さは個人の将来性や努力だけでどうなるものでもない。

確かな現実として、俺達の部署・魔法戦闘特別対策部はアリア少佐(先生)無しでは二進も三進もいかなくなってしまうのだ。

「それいうならクロネコちゃんいないと仕事にならないわよ」

「まぁ、そうですけど」

そしてたった一人の実稼動員である俺が抜けてしまえば、尚のことだ。

「…で?」

「だから、来たの」

「その心は」

「対策部丸ごとこの學園にお引越し、ってこと♪」

「……」

「ね♪」

「…はああああぁぁぁぁぁ!????」

「あ、やっと面白い反応してくれたなぁー♪」

くすくすと…否、にやにやと笑うアリア先生。

実に腹立たしい。

「いや、ちょ、俺が學園に戻ってきたのは俺が帝都に居た方が召集がかけやすいからっていう理由だったんじゃないんですか!?」

「その學園にまとめて対策部があったほうがより集まりやすいじゃない?幸運なことにうちの部署、一つ教室頂く位で済んじゃうしね♪」

「で、でも、じゃあ他のみんなは何してんですか!!?」

「まぁそりゃただで教育機関の場所を恒久的に借りるなんて都合のいいことは無いわよ。みぃんな売店の売り子さんとか、武術の指導員とか、戦略立案の講師とかやってるわよ?」

「副長、ライナス少尉は!!」

「だから、戦略立案の講師だってば。まぁアイツは軍人やってるより講師のほうが向いてるのかもね。眼鏡だし」

「確かにそれには納得ですけど…」

副会長、改めライナス少尉はいかにも先生然とした風貌だからな…。

人柄もやわらかいし、とっつきやすいし、真面目だけど堅苦しすぎないし。

アリア先生が居なければ普通にあの人は教員軍人にでもなってたかもしれないな。

…いや、むしろ軍人の道を選んでなかったかもしれないが。

まぁ、どちらにせよ対策部のみんなはうまいことこの學園にもぐりこんでいるらしい。

「…何も、俺がいるからって學園にもぐりこまなくたって…」

「もちろん學園側は承知の上だし、學園は立地も結構いいから便利なのよ?色々と。……ま、理由はそれだけじゃないんだけどね」

「え?」

「そこらへんは末端戦闘員の知るところでは無い!ということで、ちゃちゃっとボールぶん投げてらっしゃい!そろそろクロネコちゃんの番でしょう?」

と、アリア先生が言ったその時、「次、12番ライザック君ー」、とお呼びが掛かった。

まだ聞きたいことが色々とあるのに、タイミングがいいのやら悪いのやら…。

ちら、とアリア先生を見ると、優雅にひらひらと俺に向かって手を振ってきた。

―――――さっさと行け、ということか。

(この人頑固、っつうか強情だからな…言う気がないなら絶対言わないか)

分かりやすそうでいて、腹の底は一切見せない。手の内九割見せているのに、何故か残りの一割だけはいつもどこかに隠しこんでいる。そんな人だ。

無理やり聞き出そうったって無理な芸当だ。

「おい!後ろがつっかえてるんだからさっさとこないか、ハル!」

「この女たらしースケベー浮気性ー!!」

……外野(一名)も非常にうるさくなってきたことだし、ここらが潮時か。

「今行くよ。…よし、ククリはそうだな…あそこらへん立っててくれ。思いっきり投げつけてやるから」

「勘弁してくだせぇ!!!」

肩を回してほぐしながら指定の円へと向かって歩き始める。

狙うは今回の最高記録にして新記録、だな!











「……ったく。あの子、気づいてるんだかいないんだか……変なところで勘がいいからなぁ。気をつけないと」

ハルが待っていたリオールとククリのところに辿り着くのを待ってから、アリアは一人ため息混じりにつぶやく。

アリアにとって、ハルは弟のようなものだ。

愛おしくて、守りたくて、でも時に頼りたくなるような、そんな存在。

故に言ってはならないことまで口をついて出てしまいそうになることが時々ある。

「…本当に、気をつけないと」

特にこれからは接触する機会も増えることになる。より注意を払う必要があるだろう。

――――どうして、わざわざ対策部を生徒側に伏せてまで學園に移動させる必要があるのか。

表向きの理由は、唯一の戦闘員であるハルがここにいるから、で十分だ。

そして表向きで無い理由は、上層部から直接命じられた自分と、ライナスだけが知っていればいい。

余計な重荷をハルに背負わせる必要は無い。

そう判断して、アリアは本当の理由をハルに隠すことにした。

(当事者は彼なのに、ね)

