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第1話 追放

この世界の様々な場所に存在するダンジョンには、多くのモンスターやトラップが待ち受けている。ダンジョンに挑戦する冒険者たちは、モンスターを倒し、トラップを解きながら冒険を続けていき能力を高めていく。そして、ダンジョンの最深部には、大きな宝物や魔法が隠されていると言われている。だが、その途中で失敗すれば、死を免れない危険がある。


誰しもがよくわかっているこの世の分かりすぎている常識。

とカッコつけてつぶやいてみたものの、今の俺には全く似合わないセリフだった。 

って言うかめっちゃ寒い…


俺はこの広い大草原の中で岩陰に縮こまるように身を隠していた。辺りを見渡す…ヤッターラッキー!あの大木の葉は俺の下半身タイガースを隠すのにちょうどよさそうじゃん!


そう思い、サササっと大木に近づき葉を切り取り腰に装着!フーとりあえずこのMAPPA状態からは開放されたぜ~


ウッ!次の瞬間下半身タイガースの俺の四番打者に激痛が走る!

イデデ痛えええがおぐわあ、シヌゥ!誰があ!


葉っぱを取り払い下腹部をみると、葉っぱにいた無数の巨大アリが大事な部分に噛みつきまくっていた。


「嗚呼ああアアアー!!誰かあ本当にタスケテエ!」


俺の悲鳴に近い雄叫びがくもり空の草原に響き渡った。



三日前


ある日、ダンジョンの中で、俺、冒険者ハンスは力尽き倒れていた。俺はスライムと戦っていたが、剣術が驚くほど下手くそで、レベル1のスライムを倒すのに3日もかかってしまった。それに加え、自覚があるくらい臆病な性格だったため、仲間からは呆れられていた。スライムとの激闘のため、着ていた皮の鎧は穴だらけ、鉄の剣はスライムの粘液で溶かされ刃先が半分になって赤黒く錆びついていた。



「くそっ…何でこんなに弱いんだろう…」


ボロボロになった体を引きずりなら所属するパーティに戻ると、いかつい赤毛の大男が近づいてくる、パーティ一の怪力の持ち主ミゲルだ、いつもこいつは顔中青筋を立てて怒ってばかりいる


「全くなんてえだらしねえ格好だ!へっぽこスライム倒すのに、まだこんな日数がかかってたのか! この役立たずのでくのぼうがあ!お前なんかいつでも首をぶっちぎってやるわ!」


「次こそは必ず30分以内でスライムを倒すから、許してくれよ!」


そう言うと、隣の椅子に座るひときわ背の高い銀髪、色白のヨゼフが凍えるような鋭い声で刺すように言い放ってきた。

「お前という奴は進歩の無い奴だ、もうどうアドバイスしても改善の無い奴は残念だがパーティーからは去ってもらうしかないな」




「こいつ、もう限界だよ。俺たちが戦うたびに、邪魔になるだけだ〜正直ウザイ」ミカエルが、ハンスを見下ろしながらそう言った。


「ええ!そんなあ待ってくれよ、もう一度だけチャンスをくれよお!俺がここを追い出されたら、レベル0の俺は冒険ができなくなってしまう、そしたら村にもどって農夫の手伝いくらいしか仕事がないんだよ!」


俺は精一杯の作り笑顔を浮かべ少し目を細めてしまった。そう、自分がパーティーの中で一番弱かったことは分かっていた。剣術も下手くそで、レベル1のスライムすら倒せなかった。それでも、自分には数字に強い才能があった。だが、それだけではパーティーのメンバーたちには認められず、最終的には追放されることになった。


「どうして、こんなことになったんだろう・・・」心の中で呟いた。



俺はパーティーから追放された後、酷い経験の連続だった。人生はひどく暗いものになった。自分の冒険者としての能力に自信がなく、また、他の殆どの冒険者からパーティーを追い出された理由は知れ渡っていたので、どこに行っても見下されていた。またレベル0のひ弱さから、ある日盗賊見習いに襲われフルボッコにされ、持っていた所持品を全て盗られてしまった。


ハンスはアザだらけになった身体を引きずりながら、

「クソッ、追放されたくらいで終わりじゃない!俺はまだやれる!絶対に復讐してやる!」と、俺は自分自身に誓った。


俺は村のカジノに大博打を打つため足を進めた。


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