第5章「土台の完成」
「実際の発言」【心の声】[Geegle]〈無線〉
〜新たな転生者〜
「おら、おら、俺らから逃げられるかなあ?」
【私は日本で死んで、せっかく転生したっていうのに、また死ぬの?しかも、この世界で私はまだ六歳だというのに、】
【日本と違うこの世界なら、今度こそ、第二の人生を始められると思ったのに、まだ死にたくない、もう死にたくない、逃げて生き延びなきゃ、今度こそ人生をやり直すのだから!】
【ここで左に曲がれば人通りの多い方に行けるはず・・・】
「そっちはもう仲間が控えてるんですね〜、俺らが人通りのある方に逃すとでも思ったのか?」
【先回りされてるなんて、】
【そうなら、取り囲まれる前に走って逃げるしかない!】
「おい、待て、」
「まずいな、そっちの方にはまだ・・・」
【あそこまで行けば、この暗がりから出られる!】
そうして出た場所は源元邸であった。
【街とは違って広い庭に大きな家、貴族の家?】
「これで依頼完了だな。」
【?】
「はーい、そこの不審者集団。俺は男尊女卑だから、女を追いかけてようと、どうでも良いんだけど、住居不法侵入はしないでもらおうか?」
「黒い服装に身を包んだ青年、源元 軍だ。まずい、逃げろ!」
【源元 軍?誰だか分からないけど、ここで懇願する顔をして「助けて」と・・・、前世で私は、そんな騙すような事をして来たからと言っても良いような理由で死んだというのに、私はまた繰り返そうとしているの?ダメだわ。根本から変わらなければ、また同じ人生を繰り返すだけ、もうそんな事はやめなければ。】
【「黒い服装に身を包んだ青年、源元 軍だ。」と、なんで自分の名前が出てきたのかは謎なんだが、脅威として見られるのは厨二世界で闇側になっているから、気分は悪くないんだけどなぁ、ちょうど、「誰か試作銃のテストのために射殺しても問題ない奴いないかなー」って時に来ちゃったよ。あの不審者集団のやってることは、男尊女卑として悪くはないから、いつもなら殺そうなんてならないんだけどなぁ、これはタイミングが悪かったとしか言いようがないな】
【さて、せっかくの異世界だし、ストロング帝国展開の一歩として、何か厨二病発言でもするか、】
「ポジティブに考えるなら、俺の試作回転式拳銃の的になれたと喜び、ネガティブに考えるなら、タイミングが悪かったと悔いろ。」
「我がストロング帝国展開の大きな一歩、銃の完成だ。」
【耳栓付けてっと、狙いも良好、バーン、と銃声がなって、無事撃てたみたいだが、射撃精度や殺傷能力等はどんなものかな?】
【射撃精度、照準で狙った頭に的中、良好。殺傷能力、ヘッドショット、脳に命中、おそらく死亡。】
【ん?あそこに見えている、走ってこっちに来てる奴は父か?まだ目で見て確定とは言えない距離だが、状況的には十分な可能性だろう。不審者の一人で対人性能を確認したら女にも撃つつもりだったんだが、父と考えられる人影が接近しているのならやめておいた方が良いだろう。まぁ、そいつが表情で釣るみたいな気持ち悪い顔でもしていたなら不審者より先に撃っていただろうし、そんな野郎よりはマシと言えるだろう。よし、銃を解体して撤収だ。】
「ただいま。空、ちょっと来てくれるか?」
【なんだ?この予想外の嫌な予感は、】
【何か、重大な見落としみたいなものがある気がする。いつもと同じ、ただのネガティブ思考による思い過ごしだといいんだが、毎度おなじみの情報整理で安心するか、】
【不審者の射殺に関しては、問題はないだろうし、あの女が証言すれば嘘はないと証明できる。あの女が事実と違うことを言ったのであれば、不審者を撃った撃ってない以前の問題になるから関係ない。主な問題は銃に関してだろう。銃声、死体の弾痕に弾丸。隠蔽するのは無理があるだろう。しかし、嫌な予感はこれじゃないような気がするが、大丈夫だろ】
「軍、居間に来てくれ」
