第6章「忌むべき過去」
※「発言など」※【心の声】※[Geegleの音声]※〈無線〉※
【昨日の振り返り、「試作銃の性能チェックのため、敷地に侵入した不審者を射殺した。そうしたら、井上諒子なる変な野郎がなぜか源元家に住む事になった。なぜこうなったのかは、いまだに謎ではあるが、その影響で俺の部屋が変わって、一人部屋になった。これを機会に部屋で魔法の研究をしてシールドを完成させ、我らがストロング帝国のための第一歩を踏み出した。」と言うのがあったんだよな。さて今日は何をしようか・・・】
【そうだ!あr】突然、軍に激痛が走った。
【いてぇ。だが、大和魂の名の下に、自身の損害を無視し、敵には大きな損害を与えなければ、死をも恐れず、大日本帝国のために散っていった旧日本軍のように、】
【OK】
【Geegle】
【松澤 強の、データを、もとに、修復。】
[アクト受諾•修復•修復完了•アクト終了]
【さっきの攻撃は光魔法、後方から背中にあたり、腹を貫通して、昨日のシールドに衝突。逃げられる前に後ろにいる敵の姿を確認して、誰なのかを特定しなければ、】
【扉が開いている。気づかれないように静かに開けたのか、そんなことより、今は敵の特定が優先だ。】
【⁈、・・・はぁ?】
【源元 幸一、この世界での父。敵ではないはず、】
【?】
【いつ、こいつは信用できると判断した?いつ、敵でないと判断した?いつ!攻撃してくることはないと判断した?確かに、こいつは源元 軍の父親だが、俺は松澤 強であって軍ではない!こいつは敵だ!敵は排除せよ!】
【手持ちは、昨日使った光魔法の魔法石か、シールド粒子に変換して散布。敵を追跡!魔法のために構えていることを確認、シールド粒子、周囲に展開!】
「今度は両手で攻撃してきたか、攻撃力を増やしたところで、もう意味はない!」
「そんな馬鹿な、狙いは完璧だったはずだ!これが大野和明の力だと言うのか!」
「和明、典型的な異世界転生漫喫青年か、俺は反錬金魔法を生み出し、そいつをも超えた。大野和明と戦うことを想定しているだけでは想定不足だ。」
【イライラで厨二病のブレーキ機能しなくなったか、気分は悪くないし良いか!右手が電気魔法を放ちたくてうずうずしているから、やるしかないやろ!】
【感電死したよな⁉︎ヘッドショットで確殺したいが、奥にいるのは、平良 勇人⁉︎手にはM16!アサルトライフルといえばで思い浮かぶ銃だ!そんなことよりも!なぜ、平良家が持っている⁈ただ、あいつはリロードしようとしているが、手こずってやがる。おそらく、ニホン時代の遺産として所持していたんだろ。あぁ、なんかまだイライラする!現段階ではシールドで実弾を防ぐことはできないが!、撃たれるよりも先に撃てば良いのみ!ただ、M16は損傷なしでもらうことにしたから、電気魔法は使えないな。であれば、錬金魔法で試作銃と耳栓を展開!昨日の不審者のおかげで射撃精度チェック済み!左手だが、素早く頭に狙いをさだめて、ヘッドショット!】
【よし!M16に破損なし!耳栓回収っと、連射できる銃の構造は知らないから、良い結果だ。では、回収して解析して複製して試射しよう。】
【おっと、怒りで厨二病にブレーキかけてなかったせいで、ゲームでの癖が出てたようだ、角待ちしている奴がいるかどうかを耳を澄ませて軽く索敵するっていう・・・、本当に角待ちしているやつがいるような気がするんだが⁈ついに幻聴でも聞こえてしまったのか?でも、地味に荒い息づかいが聞こえるんだが⁈体力切れというよりは角待ちの緊張による息づかいだろうし、角待ちしている変な奴がいるせいでさらに怒りが増長しそうなんだが⁈素早く銃を構えながら角待ちを突破してバーンってやってやるぞ!】
【三、二、一!角待ちしている野郎視認!ヘッドショット!】
【角待ちの敵は、源元 空。ヘッ、角待ち中に息が荒くなるとは、さすが雑魚の集まりの女だな!】
【おっと、幸一の方の確殺を忘れるところだった。危ない、危ない、悪役っていうのは確殺をしなかったせいで、起き上がられて奇襲されて逆転されたり、援軍が到着して蘇生されるか、生き返られたり、ゲームでも確殺は大事だし。ということなので、確殺は素早く確実に】
【ヘッドショット確認。落ち着いてきて気づいたが、めっちゃ返り血を被ってるのな、至近距離から二人ヘッドショットしたんだし、このぐらいの返り血は浴びるものか、殺人したの初めてだから知らないけど。あ、すまん昨日の不審者を撃ち殺したの忘れてた。忘れられた不審者(笑)、正確に言えば、返り血を浴びたのは初めてだな。これまでに浴びたことないよな?今度は忘れ去られた人はいないよな?(笑)】
【・・・】
「源元 幸一。源元 軍の父だからといって、警戒を忘れていた。失敗だ。俺は『二度あることは三度ある』ということわざは嫌いだ。ゆえに、俺は『三度目の正直』ということわざを信じる。これは小学校時代での一度の失敗は、覚えられないか、対策をするも別の方向性が緩くなるかで、第二の失敗が訪れるという記憶に影響されているが、繰り返してはならない失敗においても、二度目を最大限起こさないようにし、三度目は起きてはならない。というように二度目までは容認している。だが!二度目は三度目を起こさないために防ぐべきものだ!それが起きてしまった!警戒を強化せよ!もう失敗は許されない!あの失敗の過去を繰り返してはならない!」
