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第7章「転生者の世界」

※「発言など」※【心の声】※[Geegleの音声]※〈無線〉※

 【残機はなくなった。これからは全てを警戒し、失敗は許されない。】

【階段、登り途中から音を検知。背後に注意!】

「ひっ、もう二度と死にたくない!殺さないで!」

【音源は井上諒子、『敵』だ。うん?「もう二度と」?転生者か?確かめてみるか、日本って聞くと和明時代のニホンが解答として返ってくる可能性があるから、英語のジャパンで確かめれば、転生者か区別できるはず。】

「ジャパンを知っているか?」

「日本?あなたも転生者なの?」

【やはり転生者か、同じ転生者のよしみで、とも思ったりしたが、三度目の失敗をするわけにはいかない。】

【そうだ、最悪な異世界転生という可能性のうち、さらに女に転生するという悪夢の連鎖が起きた場合自殺するかその他の選択肢がどのようなものになるのかというリスク想定した時に出た案として、女の社会に紛れながらも男尊女卑を広めて内部から崩壊させるという案があったな。帝国建国のために裏方みたいなのも必要だったし、Geegleの能力として試しておきたいものもあったからな。他人への自身の再現。これで実質クローンができるわけだ。本物とコピーが同時に存在すると殺し合う奴もいるが、恐るべきは自分に似た人であって、自分自身は唯一無二の味方である。俺はリスクを負わない性格だから、自分自身との戦闘という環境と運にしか左右されない戦闘は避けるべきと判断する。両方がそう判断すれば戦闘は起こらない。しかし、自分の似た存在がリスクを負わない性格でなければ、どう判断するかは分からない。ゆえに、コピ―とは自然と共存することになる。ということで、こいつの脳に俺の脳を再現しようと思うので、まずは自分の今の脳を解析してからだな。いきなり映像が変わることにならないように目を閉じて、】

【OKGeegle】

[はい、お呼びでしょうか]

【脳を解析】

[解析•解析完了]

【次に目を開けたときが、どちらになっているかが分かる時だな。本体の方なのを確認っと、こいつに警戒されないように再現したいので、話ながらで行くか。】

「久しぶりに日本人と会った〜。異世界とか、未知に包まれた場所で怖かったんだよー。しかも、この世界の親たちには殺されそうになったりして、何が起こるか分からない。これだから異世界転生は嫌だったんだよ。」

【理由は違うが、異世界転生が嫌だったのは事実。】

「そうだったんだね。私も転生して、悪者に追われて、殺されそうになって、で大変だったよ。」

「同じ異世界転生被害者ってことで、」

【ここで握手する空気を作り出し、触れた瞬間にこいつに再現しよう。】

「そうだね、」

【再現】

[再現•再現完了•アクト終了]

