何者
過去はゴミ
自分は何者でもない
記憶を失った存在でいい
誰も知らない私で生きる
究極まで来るとこうなるのか
全部手放したら
今、ここにある思いしか残らない
自分を自分たらしめるものなど何も無い
この世界の分類、ラベリング、形つくるもの
アイデンティティの喪失、なんてね
そんな大した話でもない
価値観身ぐるみ剥がしたら
素粒子?
振動する思いだけ
考える葦以下の浮遊物
宇宙の低次元の物質に名前をつけて
見た目で分類して
良いだの悪いだの批評して
偶発的な出来事を記録して数えて
歴史やら珍しい事例やら
すごいとかすごくないとか
で、みんな時のはざまに消えていく
ただの記憶の中の幻
思い出さなければ消滅
愛しても生きても、今だけ
感傷も感動もすぐに消えゆく
存在することを忘れたら?
私は消えるの?
誰も私のことを思い出さなかったら?
私は何者なの?
私は何を望んで存在しているの?
望みがなくなったら、存在しないの?
完全に無になったら、消えるの?
一切皆空
空しくて、空を見る
空だけは美しい空
いつか宇宙の空に還らせて
もう、充分に美しい空を見たから
もういいから
最初から何も望んでないから
何もいらないから
何もかも忘れさせて