大人は勝手だ。

巻き込んでおいて「貴方は引っ込んでなさい」という。

だけど、勝手が許されるのは大人の特権だ。

子供を守る義務を負った、大人だけの権利。

しかし本当のことを言えば、ハルはとてもじゃないが子供とは呼べない年齢のはずだ。

(でも、彼はまだ子供のまま)

そう考えてしまう程度に、ハルの精神は不安定だ。

だから、口を閉ざす。

守るために、口を閉ざすのだ。

例えそれが彼自身のことだとしても。

「………さってと、それじゃあ私はおにゃの子の修羅場でも観戦しに行きましょうかねー!」

―――――ともあれ、時が動き出すのはまだ少し先のことだろう。

今しばらくは、ハルも自分も、そして他の皆も、平和で幸せな時間を享受していればいい。

さて、ひさしぶりの學園生活だ。












「………………ありえないっス…。全ての競技でピタリ賞出すって何者っスかアイツ?ハルの何をどこまで分かってたらあそこまで正確に記録を予測できるっスか?あの男子とは、もう金輪際賭けには応じないっス…!あぁ、ハルの18禁スナップを7枚取るのにどれだけの労力が掛かっていると思ってるっスかぁ!!!」

「どれだけ掛かっているんだろうなぁ?」

「命かけてるっスよコッチは!」

「ならその命を頂戴しようかねぇ?」

「……逃げるが勝ち!っス!!」

と。

逃がすわけも無く。

一通り測定を終えた帰り道、ククリのすっからかんの頭を小脇に抱えてヘッドロックかましながら、リオールと話す。

「なんか今日ずいぶんと早く終わったなぁ…。会場も空いてたし」

「そうだな。女子のほうの進行が滞っているという噂は委員会の後輩から聞いているが、それで男子の進行が楽になるというのも不思議なことだな」

「なー」

「そそそそれは、そそそうにきまままってるっスぅぅぅ!あんな面白いもの見ない手は無いっスぅぅぅ!!!みんなそっちに流れてるから測定さっさと終わったっスぅぅぅぅぅ!!!!」

「…お前、ずいぶんと我慢強くなったなぁ」

昔は五秒で泣いて詫びてきたのに、最近は耐えられるようになっている。

少しはコイツも成長しているということなのだろうか。

「…その面白いものとやらの検討はついてるけどよ。あんまり自分で見る気のするもんじゃないよなぁ…」

「ん?何のこと……と、あぁ、あれのことか。なんだ、無責任な奴だな。男なら責任を持つべきだろう」

「責任つってもよ、俺既に一人分責任取らされてるんだけど。それ以上は無理だって」

「…?どうしてそうなる」

「は?」

「だって、君はランバルディアの家に婿入りするんだろう?ということはまず間違いなく昇進は約束されたようなものだ」

「それがなんだよ」

「ならば――――――」








「ソフトボール投げ?シャトルラン?それが何だって言うのよ!女の武器はこのしなやかさ!長座体前屈の女王こそハルの隣りに立つにふさわしいのよおーほっほっほ!!」

腰に手を当ててふんぞり返りクロア。

高笑いを挙げるその様は、まさしく(何かの)女王のようで、よくお似合いだ。

「はっ、それはなにか?負け犬の遠吠えか?とても最初に勝負を持ちかけてきた人間の言葉とは思えんな。己の言葉を裏切るような輩が何をほざいても風鳴りと同じ、婚約云々もその程度の信憑性しか無いのだろうなぁアーッハッハッハ!!!」

