第12章「計画」
※「発言など」※【心の声】※[Geegleの音声]※〈無線〉※
【ワビシアから帰投して来たわけなんだが、なんかいる。確か、ベイトリー大使の米谷大輝だな。】「米谷さん。滑走路の準備ができましたか?」「あぁ、確認が取れた。」【「確認が取れた。」と、いくら隣の国とは言え、伝達が早い。こいつも通信機器を持っている可能性が高いな。】「では、この機の後ろに乗ってください。」「あぁ。」【滑走路に提供機は全部並べているけど、エンジン以外の回路を一切設置してないから、それを組むだけで準備完了にできるからな。】〈提供機準備完了。〉「シートベルトを再度確認お願いします。」「あぁ。」【さっきから「あぁ。」しか言わないやん。】「〈先導機、発進する。〉」
〜ハイド〜
【なんかベイトリーいるし、連続して操縦しなきゃなんないのか。】【さて、準備するか。まず、帰投機の後ろにつけた無線を回収して、次の提供機につけてっと。そしたら、反錬金魔法で穴を開けて、・・・ん?スロットルと操縦桿の魔法石が消耗してる。補充用の魔法石も消耗してるな。つまり、誰かが触れたということだ。もう一機の方も確認しなきゃならなそうだ。】「〈提供機準備完了。〉」【急いで確認しなければ、】〈先導機、発進する。〉【魔法石の消耗を確認。ベイトリーからの帰りで伝えておかないと。】
【滑走路と思われる、舗装された土の道が見えるな。後ろのやつが何も言ってこないんやが、一応確認しておくか。】「あそこに見えるのが滑走路ですか?」「あぁ。」【また「あぁ。」かよ。ボットだったりするんじゃないか?大丈夫か?】「〈着陸態勢に移行する。〉」〈把握。5秒後に着陸する。〉【着陸完了っと。さて、あとは帰るだけやな。】「米谷大輝。ただいま戻りました!」「確認したなのです。」【敬礼か。シーク部隊作れたら、やるのも良いな。】〈提供機、着陸完了。〉「〈把握。帰投用意を開始せよ。〉」〈了解。〉【降りてっと。】「条件については確認しましたか?」「あぁ。」「くれぐれも安心安全に運用してください。」【ベイトリーについては、ワビシア同様、この道がすでに整備されてた。ってのが気になるな。ワビシアほど確実ではないが、転生者が影響を与えているだろ。】「それでは、」【後はムートリカだけだな。ひとまず、空軍はこれで終わらって、次は何をしようかなぁ。】「これより離陸する。」「把握。」【戦車のバリエーション、増やさなきゃならないかなぁ。】「あと、ワビシアに提供しに行ってる間に、誰かが提供機二つに触れたみたいだ。」「盗もうとしたということか?」「おそらく。大使に説明した所だけ触られていた。」「つまり、あの場の会話を聞いていた何者かだな。」「可能性としては、ベイトリーかムートリカ、もしくは透明化装置を持っていた奴に関係する奴が主だな。」「提供機に触れているということは、盗聴器はあったとしても回収されているか。」「ここは、ハイドたる俺が光学迷彩駆使して探らないとな。」
〜???〜
「ウィー、ゲット、フライングオブジェクト、テクノロジー!サイエンスマン、カム、マスト。」「アイム。」「セイ、アバウト、オブジェクト、マスト。」「アイシー。オブジェクト、ユーズ、ウィンドマジック。ウィンドマッジク、メイク、エネルギー、アンド、アシスト、ムービング。」「ウィー、プラン、イズ、クラフト、メニー、オブジェクト。ウィー、ウィル、ゲット、スカイ!」「フォアステート」「「「フォアステート」」」
「さて、俺はまず平良仁にムートリカから連絡が来たら伝えるようにってのを言いに行ってから、次の開発進めるから、」「俺は物理シールドやら光学迷彩、ホログラムの研究しながら敵の索敵だな。」「ストロング帝国が完成するまで、表は大変だなぁ。」「ゲーム中毒を紛らわすためにはそうじゃないとならないしな。」
〜平良家屋敷〜
【居た居た。】「松澤さん。今度は何の用ですか?」「滑走路の準備ができたら、ムートリカ国から連絡があると思うから、来たら伝えてくれって話だ。」「松澤さんは、普段どこに居ますか?」【どこかに留まることは無いだろうから、無線をさらに改造して、俺の持ってる無線にだけ繋がる奴を作っておいたのだよ。】「連絡する時は、このボタンを押して話せば聞こえるから、これで連絡できる。」「分かった。」【てか、横の馬車は何なんだ?】「ところで、この馬車は何に使うんだ?」「最近、港から出た船が海賊にやられて、海上貿易が滞っている。そのため、隣国のムートリカ国とは陸路での貿易で補っている状態だ。」【海賊か、厨二病の原点やから好きなんやけどなぁ。】「ベイトリー国の方は?」「ベイトリー国には大きな港が無いため、前から陸路での貿易を主にやっていた。そのため、海賊での影響はほとんどない。」【海賊。よし、海軍を開発するか。】「海賊については、どう動くん感じか決まっているのか?」「討伐船団を一度出したが、大した打撃を与えられずに撤退して来た。」【この世界の海戦はどんな感じなんだろうか。】「具体的な戦果と被害は?」「最初に発見した3隻は、多少の被害を負いながらも沈めることができたが、次々と海賊の増援が来て、対処不能になったそうだ。」