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第4章「推測と策略」

※「発言など」※【心の声】※[Geegleの音声]※〈無線〉※

   〜幸一の記憶〜


 【あれは確か、私が十歳の時だったな。】

「幸一」

「何?おじいちゃん」

「今から源元家として、しっかりと頭に刻んでおくべきことを言うぞ」

「うん。」

私が源元家としての自覚と威厳を持ち始めた頃だ。祖父から『あのこと』を聞いたのは、

「大野和明のことは知っているな?」

「うん、この大陸を支配した悪い奴。」

「あぁ、表立って知られてはいないが、大野和明は死ぬ前日に、『実験は成功した。これで俺がいつ死んでも、今日から百年後には復活して見せよう。』と言っていたんだ。」

「それってもうそろそろじゃん。」

「そうだ、ちょうどお前の世代でそれが起こる。気をつけろ。」

「うん。」

そうして八十五年もの時間を生きていた祖父は翌日に安心したように亡くなった。

そして、今年が奴の復活する年だ。さらに、その疑いのある奴が幸か不幸か、軍だろう。疑いというよりは確信だ。

どのような手段を使ったのかは不明だが、この世に再度生まれる方法をは百年前に見つけていたのだろう。

奴は生まれてすぐに言葉を喋り、異常な成長速度、魔法をも使えた。

特に錬金魔法、さらには、錬金魔法以上のものを使っている。これは奴で確定としか言いようがない。

そうと決まれば、どうやってとどめを刺すかだが、俺が直接やっておきたいところだが、それをするのは外部に漏れた時にリスクがある。

ここは平良家にも協力してもらうとするか、大野和明が復活することだけは、お互いになんとしてでも防がなければならない事態だ。


 こうして幸一は早速、昼食中に動いた。

「そうだ、軍」

「ん?」

【何だよ唐突に、】

「頭もいいし、世間のことをもう少し教えてもらうか」

【半王族なのに世間のことを他力本願〜】

「誰に?」

「平良家の息子さんにだ。」

【そっちも半王族だから引き分け〜】

「あっちは親の世代が王をやってるところだから、子供の世代はやることがなくてちょくちょく街に出てるらしいからな。」

【なるほど、一理ある。と思ったが、お前も王じゃない世代だろ。いや待てよ?ということは今の内容は俺への名目上の話、主目的は源元家と平良家が仲が良いことを民衆に知らしめるための行動か?だとすれば、民衆の中に源元家と平良家の分断を狙う者がいるということか?いや、もしかしたら民衆に見せかけた別の国の特殊部隊か?だとしらゲームみたいで面白そうじゃないか、最近ゲーム中毒が悲鳴をあげていたんだよー。これは楽しめそうだ】

「それに、あっちは十八歳と軍と歳が離れすぎていないていないし。」

【十八歳だって⁉︎前世の俺を再現するのに最適じゃないか、これがまさに一石二鳥、いや、一石三鳥だな。】

「どうだ?軍」

「OK」(即答)

「じゃあ、細かい日程等を話し合ってくる。」

「いってらっしゃーい」

【さあ、楽しみですねぇ。来るまでの間は引き続き魔法の研究といこうか、】

「いってきます。」

【さて、銃を作るために、魔法石の研究をしていたな、母も食器洗いに意識を向けているし、小型戦車で部屋の魔法石を回収してから庭に行くとしよう。】

【小型戦車展開、乗っかって、モーターをっ操作っと、モーターだから、電気自動車みたいに静かで良いねぇ】

【部屋の前に到着っと、扉を開けて枕元に行って、腕を補強している奴で魔法石を挟んで、戦車の上に置いてっと、これで全部だな、では庭に向かうとするか】

【はい、到着。】

【火薬を作るためには、まず、魔法石が酸素にだけ変化するようにするところからだな】

【第一案としては、ある程度酸素原子に変えておくぐらいかな。】

【魔法石のまま酸素に近づけさせ・・・】

【あーだめだ、そういえば酸素の固体なんて見たことなかった。二酸化炭素の個体はドライアイスだが、酸素の個体なんて知らねぇ、第一案は無理そうだな、第二案としては、魔法石の中に酸素に変化したやつを所々に収納しとくとかかなぁ、トライアンドエラーやな。(このセリフを最近、どこかで聞いた気がするが、気のせいだろう)】

