創作詩3:信仰が挫折した祈り
本投稿では、創作詩 ”信仰が挫折した祈り” を発表します。これまで、発達障害にともなう強度行動障害(暴言暴力・自傷・他害・家出・ひきこもり・不登校など)の我が子の回復を願って、私はありとあらゆることをしてきたつもりですが、全くの無力でした。ついには、自然への感謝や信仰にまで救いを求めましたが、なんの変化もありませんでした。
かくして、苦節七年、家族・学校・病院・役所でやれることは全てやった。
やむなく、海に向かって祈りを繰り返した。
・憑かれたように、海岸通りをふらついた。
・潮の香、汐風、波音、透いた水色、摂った青魚に感謝した。
・毎日、浜辺のゴミ拾いもやった。
なんにも、御利益はなかった。
やむなく、ご先祖の供養を繰り返した。
・お墓にお花とお酒とお線香を供え、手を合わせた。
・故人の命日が来る度、お坊さんを呼んだ。
・毎週末、お仏壇の前でもお経を朗読した。
なんにも、御利益はなかった。
やむなく、お寺参りを繰り返した。
・歎異抄を、隈なく読み込んだ。
・幾度となく、お布施をした。
・毎月、境内のお掃除も手伝った。
なんにも、御利益はなかった。
やむなく、神社参りを繰り返した。
・狛犬にも、頭を下げた。
・奮発して、お札を投げ入れた。
・年行事の、お祭りを盛大に惹きたてた。
なんにも、御利益はなかった。
やむなく、教会のミサ通いを繰り返した。
・聖書の勉強会に、精を出した。
・バザーの前日、大量の古着を寄付した。
・一世一代、慈善活動にも参加した。
なんにも、御利益はなかった。
あてなく、それでも、子の回復と平穏を祈るほかはなかった。
終わり