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自称平凡少年の異世界学園生活  作者: 木島綾太
【二ノ章】人助けは趣味である
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第十六話 健全な休日の過ごし方《前編》

デート回? って感じのお話です。

 朝、学園の校門前。

 そこに生徒の騒がしさを見せる平日の光景はなく、大通り(メインストリート)の喧騒だけが響いていた。

 遠目から見える大通りの観察を切り上げ、晴れ渡る青空を見上げる。

 空を泳ぐ雲と、燦々(さんさん)と輝く太陽。

 その視界の端。設置されている大時計に何気なく視線を向ける。短針は九時前を示していて、その大時計の真下に俺は立っていた。

 今日はシノノメの厚意により、街を案内してもらうことになっている。

 学園の敷地からほとんど出たことのない俺にとって、それはありがたい提案だった。しかも漫画やゲームに出てくるヒロインみたいな超絶美少女に連れられてとか、幸せ過ぎるだろ。

 そんな浮ついた心を落ち着かせるため、改めて財布の中身を確認する。

 ……ギリギリ四桁に到達している所持金に軽く落ち込んでいると、女子寮へ続く道からシノノメが走ってきた。

 余程急いできたのか、疲れているように見える。


「おはよう、シノノメ」

「お、おはようございます、アカツキさん。お待たせしてしまったようで、すみません」


 遅れたことを気にしているのか、シノノメは申し訳なさそうに頭を下げる。

 いかん、フォローせねば。


「いや、俺もついさっき来たところだし、そんなに待ってないよ」

「そ、そうでしたか」


 フォローするとシノノメは胸を撫で下ろし、額の汗をハンカチで(ぬぐ)い、息を整える。

 そんなシノノメの服装は髪を留めている(かんざし)はいつも通りだが、清楚な白いブラウスに紺色のロングスカートを身に着け、肩から大きめのエコバッグのような物を下げていた。

 大人びた印象の強いシノノメの可愛らしい私服姿を見れたことに思わず感動し、視線を下げると見慣れた男子制服が目に映る。

 そう、俺の服装は学園指定のズボンに長袖のワイシャツを(まく)っているという、ごくごく普通のスタイル。せっかくの休日に着るようなものではない。

 一着しかない私服はパジャマ代わりにしている上に、借金返済に夢中になりすぎたのが原因でお金が無くて私服も買えていないから仕方ないのだ。

 笑えよちくしょう。


「落ちついた?」

「……はい。では早速、行きましょうか」

「おう」


 少しブルーになった心を隠し、何気ない様子でシノノメの後ろをついていく。

 徐々に大きくなっていく喧騒と春の陽気とは思えない熱気を肌に感じながら、大通りへ入るアーチをくぐり抜けると、不意にシノノメが振り向いた。

 どうした、と声を掛けるよりも早く、左手を雪のように白く細い手で取られ、しっかりと握られる。

 突然のことで頭が真っ白になりかけたが、前へ進む身体に引っ張られるように意識が戻ってきた。

 ──いやいやいやちょっと待て。


「あのー、シノノメさん? 何で急に手を……?」

「いえ、休日の大通りは人の流れが激しいので、はぐれないようにしようかと」

「あっ、そういう、ことね…………ははっ」


 ええ、分かってましたよ。どうせそんな理由なんだろうなって、分かってましたとも。

 べ、別に甘い展開を予想してた訳じゃないんだから、勘違いしないでよね!




「──ギルドに用事があった時はいつもこの大通りを通るから、色々やってるのは分かってたけど……。いざこうして見ると、本当に色々やってるんだな」


 出店は盛況な賑わいを見せていて、食べ物はもちろん、冒険者向けに販売されているポーション、鍛冶や装飾に使うモンスターの素材に鉱石、腕の良い鍛冶師が打った剣や盾など。

 目を引かれるような商品ばかりが並んでいて、思わず立ち止まってしまう。

 その度に穏やかな視線を向けてくるシノノメに申し訳ないと思いつつも、足下の槍を手に取り、軽く振ってみる。

 素槍の穂先から石突までの長さは自分の身長と同じくらいで、基本的な槍よりもリーチが若干短い。もしかしたら混戦した状況でも取り回しやすいように作られたのかもしれない。

 しなやかで丈夫な素材で出来ているのか、多少無理な動きをしても耐えてくれそうだ。

 ……いいな、これ。


「大通りは冒険者や市民の方々、他国からニルヴァーナに訪れた方でも気軽に交流ができるようにと、ギルドと自警団の許可を得れば、誰でも出店を(ひら)けるようになったんですよ。時々、生産系冒険者志望の生徒も見かけます」