競うように腰に手を当てて笑うアゼリア。

本人としてはごく真面目なのだろうが、周囲の人間の視線は汗に塗れたしとやかなうなじに向けられていることには気づいていない様子。

2人の間にはバチバチと火花が散っている。

体力測定開始から早1時間余り経過しているが、2人のボルテージはいまだ下がる気配はなく、むしろあがり続ける一方だ。

周囲を取り囲む野次も、やんややんやと楽しげだ。

「な、なによ!たかがボール遠くに飛ばせたからって偉そうにしないで頂戴!第一貴女みたいないかにも力自慢って人に遠投で勝てるわけ無いじゃない!!」

「それを言うならたかが体が柔らかいくらいで何を得意げに!いいか、総合的に見れば今のところ私が勝っているのだからな!それこそ、あまり偉そうな態度をとらないでもらおうか!!」

「う、うぬぬぬぬぬ…!」

劣勢はクロア。

常に喧嘩腰になりがちなクロアだが、口げんかは余り強くない。

いつもハルが負けてあげていた所為か、はたまた元から語量が貧しいだけなのか。

「ちょっと!アリスも何とか言ってやんなさいよ!ほらほらゴーゴー!!」

そしてクロアは助け舟、改め第三の争奪戦参加者の名を呼ぶ。

「え、私がですか?」

突然の呼び出しにきょとんとするアリス。

ちなみに現在彼女は三連敗中。クロアが一勝(長座体前屈)、アゼリアが二勝(ソフトボール投げ、シャトルラン)といったところだ。

この三人のなかで最もあせって然るべきは彼女のはずなのだが……。

「私は…んー、もう別にいいかなぁーって。冷静になって考えてみれば、クロアちゃんとか生徒会長さんに身体能力で勝てるわけ無いですし。これで勝って何がどうなるわけでもないですし」

「そ、それを言ったら終わりだろう!?じゃあ何か、君はもう金輪際ハルから手を引く覚悟があるっていんだな!!?」

「……んー、はい。そうですね」

「「えぇぇぇ!!??」」

と、驚くクロアとアゼリア。

プラス外野。

辺りはざわざわと喧騒に包まれる。

「……お、驚きの決断ね…。正直、貴女だけは最後まで食らいついてくるとおもってたんだけど…。意外にあっさり諦めるのね」

「あぁ、全くだな。一年の頃から彼を見初めていると聞いていたが…その程度の想いか」

「…諦める?その程度の想い?何のことですか?…ハルくんのことなら見当違いも甚だしいです。諦めるわけ、ないじゃないですか」

しかし一人冷静な面持ちのアリス。

しらっとした顔でそう言い放つ。

「え?」

「…どういうことだ?」

「だから、発想の転換ですよ。よくよく考えてみれば、クロアちゃんは貴族ですし、お父様もとても高名で、すばらしいお人です。ランバルディアの家にハルくんが入るのは、私からしても悪い話じゃありません。だって、好きな人ですから。…好きな人には、幸せになって欲しいです」

「しかしだな…!」

アゼリアがアリスのその諦めとも、降参宣言とも取れる言葉に食い下がろうとするが、クロアがそれを遮って話し出す。

「よ、良く分かってるじゃない!そうよ、ハルは私と結婚するのが幸せで、友達の貴女を悲しませるのは不本意だけど…」

「はい。だから、正妻はクロアちゃんで構いません」

「そうそう、正妻は私………………………って…何?」

「ですから、正妻()クロアちゃんで構いません」

「……正妻……?」

「えっと、つまりこういうことです」

首を傾げるアゼリア。

そのアゼリアに丁寧に教えるように、にこりと笑ってアリスは言った。


「私、二番目予約、ってことで!」






「……ぱーどぅん?」

「だから、軍の権力者であれば、第二、場合によっては第三、第四夫人が居るのが通例だろう?確かアリスのお父上も奥様が2人いらっしゃったはずだが」

「……重婚?」

「正式に籍に入れるのは第一夫人だけだがな。ま、昔ながらの慣習といったところだろう」

「ガイ、っていうか、うちは奥さん一人だったみたいだけど?」

「そういう人もいる。ただ、権力争いなども絡んでくるからな。家柄如何によっては、一人の女性に一途であるというのは相当難しいだろうな。ランバルディア中将も相当頑張られたのだろう」







お兄様。

この世界は、どうにもこうにも、うまくいかないことだらけです。

こんな設定駄目ですか\(^o^)/駄目ですね\(^o^)/重婚駄目絶対\(^o^)/

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