Extra Ep2:甘味
こっそり季節ネタとして書いていたバレンタインもの。ぜんっぜん間に合わなかった上に2月も終わろうとしているのでもう上げちゃうことにしました。本当はもっといろんなカップリングで書きたかった…。
なんか他にもこんな人たちの絡みがみたいーっていうご意見ありましたら感想でどうぞ。
ちなみにこの話はパロディ的なものですので、アルノードにはバレンタインはありませんのであしからず。
あ!お気に入り登録1000件超えました!ありがとうございました!今まで読んでくださった皆様に感謝!!
ハルと
クロアの場合
「………」
「………」
「………ぐすっ」
「何故、泣いている?え?嘘、俺何もしてないよな?え?なんかごめん!?」
「う、うぇぇぇん!」
「わーわー!ごめんな?!な、なんか知らんけどごめん!」
「わ、わだしねぇっ!?」
「うん、うん」
「が、が、がんば、ひっく、がんばったんだよぉ!?」
「何をかは知らんが、がんばったんだな?」
「がんば、がんばったのにね゛ぇ!か、か、かた」
「かた?肩?壊したのか?」
「かだまらないの゛ぉ!」
「…固まる?」
「と、とかして、固めるだけなら、できるかなぁーっておもっだのに!愛情さえ篭ってればいいよねって思ったのに!!」
「……チョコの、話か?」
「な、なんで、分離しちゃぅのぉ!??」
「あーそれはお前、湯煎にかけなかったとか、理由はいくらでもありそうだが…」
「愛だけは篭ってるのにぃぃ!!!」
「うん、そうだな。ありがとう。もうそれだけはお腹いっぱいもらったよ。ご馳走様」
「お、お、お粗末さまでしだっ!」
「はいはい」
アリスの場合
「これ、その、チョコマフィン…です。お口に合うか、わからないですけど…」
「いや、アリスからもらえただけでうれしいよ。ありがとう」
「は、はい。…あの!本当においしくなかったら、残していいですからね!」
「え?いや、食べるって」
「駄目ですよ!もしかしたらベーキングパウダーじゃなくて塩いれちゃってるかもしれないし、小麦粉ふるいにかけ忘れちゃってるかもしれないし、そうだ、生焼けかもしれないし!お腹壊しちゃうかも!!」
「ミスっててもお菓子だろ?そんなまずいことにはならないって。それにせっかくアリスが作ってくれたんだから…」
「あぁ、生焼けじゃなくて焼けすぎてるかも…焦げてたら捨ててくださいね!?焦げは発ガン作用があるって噂で聞いたことが…」
「だから、アリ」
「ていうかそもそも甘いもの好きじゃなかったりしますか!?わ、私ったらそういうのぜんぜん確認しないで勝手に盛り上がって勝手に作っちゃって、あぁもう私の馬鹿ぁ……」
「…アリスっ!」
「は、はい?」
「だから、俺は、アリスからもらえただけでうれしいから。絶対、お前が何を言おうと焦げていようと不味かろうと食べるから。てかもうここで食べる」
「え、ちょ、ハルくんっ!?」
「……ん。普通に、うまい。おいしいです」
「う、ぁ……」
「…な?」
「…はい。ありがとうございます、ハルくん」
「あぁ」
「(………大好き)」
「ん?」
「ふふ、いえ、何でもないですよ」
アゼリアの場合
「その、お前は今日が何の日か、えっと、その…知って、いるか?」
「バレンタインですよね」
「うわぁ!!」
「どわぁっ!?え、なんで!なんで武器投げたの今!?」
「はっきり言うな!」
「遠まわしに言ってもセント・バレンタインデーくらいしか思いつきませんよ俺?!!」
「違う!私は決してそんな製菓会社の陰謀に振り回されたりなんてせん!!あいつらは一月も前からバレンタイン、バレンタインと騒ぎたて、マスメディアもそれに乗っかりむしろ乗っからないお前は何なんだ非人間かとでもいうようなムードを作り出す、バレンタインとはなぁ、そんなとんでもない国家レベルでの陰謀なんだ!!」
「バレンタインになんの恨みがあるんだこの人…」
「そもそもバレンタインとは過去に自由な結婚を認められなかった男女の駆け込み寺的存在であった聖ウァレンティヌスに由来する記念日であり、お前が考えるようなふしだらな行事ではなく!」
「別にふしだらな行事だなんて思ってないですけど…精々、女の子からチョコもらえたらうれしいなぁくらいで…」
「チョコ!それこそが諸悪の根源だとも知らずに!」
「はい?」