【まっずいな、これは妙なことになると、雰囲気が物語っている気がする。ゲーム級に集中することになりそうだ。「各員、第一種戦闘配置!」あ〜、第一種は物理的な殴り合いとかで、論争は第二種にしておくか?言い直すのはあれだし、次からは第二種で言えばいいか】
【居間に到着っと、まずは父を視認、母視認。あれは不審者に追われていた女か、集まってるのが、これだけなら特に問題は思い浮かばないな。だとすれば、隠れて話の途中で現れるパターンか?それなら見えない敵の推測と特定をしなければならなそうだ。】
「軍、」
【さて、論争が始まるぞ「総員、衝撃に備えよ!」】
「色々あってこの子をこれからここに住まわせる事にした。」
「ふぇ?」
【半王族、一般人、女、子供、不審者、負傷、保護?・・・、「は?」】
【久しぶりに脳が高速回転したぞ、人狼にて心理戦をしていた頃以来の高速回転だろ、そんなことは置いておいて、これは大問題。ちっ、こうなるのであれば性能チェックは女の方を優先しておけば良かった。この可能性は想定できなかったにせよ、女の方を殺せなかった場合になんらかの要因によって関わる必要性が出てくる可能性を考えれば、先に撃っておくべきだったろう。これは失敗だ。さらに、男尊女卑の思考を強めなければ、】
「い、井上 諒子です。よろしくお願いしましゅ。」
【へっ、さすがザコの集まりの女だな、噛んでやんの。】
「源元 軍だ。」
【そんな事よりこいつをどうするかだよな。殺すのはあまり良い手ではないだろう。一時的な保護だということに賭けておくしかないのか?それは、だいぶキツいぞ。ただ唯一マシなのは、まだ小学校低学年くらいの子供だという事だな。前世の体になったから身長差で優位にはなっているが、しかし、忘れてはならないのが、俺が女を嫌いになった最初の理由だ。まだバカだった小学校低学年の頃のあの出来事だ。あれを忘れてはならない。また、小学校低学年だからと言っても、女である事実に変わりないことも忘れてはならない。決して、繰り返してはならない。】
「それでだ、軍。」
「?、はい」
【次は何だよ!今の機嫌はかなり悪いぞ】
「この子の部屋は一階の方が良いから、」
【まさか、同じ部屋とか言わないよなぁ!】
「軍は二階の部屋に行ってくれ。」
「はい。」
【ふぅ〜〜〜、やっと安心できる要素がきた。あ〜、心理的に疲れた。魔法石でも量産して体力的にも疲れて寝るか。】
「場所は、階段上がって右にある部屋だ。」
「把握」
【二階の部屋はっと、階段から近くにあるこの部屋のことかな?この部屋は敷布団じゃなくてベッドなのか、スペース的にも問題ないし、家具も端によっていて真ん中が広くなってる感じだな。】
【よし、こんだけ真ん中に広いスペースがあるなら、子供の時にやっていた、おもちゃを元として争いの空間を形成するやつを、錬金魔法や光魔法を駆使して現実のものとするのも良いかな。これまではあの神ゲーの世界上でしか作る事ができなかったが、この世界に転生した事によって、現実に作り出す事ができるというのは、かなり最高だな。】
【そのためにも色々とやらないとな、まずは部屋が光魔法のレーザーで穴だらけにならないようにする方法と、やっぱりシールドは使えないとなぁ、シールドを使う事ができるようになれば、身の安全が確保できるし、さらに応用もできるだろうから、厨二世界の展開に大きく寄与するファーストステップとなるだろう!】
【なんか心理的疲れなんてものは、一瞬で消し飛んだな〜。さすが、厨二病。】
【まず、シールドとしての機能は、魔法の壁となる事が第一。それでいて、内部からの魔法は通る。】
【電気魔法の応用、名前はとりあえず反錬金魔法って事にしておいて、その反錬金魔法を周りに散布しておく感じかなぁ。だとすると、空気やら建物やらも分解しそうなんだよな。】