 しかし値段を見てみると、ありえないほど高価だったため丁寧に元の位置に戻し、改めて鑑定スキルで槍を見つめる俺にシノノメが大通りについて教えてくれた。

 要点をまとめると、“ギルドと自警団の許可さえあれば大通りで商売が出来る”らしい。

 なるほど。ということは、俺も仮とはいえ自分の店を開けるのか。

 お金稼ぎの手段として考慮しておこう。

 時間が掛かった鑑定の結果、ミスリル鉱石とAランクモンスターの素材を特殊加工した上級の逸品であることが分かった俺は、絶対に鍛冶の技術を磨こうと決心し、再び歩き出す。


「基本は都市の中心にある学園から東西南北の四方に伸びる大通りの全てにギルド、自警団の支部があって、この北通りには自警団の本部があります」

「あれ? ギルドの本部は?」

「王都にあります」

「……ごめん、王都ってなんだっけ?」

「授業で習ったじゃないですか、思い出してください」


 困ったように笑うシノノメを横目に、必死に頭の中から該当する記憶を拾い上げる。

 王都、王都…………ああ、確か地理の授業で聞いたことがあるな。と言っても、その時は寝ぼけたまま受けてたからうろ覚えだけど。


「えっと……。王都《グランディア》はモンスターの中でも特異な知性を持ち、人と、王族とも友好的な立場でありながら、召喚士として名を馳せていた先代の王の召喚獣となり、王の死後もなお、王都を護り続けていると()われている伝説の龍、ティアマトが存在していることで有名である……だったっけ?」

「大体はその認識で間違ってません。付け加えるなら、グランディアの城下町に各国へ支部を展開しているギルドの本部があります。また、支部の置かれている国とは協力関係を築いているため、冒険者は身分を証明するデバイスさえ持っていれば、各国の入国に手間を掛けることなく通ることができますよ」


 日輪の国(アマテラス)はそういう所が少し甘かったりしますが、とシノノメは微笑む。


「ニルヴァーナ、アマテラス、グリモワール、グランディア。この中で一番、戦力が強いのって……」

「間違いなくグランディアですね。実力のある冒険者が集まるギルド本部、国に仕える飛龍騎士団、それらを支援する鍛冶職人と多くの商人、そしてティアマトがいますから」

「まるで要塞だね……ん?」


 少々、当初の目的とは脱線した話をしながら辺りを眺めていると、気になる物を見つけた。

 先行して歩くシノノメの手を引っ張ってその店に近づく。

 風呂敷の上に並べられた鮮やかな色彩で描かれた絵画(かいが)や、(すす)が付いてはいるが珍しい装飾が施された食器などを見るに、収集した骨董品を販売しているのだろう。


「らっしゃい、お二人さん! よかったら見ていってくれよ!」


 頭にハチマキを巻いた、店主であろう人物に声を掛けられた。

 軽く挨拶を返し、無造作に並べられた商品の中で、一際(ひときわ)異彩を放つ奇妙な品物を指で示す。


「おっちゃん、それ何?」

「んん? ああ、こいつかい?」


 そう言うと店主はそれを持ち上げて、こちらに見せつけながら教えてくれた。


「これはなぁ、ずいぶんと前に仲良くなった冒険者から貰ったもんでな。なんでも珍しい召喚獣の卵だそうだ」

「へー……」


 話には聞いてたけど、これが召喚獣の卵なのか。

 ……なんか三角錐(さんかくすい)みたいな形で紅い斑点があるけど、卵なんだ。

 しかしサマナーが使役できる生物の卵となると、さぞかし高いんだろうな。


「おっちゃん、これお高い感じ?」

「いや、千メルだ」


 (やす)っ。


「あの、どうしてそんな値段になったんですか?」

「それがなー、この召喚獣は特定の魔力の波長を持つ奴しか孵化できないらしいんだよ。しかもその波長ってのが厄介らしくてよぉ」


 質問をしたシノノメに愚痴る店主を横目で見つつ、抱かれている卵を鑑定スキルで見てみる。

 …………種族名は見えないけど、内包してる魔力量がシノノメと同等って、どんな召喚獣なんだ?

 しかもうっすらとだけど、中に影が……。


「──商人である俺としちゃあ、売れない物をいつまでも持っておく訳にはいかねぇからよ。もし孵化できるってヤツが店に来たら、タダでくれてやることにしてたんだ。まあ、そうでなくても欲しがる奴がいたら売ろうと思って、値段は付けてるがな」