〜松澤 強(小一の記憶)〜
まだバカだった頃の俺「本当に、やっちゃって良いのかな?」そして、『失敗の中心点』『男尊女卑の源』『人間不信の入り口』『全ての始まり』の渡辺 麻衣
「きっと、大丈夫だよ!」
こいつは忘れてはならない失敗だ。断定を避ける言葉『きっと』、そうしてそれは起こった。
先生による追及だ。
当時はまだ『ポーカーフェイス』や『嘘は言ってない戦法』などの対先生向け話法のようなもののを、開発していなかった。
それ以上に、自分を信じていなかった。
それこそが最大の敗因だった。
「えっ、と・・・」
動揺で落ち着けなかった。
「ごめんなさい、私はやめようよって言ったのに、」
泣きながら言っていたからなのか、そいつは優しく流された。
「注意したのはえらい。麻衣ちゃんは悪くないよ。」
自分を信じていなかったから、
【本当は注意していたけど、自分が忘れているだけ】と考えてしまった。動揺していたから不信感を抱かなかった。
こいつの発言にも、先生に慰めれられている時に見せた笑みにも、この後の損害はかなり大きかった。大人たちの叱りのラッシュよりも、落ち着いて考えた時に真実を察した時だ。
【注意していたのを忘れていると思ったけど、そんな記憶一切ないし、そもそもの問題、麻衣もやることを後押ししていた。忘れているわけがない。それに、あの時の笑み、あれは自分は怒られなくてラッキーという笑みなのでは?それ以外に推測できない。麻衣は嘘をついて逃げたのか?罪をなすりつけたのか?】
こう考えた時の悲しみ、そして怒り、殺意、これは大きな損害だった。
「忘れるな。繰り返すな。この過去は忌むべきものだ。『友達』は信用できない!信じるべきは自分だ!『友達』は味方ではない!味方でなければ敵だ!敵は潰せ!攻撃せよ!」
〜源元 幸一〜
【大野和明。あれは歴史上、最大のミスだ。この世界は、奴によって大きく作りかえられた。その中には戦争が終わったというものも、あるが、それは副次効果に過ぎない。多様な言語は失われ、多くの都市が灰となった。そして、奴による独裁が始まった。これらは全て悲惨なものだ。この歴史を繰り返してはならない。ゆえに、奴が復活することは、なんとしてでも防がなければならない。過去の奴がやったことは忌むべきものだ。そして、それが今だ。軍、おそらく奴の意識がそこにある。生まれた瞬間から喋り、魔法を使う。奴の意識があるのだとすれば、これらに辻褄がいく。奴が再誕したのであれば、歴史が繰り返される前に止めなくてはならない。平良家とも協力し、今日に至った。計画も完璧だ。ついに、負の歴史に終止符が押される。】
【この部屋のドアは、隠されているこのレバーを引けば、ドアノブを回さずとも開けられるようになっている。奴をこの部屋に誘導し、気づかれずに殺すために用意した部屋だ。階段側の小窓から奴が扉に背を向けていることを、奥で待機している勇人が確かめて、合図が来たらドアを開ける。合図がきた。ドアを静かに開ける。床に散らばっている虹色の石はなんだ?今はそんなことを気にしている暇はない。火魔法は家に燃え移るので使えない。であれば、光魔法だ。奴が生み出した光魔法の打ち出しで、奴にとどめが刺されるとは皮肉だな。背中から胸元を貫通するように狙いを定めて、光魔法、打ち出し。】
【綺麗に穴が空いたな。これで終止符は打たれ、⁈】
【穴が塞がっただと?何が起こった?まずい、奴に気づかれた一度退こう。追ってきたところを両手から放った光魔法で、】
「今度は両手で攻撃してきたか、攻撃力を増やしたところで、もう意味はない!」
【やつに当たる前に光魔法が消えただと⁈】
「そんな馬鹿な、狙いは完璧だったはずだ!これが大野和明の力だと言うのか!」
【せめて、勇人があれの準備を完了するくらいまでは時間を稼ぎたいが、】
「和明、典型的な異世界転生漫喫青年か、俺は反錬金魔法を生み出し、そいつをも超えた。大野和明と戦うことを想定しているだけでは想定不足だ。」
【何だと、こいつは奴以上の敵だと言うのか?だが、もう後戻りはできない。できるのは最善の手を打つのみだ。】
【痛い。】
【・・・何も見えない。何も感じない。これが死なのか。私は間違ったのだろうか。間違ったのであれば、何が間違いだったのだろうか。大きな爆発音が聞こえる。勇人がやったのだろうか。それとも・・・、また爆発音。勇人も、もしもの時のために待機させていた空もやられたか。同じ打倒和明の意志を持った者として出会い、結婚にまで至った空、魔法の才を持った打倒和明に有望な勇人、打倒和明の意志を私に託した祖父の正。これが走馬灯というものか、祖父の遺言、空との出会い、勇人の誕生、結婚、この後は軍の誕生、奴への勝利、軍の即位。上手く行くはずだった。しかし、軍の誕生から全てが変わった。普通の赤ちゃんにはしないような対応をした結果や、普通の赤ちゃんらしからぬ成長速度。奴しかないだろうと思った。しかし、違った。打倒和明の念に囚われたのがミスd】
三回目の爆発音が響いた。




