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【ネトコン13受賞作品!完結】今度の人生はやり返してもいいよね?~運命を変える為に私が出来る事【書籍化決定!】  作者: らんか


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47 一連の結末④


 部屋に戻った私は、一人で先程の事を思い返していた。

 今日は色々ありすぎた。

 今日の会合で、あの二人を断罪するのに気力を使い果たしていたところに、先程の謁見の間での出来事。

 まさか、ヴァルがあのザイトヘル伯爵の息子だったなんて……

 そういえば、私はヴァルの事、ほとんど知らない。

 何故かいつも私の傍に居てくれて、守ってくれている事に、私はあぐらをかいていただけだ。

 こんな私の事、ヴァルはどう思っていたんだろう?

 いつでもヴァルは私の傍に居てくれたけれど。

 それももうすぐ居なくなる……

 

 そんなことを考え、落ち込んでいると、私付きの三人の侍女がお茶を持って声をかけてきた。


「シンディ様、本日は大変でしたね、お疲れ様でございました」


「わたくし、今でも信じられません! まさか、あの掃除担当のメイドがお茶をすり替えていただなんて!」


「申し訳ございません。知らなかったとはいえ、そんなものを私は毎日シンディ様にお出ししていたのですね……」


 ジュリア、イザベル、マリの順にそう言ってきた。特にバーグ先生に止められるまでは、あのハーブティを毎朝淹れてくれていたマリの落ち込みようは半端ない。


「マリ、落ち込まないで。貴女のせいではないわ。悪いのはあのお茶を準備したサイモン様よ。あのメイドはサイモン様の指示ですり替えていたみたいだけれど、何処まで知ってやっていたのかは、これからの取り調べで分かることでしょうし」


 結局、調べたところ、茶葉をすり替えていたのは、掃除担当のメイドであった。元は王太子の部屋担当であったそのメイドは、私が嫁いできたタイミングで私の部屋担当に変更していたのだ。

 メイド長に確認すると、よく働くからとサイモン様から推薦された為、私の部屋付きに異動させたとか。

 何も疑わずにいたら分からなかった事が、ほんの少し調べるだけで全てが繋がってくる。

 いくらサイモン様の指示といえ、王太子妃である私に、堕胎剤と知って飲ませるのに協力をしたのであれば、あのメイドも極刑は免れないだろう。

 ヴァルの調べでは、侍女三人はなんの関与もしていないとの事だったので、安心したものだった。

 少なからず今回の人生において、この三人はとても私に良くしてくれていたから……


「わたくしはもうすぐ王太子妃の任を解かれます。貴方達には、色々と苦労をかけましたね。本当に感謝しています。

 あなた方の今後の身の振り方については、悪いようにならないよう、王妃様に頼んでおきますね」


「「「シンディ様……」」」

 

 この三人なら、これから来るであろう新王太子妃のお付きにも推薦できるくらい、優秀だ。悪いようにはされないはず。


 そうして三人の侍女たちと、束の間の時間を惜しんでいると、扉がノックされた。


「ヴァルです。戻りました」


 そう言ってヴァルが部屋に入ってくる。


「もう、話し合いはいいの?」


 私は、話し合いの内容がとても気になったが、態度には出さず、平然と聞いてみた。


「はい。シンディ様、この後、少々お時間を頂けますか? ご説明致します」


「ごめんなさい、ヴァル。色んな事がありすぎて疲れてしまったの。

 また今度にしてくれる?」


 ヴァルに、この先の別れを告げられることが怖くなり、私はつい、そう返答してしまった。

 先延ばしにしても、答えは一緒なのに……


「そうでございますね。配慮が足らず申し訳ございませんでした。では、私は部屋の外で待機しておりますので、どうぞお休みになってください」


 ヴァルは、そんな私を優しく受け止めて、そう言ってくれた。


 ごめんなさい、ヴァル。

 もう少しだけ、私だけの護衛騎士のままで居て。

 心の準備が出来たら、ちゃんと貴方の話を受け止めるから……


 私はこの日、このまま何も聞かずに眠りについた。


 ****


 ヴァルはあれから、何度も私に説明する事を伝えたが、臆病な私はまだ心の準備が出来ずに、ヴァルの話を先延ばしにしていた。

 そんなある日、とうとうあの二人の処罰が決定したとの報告を受けた。


 改めて私は陛下に呼ばれ、謁見の間へと向かう。もちろんそこにはヴァルも呼ばれていた為、一緒に向かった。


「シンディ様。本日までにご説明出来れば良かったのですが……」

「ごめんなさい、ヴァル。陛下よりあの二人の処遇を聞き、私の事もその時にどう対処されるか言われるでしょう。

 ヴァルの話は、その後で聞かせてもらってもいいかしら?」


 今日まで先延ばしにしてきた私は、いよいよ腹を括る時が来たようだ。

 全ての事に決着が着いたら、ヴァルの事も笑顔で送り出そう。


 そう思い、ヴァルの言葉を遮って、そう伝えた。


「……分かりました」


 先に伝えたそうにしていたが、私にそう言われて、仕方なく受け止めてくれたようだ。

 やや冴えない表情のヴァルを気にしながらも、そのまま私達は謁見の間に入った。


 

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