プロローグ
人類は、宇宙へ飛ぶ出して様々な星に住み始めた。
その星の一つが、惑星『ウラノス』。
青い空と、青い海、広大な緑が広がる楽園だった。
その星は、地球とほぼ同じ環境であり、住み易い星として多くの人々が移住し始めていた。
高度な文明を築いて、更なる発展をしようとしていた矢先に、突然の異常事態が発生した。
星の重力が無くなり、斥力が発生するようになり始めたのだ。
地殻も変化し始め様々な事故が起こり始めた。
それでも人々は、その地殻変動に対処し始め、20年が経過した後も人類は生き残ることに成功していた。
ただし、斥力だけは発生したままであり、人類はそれに合わせて生活するようになっていた。
地殻は卵の殻のように分離し始め、中心の核を守るようにして大きな空間を開けて、外壁がに出て行かないように止まっていた。
核は、固い岩盤に覆われて、外壁が連なるように留まっていた。
王族『島』と呼ばれる者達は、安全な地殻の内側に住む事で、空へ飛び出て行くことを防いでいるが、地殻の外側に住む者は、『雲』と呼ばれて危険な地表に住まざるを得なくなっていた。
そんな場所でも星中を回らなければならない職業が多く存在する。
その中の一つが、郵便配達であり、星の中枢から外側まで行くこともしなければならない名誉ある仕事だった。
これは、そんな空の危険と隣り合わせの郵便配達人と、その運ぶ宝物を狙う空賊との物語である。