「大変なんですね……」

「じゃあさ、おっちゃん。もし俺がこの場でその卵を孵化させたら、その召喚獣はタダで貰えるってことでいいんだな?」

「あん?」


 俺の確認に対して、店主のおっちゃんはやれやれといった様子で肩を竦めた。


「おいおい兄ちゃん、俺がさっき言ったこと忘れてんのかい? 今まで店に来てくれたどんな客でも、この卵を孵化させることはできなかったんだぞ」

「試してみなきゃ分からないだろ。さあ、卵を貸してくれ」

「へっ、やれるもんならやってみろい! その代わり、孵せなかったら兄ちゃんのこれを貰うがな」


 店主は笑いながら、右手で小銭の形を作る。

 ほう、俺から金を取ると言うのか? よかろう、ならば守銭奴の本気を見せてやる。


「今更聞くのも遅いと思いますけど……出来るんですか?」

「大丈夫だよ。鶏の卵を孵すのと変わらないはずだし、どうにかなるって」

「不安しかないです……」


 受け取った卵を両手で包み込み、魔力を流し込む。

 殻全体に染み込ませるように流し続けると、仄かに卵が輝き始めた。

 しかしその現象が起きてから数秒経っても(かえ)る様子のない卵を見て、店主は意地の悪い笑みを浮かべる。


「ほらな? やっぱ孵化させるなんて出来っこねぇんだって。ほら、他の客の迷惑になるんだ、さっさと金払って」

「……ここが弱いのか」

「アカツキさん、何を……」


 言葉を続けようとした店主を遮って、置いてあった商品のハンマーを右手に持つ。

 横で様子を伺っていたシノノメが怪訝そうな声を掛けてくるが、構うことなく、俺は狙いを定めた位置にハンマーを振り下ろした。


「「ああっ!? …………あれ?」」


 二人の悲痛な声が響くかと思えばそんなことはなく、ただ目を丸くして、()()()()()()()()()()()()()()()()()のようなものを見ていた。

 振り下ろしたハンマーはその甲羅の薄い部分を貫通していたが、威力を減衰させられたのか卵の表面に当たるだけで、その場で停止している。

 しかし殻を割るには十分な威力があったのだろう。直撃した卵にヒビが走り、ビキリと音を立てて崩れ始める。

 そして卵が一瞬揺れたかと思うと、殻の砕ける乾いた音と共に、中から光が飛び出してきた。

 思わず目を背けてしまいそうになるほどの光の源は、生まれたばかりの召喚獣からだ。

 溶けていく光の中心でふわふわと空中に浮かぶリスのような召喚獣は、柔らかそうな空色の毛皮に、小さな身体に不釣り合いなほど大きい尻尾を持っていて、そして額に光る、ルビーのように紅い宝石が特徴的だった。