【後は、意識が完全に変わってるかのチェック。3、2、1、】

「「あいうえお」」

【よし、同時だったな。であれば大丈夫だろう。】

【!、廊下奥から足音検知、忍び寄り中と推定。おそらく残った執事だろう。ヘッドショット用意。井上 諒子の姿の方は倒れておくか、】

【まもなく、敵視認。視認。てっー!】

「これでこの家は制圧完了だろう。」

「てか、小学生ぐらいの小ささは不便なんだが、なんか知ってるキャラいたっけ?」

「まぁいないよな」

「知ってた。どうしようか。」

「作り出すしかないかなぁ。」

「そうだよなぁ」

「「う〜ん」」

【このままだと、自分でキャラクターデザインをしなければならなくなるわけだが、できる自信は存在しない。】

「「こういう時は、Geegleだな。」」

【中性あたりがちょうど良いが、イメージできないのでGeegle待機。】

「おー、さすがGeegle。良い感じじゃん。」

【錬金魔法で鏡作ってっと】

「予想以上やん。」

「声も悪くはない感じやな。」

「我はストロング帝国なり(高笑い)」

「厨二セリフも良好。」

「「さてと、M16の解析•複製•試射するか。」」

【さすが、同一人物。考えることが同じやな。】

【さて、解析したから後は錬金魔法で作って、撃つわけだが、】

「「もちろん、庭でだな。」」

【さて、もう父も母もいないし、わざわざ防音室を作る必要はないから、今回は的だけ用意すれば十分だな。】

「「到着っと、それぞれでテストするとするか」」

【的を作って、M16を作って、射撃準備完了っと、】

「合図は本体がやるとするか」

「把握」

「構え!狙いを定めて、てっー!」

【マガジンのところだけ作って、リロードっと、一時期サバゲーをやってたおかげで、リロード方法は習得済みだぜ。】

「「反動等々でのズレはあるが、アサルトライフルとして問題はないでしょう」」

【アサルトライフルが用意できたとなれば、ついにあれに向けて動き出せるぞ。】

「「さぁ、我らがストロング帝国の登場だ!」」

「第二の大日本帝国として!」

「ザ•グレイト•エンパイア•オブ•ジャパン!」

「大和魂!」

「銃剣突撃!」

「回天!」

「神風!」

「死してでも、敵に損害を与えよ!」

「「大日本帝国、バンザーーーイ!」」

「ストロング帝国は最強!」

「サーバーを支配した最高のギルド!」

「我らがストローーーング帝国!」

「ジ•エンパイア•オブ•ストロング!」

【というわけだが、どうしようか。とりあえず、城より警備が手薄な平良家に乗り込むか〜。なんと言っても、護身術とかを使える執事しかいないからな。こっちの執事は銃声聞いたのにしては来るの遅かったし、怯えてたのでは?この様子じゃ城も十分警備が手薄になっていそうな気もするが、めんどくさい。平良家の方が直進すれば良いだけだからな。そうしたら、行く時の服装等は返り血のついたままで行った方が良いかな。移動中は迷彩柄のフード付きの上着で返り血を隠すとしよう。そうと決まれば、早速錬金魔法で作って、移動開始だな。】

「女の姿の方も行くか、二人ペアの方が強そうに見える気がするし、」

「そうやな。」

【いやー、前に試射した時に父がやってきた方向を見たら、この屋敷に似た屋敷が見えたんよな。あれで平良家が確認できたから楽できてよかったー。おそらくライパングの構造は、城がある位置を奥とすると、左に源元家、右に平良家って感じに配置されているんだろう。左右対象で扱いやすそうだな。】

【よし、ダッシュで行くか、俺は短距離の速度はそこそこあるが、通常は長続きしないからな。ただ、大和魂を行使すれば、走り終わった時の体への負担が大きくなる代わりに長く走り続けられるようになれるからな。何より、この世界においてはGeegleによる解析と再現があるからな。走り途中と走り終わりに、走る前を再現すれば、疾走できるわけだ。そうしたら、早速解析して、】

「セット、レディ、ゴー!」


 【さて、平良家に到着だ〜。疲れてはいないな。走る前の状態を再現したからな。あるとすれば、精神的な疲れだろうが、大和魂によって、どんな精神的ダメージも無効化する俺には、精神的疲れなんて存在しない!疲れがないのであれば、突入だー!】

【と言っても、静かに隠れながら行くんだがな。アサルトライフルも用意済み。まずは一階の左から行くか、おそらく源元家と同じ設計だからこっちに行けばリビングになっているはず・・・あれ?ここ庭じゃん。あ、そうか街自体が左右対称だから、源元家と平良家も鏡状態なのか、じゃあリビングは反対にあるってことになるわけだ。でも、ラッキーなことに庭に誰かいるぞ。執事らしき人物視認、男性視認、おそらく国王。もう一人、執事らしき人物視認。】

「左の執事を狙う。右は任せた。」

「了解」

「ん?待った方が良さそうだ。何やら怪しい、周囲の仕掛けに注意。」

「把握」

【地面に屈んで何をしているんだ?おっと、ハッチになっているのか、でも、あの金属をふんだんに使った感じは、一般人の手では困難極まるぞ?だとすれば、錬金魔法によるものである可能性が高い。錬金魔法と言えば、大野和明しか名前が出てこないな。「これは興味深い。」ってやつや。】

「よし、ハッチに入る前に制圧するぞ。3、2、1、」

【執事二人のキルを確認。】

「誰だ!」

「我はストロング帝国の松澤強。またの名を、源元 軍と言う。」

【フード取りながら言えば、悪役っぽくてかっこいいねぇ。】

「源元 軍だと?今、ここにいるということは、彼らは負けたのか。」

「唐突に殺そうとしてきたからな。幸一、勇人、空、諒子、執事、全員に反撃してやった。」

「どうやら、大野和明を倒すことにばかりに目がいって、その他の可能性を考えることを忘れていたようだ。この世に特殊な魔法を使う者が現れることは知っていた。おそらく、そのような者がこの世界と違う『別世界の記憶』を持っているのではないか、という仮説も考えついていた。君も『ストロング帝国と言う世界』の記憶を持って産まれたのだろう。」

