第1戦 新学期
「戦乙女の皆さん、この百花楼學園で共に新学期を迎えられたこと、嬉しく思います。」
銀の腰まである美しい長髪に、ルベライトのような透き通る瞳の少女がそう生徒たちに声をかけた。名を如月華。この百花楼學園の生徒司令、生徒会長である。百花楼學園とは、世界に突然現れた虛喰という化物を殲滅するべく、10歳からの適性のある蕾…戦乙女と呼ばれる少女たちを教育、訓練し虛喰と戦う特異組織だ。この組織に所属する花の多くは戦場を選び、そして散る。花と称される彼女たちの命は儚いもので、15歳になる前に散る者も少なくない。また彼女たちは華力と呼ばれるものを持ち、これによって分類される組が違う。50〜73が曇の組。74〜90が雨の組。91からが晴の組だ。もちろん、例外もある。この力は身体能力強化などや傷の再生に使える。
「さて、皆さん。これで会長挨拶を終わろうと思いますが、ここで転校生をご紹介しましょうか。」
「転校生?」「この時期に?」「司令は一体何を考えていらっしゃるのかしら…」
「皆さん、会長…いえ、司令がお話されていますよ。」
萌黄色の髪を短くボブのような髪型で、ガラスのような瞳をした先生と思われる者は静かに口を開き、生徒たちは口を閉じた。
「ええ、ええ。皆さん、ここは百花楼學園中央区域。他の學園区域よりレベルが高い。ですので、驚くのも無理はないかと。ですが、彼女は本当に優秀な戦乙女です。では、自己紹介をお願いします。純恋さん。」
「はい!」
すみれ色の綺麗な髪を2つ結びにし、黒曜石のような目をした少女が元気に返事して、こう言った。
「わたしは世界を救って學園のみんなでピックニックにいきたいです!」
「無理だろ」「バカなのか?」「虛喰を殲滅するって言ってるもんだぞ」「叶うかどうかの問題よねぇ」
コホン、と如月司令は一呼吸置いて、こう告げた。
「彼女の華力は102。晴の組所属となりますから、晴の皆さんはお願いしますね。」
では、これで全校集会を終わりとします。
そうして、百花楼學園の新学期は始まった。