「まぁもっとも世間で良く聞く、チョコを食べ過ぎてにきびが出来ただとか、鼻血が出ただとかは都市伝説の域を脱しない噂話に過ぎないが、人間以外の大半の動物が食せば最悪死に至るような成分が入っているし、脂肪分や刺激物が過多に含まれているのは間違いない。加えて言えばアレルギーを引き起こす一つの要因でもあるな」
「それは、その…ご教授、ありがたく承ります…?」
「あぁ、そうしろ。おっとそういえば、先日そのチョコとやらを貰い受けてしまってな。いやまったくもってその味は私の趣味ではないし、今言ったような点を考慮するととてもじゃないが口にする気にはなれない。しかしどうやらお前は今日この日、バレンタインを意識して女子からチョコをもらいたいというではないか。だったらお前こそこれを食べるべきだ!さぁ受け取れ!さぁさぁさぁさぁ!!」
「え、あ、はい。ありがとうございます」
「いや、礼はいい。私も厄介払いが出来てちょうどよかった。おっと、それでは時間のようだ。またな、ハル」
「さようなら、アゼリア先輩」
「………すっげー、包装手が込んでるんだけど…チョコケーキ?…じゃないか、ガトーショコラか。……うまっ!」
「ああああぁぁぁぁぁ………何言ってるんだろ私…意味がわからない…自分がわからない……なんでもっと素直に渡せないんだろ……うぅ…」
アリアの場合
「クロネコちゃぁーん、でておいでー!お姉さんがあまくておいしーい、いいものあげるわよー!」
(嘘だ!あの人の笑顔を信じていい目にあったことなんてほとんどない!)
「…そう。でてこないというのね。…フフフ、私もずいぶんとなめられたものね」
(な、なんだ?急に雰囲気が変わったぞ?)
「じゃあ、ここで問題。アタシの一番得意な魔法はなんでしょーか?」
(あ!)
「答えは」
(感知魔法!)
「だぁぁぁいぃぃせぇぇいかぁぁぁぁいぃぃぃぃぃ!!!」
「ぎゃあああぁぁぁぁ!!??」
「見事正解しました方にはこちら、アルフィリア特製『飲むと体が火照って頭がぽぁってなって理性の箍が外れてしまう程度の能力』を持ったホットチョコレートを進呈します!」
「まさかのBI☆YA☆KU入り!そういうのは可愛い女の子が飲むべきです!!」
「…じゃあアタシが飲む?」
「それもっと駄目!俺の貞操が超危険!!」
「じゃあ飲んで!」
「だからこんなもん飲むわけ…」
「じゃあ俺様が飲んでやろうフハハハハハ!」
「あ、レオン少佐、って、飲んじゃった!」
「愚か者め!お前のようなガキがアリアのチョコなんぞ百年早いわ!!」
「…あの、お味のほうは…?」
「大変美味しゅうございまし………」
「…?少佐?」
「………グベァ…」
「うわぁ!得体の知れない声上げて倒れた!?」
「…やっぱりね」
「やっぱりね?!!」
「あの媚薬、少し量を間違えると『飲むと体が震えて頭から血の気が引いて野性の力が萎えてしまう程度の能力』を発動してしまうのよ」
「野性の、力?」
「だから、ピーーーーー的なピーーーがピーーーーってなっちゃうの」
「レオン少佐ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
(その後レオン少佐の姿を見た者はいない)
おまけ1
オリビアとククリの場合
「先輩!チョコが欲しいっス!!」
「……随分と素直」
「俺はハルとは違うっスから!あんなツンデレ野郎とは一線を画す存在っスから!!」
「……まぁ、いいけど」
「あるっスか!?」
「はい」
「うはwww」
「ただであげるとは言ってない」
「…え?」
「3回回ってワン」
「あ、そんなことならいくらでも」
「…した後に、腕立て伏せ300回、背筋300回、腹筋300回、スクワット100回」
「え?」
「校庭10周。それから水補給なしでチョコ完食」
「ちょ」
「感想文は原稿用紙に10枚で」
「………や」
「…ん?」
「やってやるっスよぉぉぉぉ!俺のオリビア先輩への愛はこんなことじゃくじけねぇぇぇっスぅぅぅぅぅぅぉぉおおおおおワンワンワン!!!」
「…………本当に、やるんだ」
(…おかしな人)
おまけ2
ニコルとライナスの場合
「先輩!チョコつくってきちゃいました♪」
「…拒否権は」
「四の五の言わず喰って下さい♪」
「いた、いたたた!謝るからアイアンクローはやめてくだ、いだだだだだっ!!!」