【あれ?そういえば、火薬内の魔法石にどうやって魔法信号を送るんだ?】

【まぁ、火薬に着火するときに火魔法で着火するわけだから、火魔法の魔法信号を受けて酸素が発生するようになればいいか、】

【であれば、魔法石を地面に置いて、そこに火魔法を打ち込んで、火が大きくなれば、酸素が発生しているということだな。】

【よし、やろう。】

【ここら辺に置いて、ちょっと離れてっと、このくらい距離あればいいだろ。】

【まずは、普通に打った時の火力チェックからっと、このくらいだな。そして、次は魔法石に打ち込むっと、お、火がさっきより明らかに大きくなっているということは、酸素に変化したということだな。一応、魔法石の状態もチェックしとくか、】

【無くなってるってことは、酸素に変化したってことだろう。ってことは弾薬の作成へと移るか、】

【ということで、まずは飛んでいく球の部分は普通に錬金魔法で作って、火薬の部分は、魔法石の面を作って、そこに火の魔法信号がたどり着けば良いようにしとけば、弾薬は完成だろ。あとは、銃だよな、空薬莢をどうやって銃から吐き出すかを考えるのは面倒だから、ロシアンルーレットに使われたり、西部劇であったりする回転式拳銃ことリボルバーをまず作るか、】

【シリンダーを横に取り出せるようにして、銃口部分のシリンダーに火魔法石の回路をつなげて、引き金を引いた時に、回路が繋がるようにっと、これで回転式拳銃の完成っと】

【で、弾薬のサイズをシリンダーのスペースに合わせて作って、とりあえずは、六×十で六十発くらい作っとけば良いか、】

【よし、リロードして、引き金を引こうとしたけど、単純に引き金を引けないから、引き金を引けるように腕の補強の先を細くしてと、これで気を取り直して、引き金を引いて、】

「てー」

そして、自作の回転式拳銃は大きな銃声を出したが、弾丸は出てこなかった。

【耳鳴りがぁ〜、そういえば徒競走の時のピストルも撃つ手の方は耳につけて、撃たない方は耳塞ぐんだっけ?完全に忘れてたのと、なんかシリンダーが壊れた。おそらく、弾が出ていないところを見ると中で詰まったんだろう。シリンダーが回らないってことはそこにずれがあったんだな。あと、スナイパーライフルくらいの銃声したから火薬も多かったのでは?ということで、速攻で銃と弾薬を作り直すとするか。】

【火薬の量は、半分くらいにしておけば良いかな?よし、これで銃のシリンダーと弾薬も調整したし、耳には耳鳴りする前のデータを再現したし、完璧でしょ】

【であれば、もう一度試射をと思ったが、駆け足が聞こえてくるから無理そうだな。電気魔法で解体してから、火魔法と風魔法を暴発させたように偽装しておこう。】

「軍!何?今の爆発音は⁉︎」

【騒がしい、騒がしい】

「風魔法を両手で使ってたら、突然片手から火が・・・」

【もちろん、そんなミスを俺がするわけはないし、火と酸素を合わせてもよく燃えるだけで、密閉しない限り爆発には至らないけど、まぁ、父の発言から魔法が暴発する可能性があるのも把握しているし、酸素と火の関係なんて知れ渡っているわけないし、これで誤魔化せるに決まっている。まぁ、一応セリフには動揺している雰囲気を漂わせておいて、これで完璧!】