「海賊は、3隻ずつに分割して海を占拠している感じか。」「そのため、海賊の規模も分かっていない。」【規模によっては、どこかの国が介入している可能性があるが、それが分からないとなると、その情報も集めたいな。】「港の場所と戦った場所を地図に書けるか?」「記憶している。」【地下の地図を元にライパング付近の地図を作ってっと。】「ここが港で、最初の3隻とはここで戦って、援軍はこの方向から来た。」【南東に港。そこから南に進んだ海域で交戦。援軍は東西と南から9隻来たため、撤退を始めた。さらに南から接近中だったのを撤退中に確認した。最後に確認したのはおそらく南西から援軍に向かって来ていたんだろう。最初のエリアを中心とすると、最低6エリアに分割している。最小規模は3×6で18隻。3隻は撃沈したから最小15隻ってところか。二桁、十分多いな。】「海賊の現有戦力は最低でも15隻。こちらの船は?」「5隻だ。」【海賊はこちらの三倍以上いる訳か。ある程度引き分けてくれていたら、しばらく放置するつもりだったが、これだと海賊が勝つな。我が帝国こそ、真の海賊であると示さなければな。神ゲーでの、あのイベントの時のように。】「ここの真南。この位置に、我が帝国の軍港を作るとするか。」「ここ周辺の海沿いは、絶壁になっている。港には適さないと思うが、」【その程度のことは立体的な地図で把握している。】「錬金魔法で何とでもなる。」「そうだったな。」「早速作りに行くとするか。」【この世界の船はどの程度のものなんだ?帆船なのか、大砲は乗せているのか、魔法が使われているのか。それによっては、作るべき試作船をどうするかが決まるな。まぁ、まずは軍港を作ってからだろう。】「〈こちらストロング。軍港建造を行う。〉」〈ハイド、把握。こちら、シールドを改良中。〉「〈把握。〉」【軍港作るにしても、移動めんどくさいなぁ。試作機で行くにしても、着陸する所なんてないし、乗り物よりも便利なもの無いかなぁ。】[ジェットパックを提案。]【お、Geegle良いね〜。優秀じゃないか。】【確か、高機動ジェットパックは、歩兵戦車二種と同じく、FPSゲームの寄り道で作り出した奴やな。よくある背中に背負う形式よりも戦闘で優秀やし、完全に上位互換なんよな。】【設計としては、両足のかかとと足首の左右にジェットを計3つずつつけて、両肩の横にも1つずつつけて、肩の方は360°可動するようにしたやつやな。魔法科学として使うには、足を乗せる所に魔法石を通して、肩の方は巻きつけて固定しているのを魔法石にして、可動部はモーターと電気魔法石をつければ良いかな。イメージはできたし、錬金魔法で作ってみると。】【とりあえず、装備はできたな。うまく機能するかな?光学迷彩して試すか。】【浮遊、成功。可動部の挙動、確認。姿勢制御、成功。空中移動、成功。急加速、成功。空中高速移動、成功。機動性、確認。急ブレーキ、成功。】【完璧だな。さっきまで平良家付近だったが、もう源元家上空に着いた。この移動速度なら軍港予定地まで一瞬だな。ただ、急カーブやら急ブレーキは航空機同様、結構なGがかかるから人体に問題が起きたら錬金魔法しないとな。】「ということで、飛んでいくか。」
〜ハイド〜
【現在のシールドの問題は、魔法に対してしか効果がないことやな。物理攻撃も防げるようにしたいところ。ただ、完全に物理を防ぐと、空気とかも反錬金と錬金し続けることになるから効率が悪いんよな。】【そういえば、前に加わる力によって硬さが変わる「非人道液体」(適当)みたいな種類の液体があったな。そのシステムを採用すれば良いか。】【そしたら、的とシールドを想像して、作ってっと。アサルトライフルで撃ってみるか。ここは滑走路のど真ん中やから、銃声もそこまで大きくはならないやろ。】「てー!」【的への命中はなし。全弾防御を確認。】【次は近接武器だな。剣を作って、振り下ろす!】【固ってぇー、もうちょっと力加減すればよかったかな〜。ただ、物理シールドは成功だな。一応、魔法も同時に防げるか確認しておこう。左手で火魔法撃って、右手はハンドガンでっと、】「てー!」【両方防いでるから大丈夫だな。】【あと、ホログラム時の音問題だよな。光学迷彩ホログラムでしゃべる時のズレは無くしておかないとならない訳だが、これは光学迷彩シールドに内側からの音を防ぐ機能を追加して、ホログラムの口の位置に音を作れば良いやろ。これに関しては一人じゃ確認できないから、後で確認しておかないとな。】
【軍港予定地上空に到着。確かに、断崖絶壁になってるな。ただ、深すぎない程度には浅瀬みたいやから、錬金魔法を使えば簡単にドッグとかを作れるやろ。まずは駆逐艦サイズのドッグから作るか、造船する船の感じも決めないといけないな。そのためには、この世界の船がどのようなものかを確認しておかなければ。ならば、今後の計画は駆逐艦用ドッグを作って、南東にある港に行って船の様子を確認。その船に合わせて、船を造船っと。こんな感じだな。】
※「非人道液体」とは「非ニュートン流体」のことを、うろ覚えとして言っています