Passing Fancy + irregular witch &Priestess
アリマリで勘違いからのすれ違い。みたいな。
アリスside
「なぁ、パチュリーって好きな奴いるのか?」
「………。」
ある日私は魔理沙とお茶をしていたのだけど、彼女は唐突にそんな事を言ってのけたのだ。
私はパチュリーに関してはあまり関わらない様にしている。理由はこの前あの図書館に行った時になんだか貞操の危機の様な悪寒を感じたからなんだけど、その事は今はいい。とにかく知らないので答えようがなく言葉に窮した。まぁ、 それだけでは無いのだけど。
だって好きな人にそんな事言われたら言葉に詰まっても仕方ないでしょう?
「…まったく。人の気も知らないで…。」
思わずそう、言葉が漏れていた。彼女の言葉は私に興味…恋愛感情を抱いていない事を残酷に示していたから。
「ん?アリスなんか言ったか?」
「いや、気のせいじゃない?」
「ったく。もう少し反応見せてくれてもいいだろうに。まったく、人の気も知らないで。」
「今魔理沙なんか言った?」
「いいや、気のせいだろ?」
「?」
なんだかよくわからないけど魔理沙の言動が少しおかしい気もした。まぁ、実際先程の言葉の所為で私は深く深く、それはもう紅魔館の横の湖より深く落ち込んでいて、それどころではなかったのだけど。
…。
……。
………。
魔理沙side
「ったく。もう少し反応見せてくれてもいいだろうに。まったく、人の気も知らないで。」
私は思わずそう漏らしてしまった。まずい、聞かれたかもしれない。そう思ったが、アリスは聞いていなかったみたいだ。助かった。
私は昨日アリスにお茶に誘われた。だから今日は気合いをいれてあいつの家に向かった。で、お茶会みたいな事をしていた。ふたりきりで。
そして、昨日のうちに早苗に相談しておいた「きになるアノ人の本心を探ろう作戦」を実行に移すために、
「なぁ、パチュリーって好きな奴いるのか?」
なんて関係ないあいつを引っ張り出してカマを掛けてみた。
しかし結果はほぼ無反応。いつも通り…いや、もしかしたらいつもより冷ややかに切り返されて、動揺もなにもあったもんじゃない。
もしかしたらアリスは私に興味がないのだろうか。
しかも少し…かなり不機嫌な様だ。これはもしかしたらアリスはパチュリーが好きだったのかも知れない。あの紫もやしのどこがいいんだか。
「作戦その壱、嫉妬心をくすぐる様なカマをかけて動揺を誘ってみよう作戦」に失敗した私は他の作戦に移るだけの気力も失ってしまい。それはもう、チルノがいる湖よりも深く落ち込んでいた。
…。
……。
………。
早苗side
「よし、順調順調」
私は作戦の成功を確信していた。
だってカマを掛けた時からアリスさんの機嫌がみるみる下がって、分かりやす過ぎるくらいに嫉妬してくれたから、あとは茶化し気味に弄って流れで自爆させればいいだけなんだから。
私は達成感に浸ると同時にこの方法に自信を持てた様な気がした。実際私もこの方法で霊夢を墜とした訳だし。成功例が2つもあれば、かなり自信がもてる。そう思っていた。
でも2人の様子を見て、2人とも相手がパチュリーに気があると思い込んだ様に思えた。
「まだまだ改良の余地がありそうね」
そう呟くと、このことに対する対策を考えながらその場を去った。
「パチュリーを墜とせばいいかしら」
その後早苗が更に事態をややこしくしてしまうのだが、それはまた別のお話。
Fin
はい。早苗さんが無駄に頑張ってます。
とくに裏で。
ちなみにまた別のお話とか言いつつ、続きを書く気は全くありませんのであしからず。
まぁ、もしかしたらそのうち書くかもしれませんが。