【転生の可能性を考えつくとは、すごいな。】

「その仮説は正しいが、俺を含むそいつらは九割方、『日本という国』の記憶を持って転生したのだろう。」

「ニホン?和明の国か、」

【日本だと和明が出るのめんどくさいなぁ】

「和明が取り仕切っている国ではないが、日本人であることは間違い無いだろう。」

「では、ストロング帝国とは?」

【魔法の異世界と、科学の現実の接触だー!】

「現実と異なる世界。プログラムによって作り出される、ゲーム世界。多種多様にあるゲーム世界のうちの一つに存在する最強の帝国。それこそ、我らがストロング帝国だ。」

「プログラム?ゲーム世界?」

【良いねぇ、科学と魔法の接触ほど転生物語で好きなシーンはないからな。】

「魔法と対にある存在、『科学』の産んだ産物だ。」

「そのカガクとは、魔法と何が違うんだ。」

【待ってました。そういう質問】

「科学と魔法、それぞれ最大まで発展したのなら、その二つに違いはない。手順が違うだけで、得られる結果は同じだ。ゆえに、科学と魔法が戦うのならば、勝つのはより発展している方だ。」

「火•水•風•光の四属性以上に種類のない魔法がこれ以上進化するのか?」

【錬金魔法忘れられてて草。】

「魔法はその四属性だけなのか?四属性以外の魔法を君達は知っているはずだ。」

「!、和明の錬金魔法か!」

【俺の分類としては、魔法原子を変化させ、なんらかの分子にする魔法『錬金魔法』。この属性の中に、水と風も含まれる。そして、分子以外のものに変化させ、現象を引き起こす魔法『火魔法』『光魔法』『電気魔法』『反錬金魔法』。抽象的に言えばこの二種類の魔法がある感じだな。】

「それが良い例だろう。錬金魔法に限らず、魔法には有用性がある。」

「魔法がもっと使えるようになると言うのか!」

【生活の色々な所で、魔法のかけらが目につくようになるのかもしれないな。】

「あぁ、例えば、この回転式拳銃だ。」

「和明の使っていたジュウか?」

【名称知ってるのか、】

「ほとんど同じだ。これには魔法が使われている。」

「カガクの産物ではないのか?」

【おー、よく銃が科学の産物だと分かったな。】

「もちろん、科学の武器だ。しかし、俺は設計図を完璧に覚えている訳ではないんだ。だが、結果が分かっていれば、手順は変えることができる。その手順が魔法だ。」

「カガクと魔法、二つは両立できるのか。」

【それこそが、魔法科学ってやつだ。】

「もちろん、科学と魔法は対の存在なのだから。」

「なるほど、君に魔法の研究と、進歩を頼みたい。」

【あれ?おかしいな。俺って、反撃のためにここに来たのではなかったか?まぁ良いか、こいつを使えば、国王になるのが楽になりそうだ。使えるものは使う理論でいこう。】

「もちろん魔法の研究は続ける。そして、この国にそれを普及しよう。ただ、そのためにも一つ、協力してもらいたいことがある。」

「あぁ、この国のためだ。可能な限りを尽くそう。」

【良き良き。この調子で王の座はもらいますんで、】

「まず、質問だが、転生者については、和明以外に誰かいたのか?」

「そうだ。かなり前に、藤岡崇と名乗る奴が『どうやら、現地人には錬金魔法が使えないようだが、ニホン人には使える。これは良い調査結果だ。この調子でこの世界のシステムを、・・・』と言っているのを聞いた。他にも、横山功と言う奴も『俺だけが、錬金魔法を使えるとなれば無双だな!まさに、俺の世界だ!』と大声で叫んでいるのが聞こえた。」

【なぜ名前を特定しているかはともかく、和明以外に転生者のデータがあるなら十分だろう。】

「一応、この世界において、俺は源元 軍だ。つまり、王位継承権は十分。そして、俺が松澤強の記憶を持った転生者であり、魔法を進歩させる者として発表し、王位継承をしてもらいたい。」

「このままでは何も変わらない。良いだろう、協力する。」

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