「・・・」

「何より、無事でよかったわ」

【ひとまず、誤魔化せたな。だが、その前に間があったし、「何より」というセリフが最初に出てきたのは別の可能性を検討していたと考えられるな。注意が必要かもしれんな】

【そんなことより今は母に抱っこされているという心理的吐き気の塊をどう切り抜けるか、だな。母の顔がなんか、鏡見てどういう笑顔が可愛く見えるかとか研究してそうな顔してるから(女は全員そう見えるような気もする)、ウザさ、吐き気、殺意、が湧き出てくんだよ。そろそろ父帰ってきてくんないかなぁ〜?今すぐにでも、電気魔法でこいつを殺したいんだよ。マジで早くしてくれ】そうして、軍は空が食器洗いをしている間、食卓で待機させられていた。

【暇、退屈、ゲーム、暇、退屈、ゲーム・・・】

「ただいま。」

【⁈】

「お邪魔します。」

【やっと帰ってきたぁーーー!なんかオマケ付きだった気がしたけど、そんなことはどうでも良いから、この世界で唯一のゲームに値する楽しさを持っていそうな話の結果はいかに、】

「軍、こちらが平良家長男の平良勇人さんだ。」

【「たいらはやと」把握。ちょうどいいし、ここで握手して解析するとするか。】

「よろ、しくお願いします。」

【ゲームの癖で「よろ」で途切れるところだった、危ない危ない。】

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

[解析•解析完了]

【キターーー!】

【そうしたのであれば早速、前世再現!ついでに海賊風の服を錬金魔法で着るっと、】

[再現•再現完了]

【ついでは厨二病の要素だが、異世界だし良いだろう。これで、やっと松澤強、率いるストロング帝国をこの異世界に展開する第一歩を踏み出したのだ!】

【そういえば、父と勇人が混乱状態にあるみたいだが、無視で良いでしょう(笑)。対応するのめんどくさいしね、】

「ゲホッゲホッ」

【どうした、平良家と源元家を往復して風邪でも引いたか?】

「とりあえず、私が今度街を案内する平良勇人です。どうぞよろしく。」

「こちらこそ、お願いします。」

「日程等は後々決めていくとして、今日のところはお互いの確認で終わりで良いかな。」

【別に今日でもよかったんだけどなぁ、お互いの確認で前世の姿を取り戻したし、とりあえず、回転式拳銃を完成せておくか。色々調整したけど、まだ試せていないし、・・・でも、今日じゃないのか〜、つまんねぇ〜】


 そして視点変わって平良家へと向かっている幸一達へと、

「中止の合図を決めておいて良かったですね。」

「あぁ、私と同じ姿になれることは知っていたが、今度の姿は初めて見る姿だ。あれが大野和明の姿だと言うのか?」

「大野和明の姿について記されているものは特にないですからね。そうなのかどうなのかは分かりません。」

「しかし、こうなったからには慎重に動くべきだろう。軍を消すと、次期王がいなくなってしまう問題も残っている。次の子を産むまで待つ訳にもいかないだろう。」

「その点に関しては、こちらが手を回します。」

「あぁ頼む。奴の復活も刻一刻と迫っているが、それが解決するまでに決行するのは事後に影響が出る。」

「素早く解決した方が良いと言うことですね。」


 こんな会話が繰り広げられているとは知る由もなく、強は調整した銃を試射しようとしていた。

【今度は銃声に注意しないとな、耳もそうだが、銃声を聞いて駆け付けられるのも面倒だからな】

【耳は耳栓で対応するとして、音は防音室みたいなのを作るとするか】

【確か、音楽室とかは壁に穴がめっちゃ空いてるのが防音効果のある奴だったな、その穴のある壁の奥に空間があって本物の壁がある構造だということを、なんとか覚えていたな】

【じゃあ、錬金魔法で作って、防音扉は構造知らないから二重扉にすれば良いかな。】

【そういえば、的を作らないと地面か防音設備に撃つことになるから、作っておかないと】

【と言うことで、「さぁ、やって来ました。本日二回目の試作銃試験!今回は周りへの配慮として防音室の中で試射を行います。さて、今回は成功するのでしょうか!」と、まあ謎の実況をしたところで的に狙いを定めて、引き金を、】

【今回はちゃんと弾が出たな。銃声もさっきより小さかったと思うし、だいぶ距離取ったけど射撃精度も良好。あと何回か試して完成だな。】


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