〜薬草採取〜
「っていうか、パパも鑑定使ってみたら?あなたにもあるみたいだし」
「そ、そうだな…とりあえずこの辺りに生えてるヤツ鑑定してみるか」
妻にそう言われて、自分の足元に生える可憐な花の植物を鑑定してみる
「アロ:葉の部分が傷薬として用いられる薬草。また茎、根、花部分が他の薬草と合わせると回復ポーションなどに使用されるが、鮮度が重要な為殆ど出回らず希少品」
何やら薬草の類でした。
せっかくなので、この薬草を採取してから移動しても良いのでは?と思い、妻と子供達にも確認する。
日本では午後4時頃だったのだが、異世界はお天道様が少しずつ上に来ている事からまだお昼のようだ。
時々、イッカクウサギとやらの小さめの魔物も出て来るようだが、異世界のお金がない今は、少しでもお金になりそうなモノは持って行きたい。
子どもたちの為にも。
「じゃあ、パパが採取している間に私は日本で買った食材やらをアイテムボックスに入れちゃうわね。子どもたちのアイスとか冷凍の野菜とかあるから…」
「わかったよ。ユウトとユカのお砂場セットを積みっぱなしにしてたな…掘れば根っこも採取出来そうだ」
「ユウくん、パパのお手伝いするー」
ユウトのお砂場セットを借りて、スコップで少しずつ土を掘る。
ユウトも砂遊び感覚なのだろう。楽しそうに一緒に土を掘っている。
「パパ、このお花、育てるの?ユウくんのバケツでお家まで連れてくの?」
「そうだなー…一緒に土も有れば育つかもな」
鮮度が重要だと言うなら、栽培可能なら根っこごと植え替えれば無問題だ。
ユウトに言われて気付いたが、バケツはユイのと合わせて2つ。
1つのバケツに3本ずつ、土と根っこごと、合計6本、このアロという薬草を運べばいい。
「パパ、ユウト、後ろっ!」
そんなことを考えていたら妻が木刀を持って、後ろから攻撃を仕掛けてきてたスライムらしきモノを倒していた。
ユカは妻に片手で抱えられたままである。
「パパ、無用心よ…!ここは地球じゃないんだから、周りに警戒してちょうだい。子ども達に何かあったらどうするのっ!」
妻にそう言われて、木刀を車に置いてきたのだと思い出した。
つい先程、イッカクウサギを倒したばかりだというのに、1体倒しただけで、もう大丈夫だと思ってしまったのの事実だ。
平和ボケした日本人って、皆こういう思考を持つモノなのかもしれない。
「すまん、思いっきり油断してた。よく気づいたな。」
「ユカのオムツ替えたり、アイテムボックスに入れながら、ちょくちょく周りを見てたからね。最低でも10秒に一回は周りを見るようにしなきゃ、販売員もお客様に声掛けするタイミングを見間違えてしまうもの」
そういえばユイは結婚前は高級品を扱うお店の販売員をしていたのだった。
でも、その経験が今ココで現れるとは思いもしなかったよ。
「おかげで助かったよ。ありがとう」
「いーえ。あとどれくらいで終わりそう?」
「とりあえず、今途中まで掘ってるヤツを採取出来たら終わろうと思っているよ。あとはバケツに植え替えるだけだから。ユウト、あとはパパが片付けておくから、ママのとこで手を綺麗にしておいで」
「はーい」
ユウトと二人で作業していたからか、あっという間に6本の採取が終わった。
ふと見ると、妻が生活魔法で水を出し、ユウトの手を洗っていた。
ユカは、チャイルドシートに座っている。
俺もバケツ持って車に積んだあと、自分の生活魔法で水を出して手を洗う。
木刀は念のため手に届く位置に置いてある。
手を洗い終え、木刀を持って車に乗り込もうとしたところ、何かが近付いてくる気配がした。