 その召喚獣は丸まった身体を伸ばし、眠りから覚めたように目を(しばた)かせると、


『……キュイ?』


 首を傾げて、可愛らしい声で鳴いた。





「──いやはや、ぶったまげた……! まさかあれがカーバンクルの卵だったとはな! 兄ちゃん、もしかして気づいてたのか!?」

「ふふん、こう見えて|《鑑定》のスキルは得意分野だからな。大抵のことは分かるさ」

「はー、そういうことか。……くそぉ、俺もまだまだだな」


 偉そうなことを言ってるけど、さっき分かったことなんて『卵を覆う透明な壁の薄い部分を壊して殻を割る』ってだけだから、何の卵かは流石に分からなかった。

 ちゃんと鑑定スキルも上げないとなぁ、と思いながら、頭の上に乗っかっているカーバンクルを撫でる。

 気持ち良さそうに手に擦り寄ってくるカーバンクルに、周りから嬉々とした声援が飛んできた。

 どうやら今までの一連の流れを芸か何かだと勘違いされているらしい。

 あれをどう見たら芸と勘違いするのか。こちらとしては誠に遺憾であるが、かなりのおひねりが飛んできているので、しばらくはずっとこうしていよう。


「というわけで! おっちゃん、この子は貰っていいかな?」

「ぐっ……、確かに珍しい光景も見せてもらったし、こっちから仕掛けちまったもんだしな…………しゃあねぇ。潔く認める、俺の負けだ! 連れてけ連れてけ!!」


 おっちゃんは観念したように声を荒げると、しかめっ面でシッシッと手を振った。

 しかし口元に笑みが滲んでいるところを見るに、祝福はしてくれているらしい。


「ありがとうな、おっちゃん! ──そうだ、これあげるよ」


 俺は財布から、全財産である千メル硬貨をおっちゃんに向けて投げた。


「おい、別に金を払う必要は」

「勝手に商品使っちゃったから、それの謝罪だと思って貰っといてくれよ。あっ、ついでにおひねりも回収しときなよ! あと、これから忙しくなるだろうから頑張って!」

「あん? そりゃ一体……」

「すぐに分かるよ。行こうか、シノノメ」

「あっ、はい!」


 頬を赤らめて、じっとカーバンクルを見つめていたシノノメに声を掛け、その露店を離れると……。


「おっ! この店、なんか珍しい物ばっかり置いてないか!?」

「本当だ……! これなんて相当な値打ち物だ。こんな値段で売っていいのかよ!?」

「おい、店主さん! これ売ってくれ!」

「こっちも頼む!」

「ああっ、それは私が狙ってたのに!」

「お、おお、おおおおおおおお!? ちょ、ちょっと待ってくれ。おひねり拾ってる最中だから、タンマ、一旦タンマだってええええええ!?」


 一説によると、カーバンクルの額の宝石を手にした者は富と名声を得ると言われている。

 だが、たとえ宝石を持っていなくとも、カーバンクル自体が富と名声を引き寄せることだってあり得る話なのだ。

 例えば、今まで世話になった人への恩返しといった形で、現れることだってある。

 嬉しい悲鳴を聞き流し、大通りを再び歩む。するとシノノメが俺の頭からカーバンクルを取り上げ、抱きしめた。

 元から人懐っこい性格なのか、特に暴れることなく、カーバンクルはその胸にすっぽりと埋もれる。

 …………(うらや)ましいです。


「もふもふですね……」

「シノノメって、わりと可愛い物好きだったりする?」

「人並みには、好きですよ」


 うぅむ、すげぇいい笑顔で言うね。写真撮ってもいい?

 俺は無言でデバイスを構えようとしたが、通行人の邪魔になりそうだったので撮影は断念した。





 その後もシノノメの案内で商店街や他の施設を見て回り、気づけばお昼時。

 なので、ちょうど案内されていた公園で休憩することになった。

 この公園は近くに大きな樹がそびえ立つ高台があり、デートスポットとして有名らしい。

 その証拠に周りを見てみると、男女の組み合わせが非常に多い。おそらく休日デートを楽しんでいるのだろう。

 お互いが嬉しそうに腕を組んで歩いている光景を微笑ましく眺めた後、近くにあったベンチに座る。

 歩き疲れた足を伸ばしていると、充分に感触を楽しんだのか、シノノメが満足そうな顔でカーバンクルを手渡してきた。

 渡されたカーバンクルは眠たそうに鳴くと、手の中で身体を小さく丸め、尻尾を枕にして横になる。


「昼寝かな?」

「抱いてた時も眠そうにしてましたからね。……そういえば、この子の名前はもう決まってるんですか?」

「ふっふっふ……。こいつが生まれてからすでに考えてあるんだなあ、これが」

「どんな名前ですか?」


 興味津々なシノノメに言われ、起こさないようにカーバンクルを掲げ、


「こいつの名前は──ソラだ」

「ソラ、ですか?」

「うん。毛皮の色と、空を飛ぶことができる自由な感じからね。……いいと思わない?」


 そう聞くと、シノノメは噛み締めるように何度も名前を呟き、心から納得したように頷いた。


『クアァ……』


 同時に眠っていたソラが小さな欠伸を上げて起きる。

 顔を寄せ合って話し合う俺達を見上げ、不思議そうに首を傾げて、ふわりと空に浮かび、顔に頬を擦り寄せてきた。

 触れている頬の反対側を撫でてやると、気持ちよさそうに身をよじるソラに言い聞かせるように。


「よし、いいか? 今日から、お前の名前はソラだからな? ……って、言葉分かるのかな?」

『キュイ!』

「ふふっ。どうやら理解してるみたいですよ?」

「だね」


 尻尾を元気よく振り回しながら返事をする姿に、俺たちは思わず笑みを浮かべる。

 うむ、あざとくて可愛い。だがそこがいい。

 小さな手でペシペシと叩いてくるソラに和み、穏やかな時間を過ごしていると……。


「あっ、そうだ。アカツキさん、お(なか)空いてませんか?」

「ん? そりゃあこんな時間だし、満足に飯も食べてないから腹は減って……って、ああっ!」


 あのおっちゃんに全財産渡したから、金が無い!

 あれで今日はちゃんとしたご飯を食べようと思ったのに!


「どうしよう、シノノメ。今、気づいちゃったんだけど、このままだと俺、また水と砂糖と塩だけの生活になるかもしれない」

「それ、今までと変わってませんよね」


 やめて! 必死に目を逸らしてた事実を押し付けないで!

 あまりにも冷静なツッコミに心が折れそうだよ!


「ってか、なんで急にそんなこと言い出したの?」

「それは、えっと……。実は今日、思いのほか早く起きてしまったので、その……、お弁当を作ってきたんです」


 ピシッ、と。身体に電流が流れたような錯覚に襲われた。

 今、彼女はなんと言った……? お弁当、お弁当だと?

 しかも美少女が朝早くに起きてわざわざ作った、手作りのお弁当。

 まさか、この後の展開は……!?

 戦慄する俺を気にすることなく、シノノメはもじもじしながら、下げていた鞄から布に包まれた箱を取り出した。


「これ……もしよかったら、食べてくれませんか?」

「喜んでいただきますっ!」


 即答だった。

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