【そうだなぁ、魔法は魔法原子の変化が魔法信号として伝達されていくんだから・・・、魔法信号をせき止めれば良いのか!つまりは、対魔法用のEMPみたいなのを作れば良いわけだ。マジックEMPってところかな?マジックっていうと、科学的なタネがある方のマジックの印象が強いからなぁ、魔法EMPの方が良いか。】
【よし、原理が確定したのであれば、魔法EMP発生装置を作れば良いということだ。魔法信号をせき止める方法として挙げられるのは、魔法原子をどかして魔法が発生しなくする。この方法は空気を消す以上に困難だろうから却下。次は、酸素に変化しかけの魔法原子で空間を埋め立てる。これであれば、変化しかけの魔法石をバラバラにすればできるでしょう。ただ、これの問題は変化しかけの魔法原子と普通の魔法原子が混在している状態になった場合、貫通しないかという問題だな。とりあえず実験してみるしかないやろ。】
【まずは真ん中に的として適当な物を設置して、持ってる魔法石を酸素に変化しかけにして、魔法原子をバラバラにっと】
【なんか、一瞬液体みたいになってから色が消えて気体になったな。液体というより膨張していただけかな?ま、良いか。】
【OKGeegle】
[はい、お呼びでしょうか]
【魔法原子を変化を観測。】
[アクト受諾•観測開始]
【扉まで離れて、光魔法を的にむけて放つと、】
[観測完了•結果表示]
【あー、なるほど。魔法EMPエリアに入った瞬間、光魔法の信号は風魔法のような信号に変わるから、貫通はほとんど起きないのか。】
【じゃあ、次は内部からだな。的を扉の方に移動してと、中心に立って一応小さめの魔法石を魔法EMPに変えてっと、再度放つ。】
[観測完了•結果表示]
【酸素に変化しかけだった魔法原子が光魔法に変わってるのか、つまり、内部からの攻撃は可能っと、なるほどなるほど。一応、レーザー銃みたいなのを作るときは魔法石を使うだろうから、魔法EMPの中で魔法石を経由しても魔法を打てるか試しておこう。】
【一度外に出て、光魔法になりかけの魔法石を作るっと。光を原子レベルでは想像できないからレーザーを思い浮かべとけば良いだろう。】
【よし、これで光魔法の魔法石ができたかな?一応外から的に向けて打ってっと、ちゃんと光魔法になっているし、シールドも機能しているな。そうしたのであれば、後は内部から攻撃するのみ。さて、この結果次第でシールド運用の命運がかかっているが、・・・】
[観測完了•結果表示]
【良かった。これでシールドは有用できそうだな。】
【てか、中で魔法使えたら魔法EMP要素一切ないんだよな。「シールド粒子」とかに名前変えるか、】
【ついでに、他の観測結果の比較して暇を潰すとしよう。】
【まずは、内部からと外側からで何が違うのかな?えーっと、外側からの魔法信号だとシールド粒子を光魔法にできないのか、そして、内側からの魔法信号は変えられる。外側は空気中の魔法原子。内側は魔法石の気体。魔法原子の密度の違いか?だとすると、空気中の魔法原子が一番弱く、シールド粒子が次、魔法石がその上だな。魔法信号の強さは伝えているものに影響される感じか、それで、魔法石の魔法信号を書き換えられるヒトはそれより強いってところかな?いや、でも作成はできるが、書き換えはやってないか。ちょうど光の魔法石もあるし、試してみるとしよう。】
【イメージはレーザーになりかけだったのが、風(酸素)になりかけになる。】
【固っ、別に魔法石を直接曲げようとはしていないが、なんか固いと感じるんだよな。でも、この固さは設計的に動かない固さではなく、錆びて動かない固さというような気がする。それが分かったところで魔法石が変化する訳ではないけどな。でも、頑張れば変わりそうでは?ということは、ヒトの魔法信号の強さはプレイヤースキルと言う事になりそうだな。楽しみなところだが、「帝国の土台は完成した」ってことで疲れたし、明日にするか。】
〜???〜
「物資は届いたか?」
「あぁ、土台は完成した。」
「了解、日程通りに。」
「日程通りに。」・・・




