表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

創作詩3:信仰が挫折した祈り

作者: 香月 融

本投稿では、創作詩 ”信仰が挫折した祈り” を発表します。これまで、発達障害にともなう強度行動障害(暴言暴力・自傷・他害・家出・ひきこもり・不登校など)の我が子の回復を願って、私はありとあらゆることをしてきたつもりですが、全くの無力でした。ついには、自然への感謝や信仰にまで救いを求めましたが、なんの変化もありませんでした。

かくして、苦節七年、家族・学校・病院・役所でやれることは全てやった。


やむなく、海に向かって祈りを繰り返した。

・憑かれたように、海岸通りをふらついた。

・潮の香、汐風、波音、透いた水色、摂った青魚に感謝した。

・毎日、浜辺のゴミ拾いもやった。

なんにも、御利益はなかった。


やむなく、ご先祖の供養を繰り返した。

・お墓にお花とお酒とお線香を供え、手を合わせた。

・故人の命日が来る度、お坊さんを呼んだ。

・毎週末、お仏壇の前でもお経を朗読した。

なんにも、御利益はなかった。


やむなく、お寺参りを繰り返した。

・歎異抄を、隈なく読み込んだ。

・幾度となく、お布施をした。

・毎月、境内のお掃除も手伝った。

なんにも、御利益はなかった。


やむなく、神社参りを繰り返した。

・狛犬にも、頭を下げた。

・奮発して、お札を投げ入れた。

・年行事の、お祭りを盛大に惹きたてた。

なんにも、御利益はなかった。


やむなく、教会のミサ通いを繰り返した。

・聖書の勉強会に、精を出した。

・バザーの前日、大量の古着を寄付した。

・一世一代、慈善活動にも参加した。

なんにも、御利益はなかった。


あてなく、それでも、子の回復と平穏を祈るほかはなかった。



終わり

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