第拾仁話 刻の止まった世界
かくして三人の魔族が揃い二つの魔族の暴走を止めるため、
刻が動き始めた
それと同時に一体呪莉になにがあったのだろうか
それとあの白い狐のような姿をした妖狐は一体、、、、
前回紫餡は館の東北へいた元親友と会い、自分が魔界からいなくなってからの魔界を仕切る者が『ルシファー】になったことを聞いた
そして、元バディであった『サリエル}から預かった紫餡がゾイトスと呼んでいる鎌により館の中へと入れた
そして館内の仕掛けも難なくとクリアし、応接間会議室の戸を開けた、、、、、
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『おっと、、、、これは大丈夫なのかー?』
目の前には瘴気を放つ2人の人の形をした者とその瘴気を
必死に食い止めようとする6つの黒翼を身につけた物がいた
『な、なぜお前がここにっっ、、、!?】
『助け必要〜?』
『助けなど要らん!それよりも早くここから逃げっっっ、、、、!】
その瞬間、パキッとなり瘴気を食い止めていたバリアに少しヒビが入った
『おっとまずい!』"時間:停止"
『ふう、これで一旦安心か、、、ルシファー?』
『、、、、、、、】
『ヤッベ、、、焦ったせいでルシファー諸共停止させちゃった、、、
でもな〜これ解除しちゃうともう一回停止させる前に
バリアが先に壊れそうで怖いんだよな〜
なんとかしてルシファーだけ解除できないかな、、、、、
う〜ん、、、、、、
あっ!そうだ過足して引けばいいんだ』
過足とは過度に物事を足すことである
『"加速:二速"
"減速:二分の一速"
これでどうだ、、、、』
『うっっ、、、、これは、、一体何が起きてるんだ、、、、、】
『よしっ!成功!』
『てゆうかお前!今までどこに行ってた!?お前がいなくなってから
こいつらが暴走したからずっと食い止めてきてたんだぞ!
しかもっっ、、、、!】
と、ルシファーが言葉を続けようとしたとき、紫餡がルシファーをつかみ抱き寄せた
『なっ、、、】
『苦労をかけた、、、、、
よくここまで耐え抜いてくれた、よくここ(魔界)を守ってくれた、、、、
あとは任せてくれ、、、、お前だけに背負わせてしまってすまなかった、、、、、
ここを守ってくれてありがとう、、、、、!!!』
そう言って静かに涙を流した
『っっっ、、、、‼︎】
するとルシファーは大涙を流して泣いた
『うわぁぁぁぁん、、、、‼︎辛かったよ〜!寂しかったよ〜!
コルソンが急にここからいなくなったかと思えばこの2人が暴走するし
アマイモンとは連絡が途絶えるし
もう何を信じたらいいのかわからなくなっちゃって、、、、】
『そうか、、そうか、、辛い思いをさせてすまなかった
でももう大丈夫だ、私がきたからにはすぐに事を終わらせるとするよ
、、、、そろそろ離れるか?』
『ううん、、、もうちょっとこのままでいさせて、、、、、】
『わかった、、、、、』
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十数分後、、、、、、
2人は応接間会議室の椅子に座り、時の止まった世界で2人悩んでいた
『さて、ここからどうする?】
『まあ、2人の瘴気はこれでなんとかなるけど、身の保証は必ずと言えないからな、、、』
『それって何?鎌のようだけど触れただけで体が蝕みそうなオーラを放ってる、、、】
『ああ、そういやルシャーにはまだ見せてなかったね
これは通称:生と死の鎌ゾイトス
私の元バディから預かったものだ』
『これが噂に聞くゾイトスか、、、
まさに死神の鎌って感じだな】
『それでだ、瘴気はこれで祓えるがあれくらいの瘴気を祓う力だ
本体になんの影響もないわけがない
同時に崩壊してしまう可能性がある』
『コルソンの新しい能力で崩壊を止めることはできないの?】
『残念ながら私の能力:時間は止めるのと始めるのは
強制的に広範囲にかかってしまうんだ
つまり一部にのみかけることはできないんだよ』
『う〜ん、、、そうなのか、、、】
そんなこんなで頭を悩ましていると応接間会議室の戸が空いた
《わお、、、時を止めたのが誰かと思って発生源に来たらよもやよもやコルソンであったか〕
『ボディス!めっちゃちょうどいいとこに来た!助けてくれ!』
《What happen!?〕
説明後、、、、、、、
《ああ〜、つまりお主がそのゾイトスとやらで2人の瘴気を断ち切った後に
わらわの"能力:時間"であの夫婦の体の崩壊を防ぐと言うわけか
しかしさっきまでの話を聞く限りお主にも新しく手に入れた能力で
"能力:時間"と言うのがあるようではないか
その能力では無理なのか?〕
『ああ〜、、、そういや言い忘れてたね
僕の"能力:時間"はボティスの"能力:時間"
と違って範囲的効果の能力なんだよ
僕の場合最大限、効果範囲を狭くしても20メートル以内の万物を含む
対象の時を止めちゃうからボティスの能力じゃないといけないんだ〜』
