エピローグ 彼女の涙
「さてと、面白いオモチャを貰ったお礼に、私もサプライズプレゼントといこうかね?
まあ、プレゼントよりも、ある情報に方がアビス姫にとっては嬉しいのだろうけどね。
まずは、彼女のお母さんから話して貰いましょうか?」
オーシャンがそう指示すると、アビス姫の母親が姿を現した。
彼女自身の指示ではないものの、アビス姫に暴行を振るったのだ。
なんとか和解したが、俺達の結婚を遅らせた張本人だ。
「ふふふ、私はアビスの幼い考えが気に入りませんでした。
不要な物を切り捨てる勇気もないクズだと思っていました。
私の方が、絶対に成功すると確信まで持っていました。
しかし、あるデータを分析して見たところ、私の考えが間違っている事を悟りました。
アビス自身は、データを見たとしても納得しない可能性もあるので、私とオーシャンさんが代表して調査を行いました。
その結果発表をこの場でしたいと思います!
いわば、『私VSアビスの女王としてどちらが優れているか?』といった対決です!」
「お母様、一体何を調査したのでしょうか?」
「ふふん、私は以前、アビスに対して、『トラッシュ(体の不自由な子供)』を保護する事など不可能だと言いました。
それは、たとえアビス姫が子供を保護しようと思っても、周囲の独断で子供を処理してしまうからです。
彼女も知っているように、この『島(二スィ)』には『トラッシュ(体の不自由な子供)』はいません。
私としては、全部処分されていると思い込んでいました。
アビスの幼い考えなど誰も支持していないと……。
しかし、医師や産婆から調査を正確に行ったところ、驚くべき事実が判明したのです。
なんと、本当に生まれてくる子供の中にトラッシュは1人もいなかったのです。
それは、偶然ではありませんでした。
あの子がトラッシュ達を養えるように農業に精を出していた為に、健康的な農作物が大量に製造され、それによって母体にも十分な栄養が行き届いていたのです。
あの子と医療の知識のあるオーシャンさんが、この星を支えてくれれば、生まれてくる子供は健康状態の良い子が生まれて、トラッシュと呼ばれる子供も保護される事でしょう。
私は、完全に間違った考え方をしていたのです。
自分の娘から様々な事を学び、これからの星の生活を参考にしようと思います。
数年後に私は他の星へ移動しますが、どうか娘を支えてあげてください!」
「そうなんだ……。
私、本当にトラッシュが処分されていると思ってた。
でも、本当に生まれてくる子供を救っていたんだ……。
嬉しい……。
トラッシュとして生かされるのも大切だけど、元々元気に生まれて来てくれる方が嬉しいものね!
そのお手伝いができて嬉しいです!
もっともっと頑張るからね!」
「この星を、正式に引き継がせるわ!
頑張って、みんなを幸せにしてあげてね!」
アビス姫は一瞬喜びの涙を見せたが、パーティーの後も終始笑顔を見せていた。
こうして数ヶ月後に彼女の怪我が治ると、俺と彼女の結婚式が執り行われる。
星全体で祝福してくれるようだ。
アビスは、夢にまで見たような純白のドレスを着て、俺の前に姿を現した。
俺も、白いスーツを着て、結婚式に臨む。
まるで夢のような光景が広がっていた。
「本当に、君と結婚できるとは思わなかった。
これからも、俺と一緒に幸せにさせて欲しい!」
「はい!
ずっとずっと一緒に、この星で生きていきましょう!
そして、この星をもっともっと住み易い星にしてみます!」
こうして、俺とアビス姫の結婚式が終わり、末永く幸せに暮らしました。
この後は、どのような世界になるのか、誰も予想ができていない。
この星の生活は、綱渡りのような星の上に築かれていると言われているが、それはどの宇宙の星でも同じなのだろう。
それでも、人々と星を大切にしていこうと思えば、どこの星でも世界でも幸せに暮らしていく事はできるのだ!




