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プロローグ

 今から10年ほど前。

 ある病気が人々を恐怖へ陥れた。

 通称、殺人病ーーこの病気が発症する原因は未だに解明されていない。

 この病気にかかっても、見た目は何も変化しない。

 しかし、この病気にかかると恐ろしい感情に苛まれる。

 それはーー人を殺したいという感情である。

 そして、殺人を躊躇することなく犯してしまうのである。

 誰彼構わず殺したくなるという衝動が起こるのである。

 殺人病にかかった人は、国民からは殺人病患者シリアルキラーと呼ばれている。


 普通の人間の中には少なからずを殺したいと思う人もいるのではないだろうか。

 理不尽な上司、恋人を寝とった友人、暴力を振るった教師、毒親など、例を挙げればキリがない。

 殺人病はストレスが原因でなるのかもしれないと言われているのだが、未だ解明されていない。

 殺人病の恐ろしいのはそれだけではない。

 殺人病にかかった人は常人では考えられない能力を使う事ができる。

 人を発火させたり、素手で人をバラバラにできるようになったりと、シリアルキラーになることで常人には考えられない能力を使えるようになるのである。

 一説によると、シリアルキラーの一番やってみたい殺害方法を能力として具現化されたのではないかと言われている。

 シリアルキラーの使う超能力をいつからか『マーダーフォース』と呼ばれるようになった。


 殺人病が発症するようになったことで人々は常に危険に晒されるようになった。

 そこで、法律が改正され、銃刀法違反が廃止された。

 民間人であっても武器を所持しても良い事になったのである。


 しかし、一番いいのは、シリアルキラーに遭遇しないことである。

 普通、シリアルキラーは目立った場所での行動を嫌う。

 人がたくさんいるところで殺人を行おうものなら、警察が駆けつけ、容赦なく銃殺、もしくは死なない程度に痛めつけ、逮捕してくるからである。

 また、普通のシリアルキラーは殺人欲を満たすために、捕まらないように一人の人間を人間、もしくは弱そうな団体を狙う傾向がある。


 しかし、最近あるシリアルキラーが話題になっていた。

 そのシリアルキラーは人がたくさんいるところでも、白昼堂々と殺人を行うのである。

 何度か警官が駆けつけたこともあるが、その度に警官が帰りうちにあっている。

 そのシリアルキラーは人を一瞬で凍らせてしまうマーダーフォース、『チェルスハンド』という名の恐るべき力を持っている。

 私が住んでいる東京でももっぱら話題になっており、遭遇したら即逃げるように両親から言われていた。


 そして、私はというと、今まさにそのシリアルキラーに襲われているのであった。

「くっ!」

 できるだけ、足を動かした。

 呼吸するのも辛い。しかしここで捕まってしまえば私の命はない。

 無精髭を生やした銀髪でおおよそまともな人間とは思えない眼差しのシリアルキラーはニヤニヤしながら追いかけてきた。

「おーい、待ってくれよ。殺させてくれ。」

 ふざけるな。死んでたまるか。

 撒いてやろうと狭い路地に入り込むと、奴は地面に自分の右手を当てた。

「チェルスハンド」

 そう言うと、地面が一瞬のうちに凍りついていき、地面の凍る範囲が増える。

 やがて、私の両足も凍らされてしまった。靴を脱ぎ捨て、逃げようと思ったがその前に太腿のところまで凍らされてしまった。

 ゆっくりと奴が近づいてきた。

「いやぁ、すごい逃げ足だったね。ここまで逃げ切った女子高生は初めてだ。君の名前を聞いてもいいかな?」

「藤崎絢香。私を殺す気?」

「ああ。俺は殺す事でしか快感を得る事ができない。容赦なく殺させてもらうぜ。こんな若い娘を殺すのは久々だ。あっはっは!」

 奴は狂ったように笑い出した。

 せめて奴に。朝倉東に一矢報いてやりたい。

「ふん!」

 私は朝倉東に頭突きをかまそうと試みたが、どういうわけか力が入らない。徐々に意識が遠のいていった。

 あたりを見ると頭部以外凍らされていた。

 私はもう覚悟を決めた。ここで死ぬのだろう。

「最後に遺言でもあるか?」

「お前なんて、あの兄妹に殺されてしまえ......」

 全身、朝倉東によって凍らされ、私は力尽きた。


 

 







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