《そうか、万物を含む全ての範囲内の対象に影響を与える系の能力なら仕方ないな
だが、妾も魔力には限界がある
あやつらの体を一生止めておくのは難しいぞ〕
『流石にそうだよな、、、、
だったら私が魔力を時々供給すればいいんじゃない?】
『それはダメだ
いくらルシファーでもボティスの魔力の流れに合わせて
供給し続けるのは難しすぎる』
《コルソンの言うとうりだ
妾の魔力の流れは他と少し違って一般の魔族や魔王は一定の魔力のうねりと波動を持つ
しかし、妾は堕天使であり、二つの名をもつ珍しい類じゃ
それによる影響か、魔族と違い、うねりと波動の他に天使の持つ人間の
鼓動に似たとんがったのと緩やかなのが混じった一直線の流れを持つのじゃよ
もしこの流れを魔族が無理やりやろうとなんかしたら、、、、、
考える限りのタヒの苦しみの全てが襲うじゃろうな〕
『ヒエッッッ、、、】
《じゃけど、ならどうすれば良いってことになるがな〕
『う〜ん』
『うーーー】
《う〜む〕
そうして三人は頭を抱えてしまった
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
その時、3人が囲んでた机にホログラムが映った
『これは、、、、
呪莉!』
そこにはボロボロになり満身創痍になっていた呪莉と
その呪莉を運んでいる白銀の髪をした妖狐 (?)のような者がいた
〈聞こ、、て、、、か、、、
ま、、、え、、て、、、も、、い、、が、、、
じゅ、、、、から、、だ、、、、】
するとホログラムが消えホログラムが投影されてたとこから指輪のようなものが出てきた
《これは、、、、指輪のようなものだけど妾の魔力に似たものが視える、、、、〕
『これってまさか変幻自在石!?】
『なんかメタモルフォーゼみたいな名前だね』
『まあ、語源が同じだからね
それよりこの指輪は神器のはずだけどなんで、、、】
《あ〜、、、思い出した
これってここ数百年なくなってた神器じゃな
確かどこかの神が見つけて元の所有者が"自分には扱いきれなかった"
とだけ言葉を残してその見つけた者にあげたんじゃっけな〕
『"自分には扱いきれなかった"ってどう言う事なんだろう』
『これは自分の憶測に過ぎないけれどこの指輪は全ての族性の波動や波を持った
魔法石"変幻自在石"が組み込まれた指輪だから
それをつけたものは少なくとも二つの種族の波動を喰らうこととなる
つまり、これをつけれるのは僕のような堕天使やコルソンのような
種族複数持ちの転生者だけってことなのかもね
だから元の所有者の神は神としての威厳も守るために
その指輪を捨ててそれを拾ったものに渡そうとしたんだろうね】
『じゃあ、これを拾ったのはさっきホログラムにいた呪莉を運んでいた
妖狐の人ってこと?』
《そのはずはない
これは風の噂なんじゃがそれを拾ったのは赤色の耳や尻尾、髪を持った
アヌビスの元で拾われたと言われとる異端の神じゃったはず〕
『赤色の耳、尻尾、髪、、、、、、
あ!それ私の友達だ!』
《なんと!?〕
『そうなのか!?
すごい偶然だね〜
その子の名前はなんて言うんだい?】
『アヌビスって言って、自分はアヌちゃんとは前世からの親友でね、、、、、、』
数分後、、、、、、
『へ〜、良かったよ
君がまさかいつの間にか死んで他の世界で新しく友を作っていただなんてね】
《しかし、拾ったのが異端の神だったから良かったものを
それをただの人間が拾っておればどう責任を取るつもりじゃったんじゃろな〕
『多分それはないと思うよ』
《どうしてそう言い切れる〕
『だって神器は人間や魔族、悪魔といった負の感情を
一定割合持ち合わせる存在には見えないからね』
『僕たちは見えるよ?】
『ルシちゃんは元天使だからってのもあるけどボティちゃんとか
他の魔王の総裁たちとかは世界線を跨いだ信仰や伝承で存在が確定してるからだね
一般魔族の子達はあまり知られることがないからね』
《そうゆうことじゃったのか〕
『何か心当たりがああるのかい?】
《ああ、以前親友の神からもらった神気が少しばかり籠った
首輪をもらったんじゃがな
それを妾の部下に見せたら"なにも見えない"と言われてのう〕
『それも神気のせいだろうね』
『と言うかまって!
君、神に友がいたのかい!?】
《ああ、もちろんじゃ
あやつとは長い付き合いでの
もう少しで出会って5000年になるわい〕
『ははは、まさか君にそんな長い付き合いの友がいるとはね』
といった感じで三人は話に花が咲きまくりいつの間にか一刻を過ぎようとしていた
『ねえ、、、、
なんか忘れてない?】
『え?、、、、あっっ
早く時間解除しないと!』
『ちがーーーーう!!】
『冗談だよ
さて、そろそろやりますか』
《そうじゃな
やるか!〕
『はあ、ほんと毎回行動が遅い、、、】
『そんなこと言ってぇ〜
ルシちゃんだって楽しそうに話してたじゃ〜ん』
『う、うるさい!
早く終わらせるぞ!】
『はいは〜い
それじゃあ行くぞ!』