3章
第3章 【困惑】
始めてなきからメッセージを貰って2週間・・・
なきは必ずと言っていいほど僕のツイートに対してリプを送ってくれて
特に恋愛関連のツイートに食いついていた。
「じゃあわたしが麻理児先生に告白してあげようかなー」
「わたしも先生と一緒でTwitterの占いで変態ってでました(笑) お揃いですね(笑)」
最初はこれらの刺激的なリプに戸惑いながらリプ返しを送っていたが
次第に慣れ始め今では
「僕は変態じゃないですよ!! 女体盛りさせたいとか思ってないです!笑」
など割と大胆なリプを返せるようにまでなっていた。
そんなある日なきはあるツイートをした。
「友達に今わたしがハマってる麻理児先生の作品を布教なう〜 友達もかなりハマってる様子♡」
書籍を出したはいいものをあまり売れ行きが良くなかった僕にとって
作品を布教してくれることはなによりもありがたい。
なきが積極的に僕の作品を勧めてくれていると知って
僕はなきのことがより一層愛おしくなった。
そんな風に浮かれていた僕だがふとあることが気になった・・・
(なきの友達は男だろうか…女だろうか……)
普通に考えれば女の子の友達は女の子だが
もしその友達が男だった場合、下手をしたらその男はなきと友達以上の関係を結んでおり
僕に対してのリプもただ単にファンとしての馴れ合いだったということになってしまう。
僕は前に言った通り女の子とまともに会話したことがない。
その中で始めて僕に積極的に話しかけてくれた女の子・・・
僕が淡い恋心を抱き始めてしまうのはある意味仕方のないことだった。
しかし抱いてしまった恋心が今崩壊の危機に瀕している。
もしなきの友達が男だったら・・・
僕はなきにDMを送り確認したい衝動に駆られたが
そんなことをされたなきは僕のことを嫌ってしまうと思いできなかった。
そして僕はその日ずっとなきのアカウントを見つめ
ため息をこぼした。