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自称平凡少年の異世界学園生活  作者: 木島綾太
短編 誰が為に刃を振るうのか
202/350

短編 誰が為に刃を振るうのか《プロローグ》

構想にあった短編のラストになります。

劇中の地の文で語られた内容を詳しく肉付けしてお届けするので、それなりに長くなります。

 数多(あまた)の冒険者が武器を握り締め、防具に身を包み、日夜挑み続ける資源の宝庫──迷宮(ダンジョン)

 魔導革命によって開発され、冒険者として必須用具となった携帯型技能覚醒装置リアリゼーション・デバイス、通称デバイスの普及によって。

 一攫千金を望める富、魔物と罠の危険が隣り合わせの迷宮を効率よく運用し、更なる国益とするシステムを確立した国家、ニルヴァーナ。


 本部をグランディアに置く冒険者ギルド支部と提携し、冒険者を育成する学園には初等部から高等部にかけて大勢の学生が在籍している。

 彼ら彼女らは学生という身分のため学業に励んでいるが、冒険者としても活動し目覚ましい活躍を見せることがあるのだ。


 例として挙げるならば、学園最強と称される現生徒会長ノエル・ハーヴェイ。

 彼女は天賦の才と恵まれた身体能力、適性魔法に魔力量を遺憾なく発揮し、単独で高難易度の依頼や魔物の討伐を成し遂げていた。時には村や町、国を救い、羨望と希望を振りまいている。

 しかし他者を思い剣を振るったとしても、偉業とも呼べる功績に恐れを抱く者は少なくない。強い孤独を感じてしまうくらい……それほどまでに彼女の実力は逸脱しているのだ。


 話を戻すが学生冒険者として籍を置いている以上、例え初等部の生徒であっても迷宮を攻略する権利がある。

 もちろん、個人の実力と年齢を加味した危険度の迷宮のみ提示され、原則として必ず上級生や教師の随伴が発生してしまうのは仕方のないこと。

 安定した攻略が可能だとしても怪我を負わないとは限らず、死ぬ恐れもあるからだ。子供だからとて、甘く(ぬる)い環境ではない


 その随伴は学園の授業課題で迷宮に(おもむ)く際にも適用される。

 月に一度、オリエンテーリングのようなものとして初等部の生徒は引率の教師と共に迷宮を攻略するのだ。

 地図上の階層に到達せよ、特定の素材を採取せよ、指定の魔物を討伐せよ、など。

 課題は教師や月によって変わる為ランダム性が強く、生徒の応用力が鍛えられるので好評を受けている。


 そして、今回も慣例に従いオリエンテーリングを行う生徒たちがいた。

 特別カリキュラムを受けている初等部生徒──そう、孤児院の子ども達だ。

 キオやヨムルを含んだ数人を選出し、挑戦する迷宮の名は『黄昏の廃遺跡』。


 苔むした無骨な洞窟であったり、地下でありながら屋外のような風景が広がる迷宮とは違う。

 過去に繫栄していた文明の遺産が迷宮の発生に巻き込まれ、魔物の巣窟へと変貌し荒れ果ててしまった遺跡群。

 赤褐色の壁やら石畳が目立つが、それ以上に豊富な鉱石資源や歴史的文献が残されているとして、かなりの頻度で冒険者が足を運ぶ迷宮だ。


 今回はそんな遺跡に挑むキオ達と巻き込まれたクロトのお話。

 容赦なく牙を剥く迷宮の苛烈さ、それでもなお抗う者の咆哮。

 不思議な縁で結ばれた関係がより深く、鮮明になる出来事を綴るとしよう──

恐らくクロトのメシと同じ感じで前中後篇に分けると思います。

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