第11章「判明」
※「発言など」※【心の声】※[Geegleの音声]※〈無線〉※
「まず、操縦の前提となっている『魔法石』について説明します。」【魔法科学で類似品を作らなくとも、普通に実物を作れる事が判明したから、魔法石はストロング帝国兵器を再現する以外で使わない気がするがな。】「これは、魔法の元を固めたもので、魔法をより少ない『体力』で起こす事ができますが、使うたびに消耗します。」【火魔法が一番明確だから火魔法を打つか。】「消耗して凹んだ魔法石は、触れることで簡単に修復する事ができます。ただ、この時には『体力』を使います。」「つまり、普通に魔法を打つのと、魔法石を使って打つのでは、打つ時は魔法石の方が使う体力が少ないが、全体的には使う体力は変わらないという事か?」【ベイトリーか、体力を魔力と言ってくれたら良かったのになぁ。ただ、転生者の常識に疑問を呈したわけじゃないから、まだ確率は下がってないな。】「そうですね。ただ、魔法石は体力をほとんど使わずに魔法を打てる事よりも、魔法石の先から魔法を打てる事の方が価値としてあります。」【電池としての役割は、持ち運んで戦闘で優位に立つというより、拠点に設置しておく防衛の方が有効的だしな。】「魔法石の先から魔法を打てるからこそ、魔法科学の発明ができるわけなので。」「なるほど。」【この役割はストロング帝国でも使うだろうからな。魔法科学の基盤になっているのは確かだな。】「そして、魔法石を調整して特定の属性の魔法のみを打つようにしたものが、飛行機の操縦に使われています。」【調整の方法に関しては、めんどくさいから良いよな?】「では、飛行機の操縦席だけを作ったもので操縦の仕方を説明します。」【最初の時は、スロットルをずっと触ってないとエンジンが止まるようになってたけど、操縦桿の支点の部分からスロットルの回路に魔法石を繋げて、操縦桿かスロットルのどちらかを触っていれば良くなったから、その内何かの機能追加するだろうけど、提供する機にはいらないかな。】「まず、操縦席まで登って、乗ります。」【ここから転生者の常識だらけだからなぁ、説明するのめんどくさいなぁ。】「操縦席に座ったら、この『シートベルト』という物を引っ張って逆側の差し込み口に刺して、ベルトの長さを調節して、体を座席に固定してください。緩くなっていると、飛行中に空から落ちるかもしれないので注意してください。」【一回転とかしない限りそんなことにはならないと思うがな。】「シートベルトを装着したら、左にある『スロットル』というレバーを操作します。」【固有名詞に質問してくるなよ?】「奥に倒すと加速し、手前に引くと減速します。これだけだと前に動くだけなので、真ん中にある『操縦桿』を前後左右に倒すことで、姿勢を制御します。」「姿勢を制御とは、具体的にどのような事ですか?」【ムートリカぁ、説明することを増やさんでくれぇ】「スロットルを倒しただけだと、前に進むのみですが、操縦桿を操作することで、進む向きを変えたりできます。」「『ハンドル』のようなものか。」【ワビシアさん⁈口を滑らせてくれたようやなぁ!飛行機の単位で疑問を呈して、ハンドルという言葉が出てきたということは、転生者から陸上車両の情報が入ってきているな?】「あぁいや、こちらの話だ。気にするな。」【そして、副産物も手に入れられた。ムートリカはよく分かっていないようだが、ベイトリーはだいぶ反応したようじゃないかぁ。ライパング•ベイトリー•ワビシアの三カ国で三極対立になるのか?三局対立は予想外なところもあるが、面白そうじゃんか。】「最後に、操縦するにつれ、魔法石を消費するので、時折、右側にある魔法石から補給して下さい。」【さて、後は実演するだけか。】「では、実際に操縦するのでこの席から見ていてください。あと、操縦中の説明はこの『無線機』からするので、必要があれば、ここに向けて質問してください。」【spyD2とか言うやつが持ってた奴を参考に作った奴やな。普通は同時には喋れないけど、魔法の自由自在理論って奴で電話みたいに改造したから便利やな。】「〈まず、スロットルを奥に倒して加速します。〉」【一応、プロペラ音がうるさくても聞こえるように音量調整したから、聞こえるようになってるはず。】「〈そして、十分に加速したら操縦桿を手前に引いて、飛び始めます。あと、飛び始めることを『離陸』と言います。〉」〈十分に加速とは具体的にどの程度ですか。〉【どの程度と言われてもなぁ、速度計とかもつけてないし、感覚としか言いようがないかな。】「〈一応、十分な速度がないと、操縦桿を引いても離陸できないだけなので、感覚で操縦桿を引いて大丈夫です。〉」【逆に操縦桿を引かなくても、加速し続けたら浮くしな。】「〈適当な高さに飛んだら、操縦桿を奥に倒して地面と平行に飛行します。〉」〈適当な高さとは、どのくらいですか?〉【感覚ってことで解決すれば良いやろ、何で具体的数値を気にするねんな。まぁ「念には念を」というのもあるけどさぁ。】「〈付近の建物よりも高い程度で十分ですかね。高く飛んでも、下が見えづらくなるだけなので。〉」〈つまり、いくらでも高く飛べると?〉【それに関しては、しっかり実証済みやな。主翼に操縦関連を埋めてる影響で、普通よりは主翼が大きくなって複葉機にしては高く飛べる方ではあるが、高度限界はあるからな。】「〈まず、高くなるにつれて、速度を保ちながら上昇できる角度が小さくなっていき、最終的には上昇できなくなるので無理ですね。最高でも、雲には届かないくらいです。〉」【あとは、旋回の方法やな。】「〈次に、左に曲がるには操縦桿を左に倒してから、右手前に引きます。これを『旋回』と言います。右に曲がるには操縦桿の倒す左右を逆にします。〉」【地面に垂直になってから、手前に引くでも良いけど、シートベルト頼りになるから、安全面的にはこの説明かな。】「〈最後に、地上に戻る。『着陸』するには、スロットルを半分以下にし、操縦桿を奥に倒して下降し、地面の近くで操縦桿を引いて平行にします。その後、スロットルをゼロまで引いて減速します。車輪が地面と接触したら、スロットルをさらに引いて減速します。そして、完全に止まったらスロットルをゼロに戻し、着陸完了です。〉」【本来、ブレーキはランディングギアにつけるものだが、スロットルでやれば、空中でも減速できるからな。便利ではある。】「次に、飛行機の提供についてですが、ここのように長く平坦な道『滑走路』が必要なので、それの準備ができた国に提供していきます。」「滑走路はどれくらいの長さですか?」【空中でもブレーキできるからなぁ、そこまで長さも必要ないにはないが、最低二機は着陸できるスペースがないと、陸上から帰らないといけないからな。】「まぁ、縦に飛行機を三機〜五機並べられるくらいの長さがあれば十分ですかね。ただ、崖に挟まれているとかだと流石に無理ですが、」「なら、少し整備しないとないです。」【地下にあった地図が妙に立体的だったから、ここ以外にはあまり平地はないことは把握済みやから、待機ぐらいはするで、】「まぁ、しばらく待ちますよ。平地なんてほとんどないんですし、」「と言うことで、滑走路の準備ができましたら、また連絡をください。」
〜通信I〜
「〈ディス、アンバサバー。ウォント、ベース、アンサー。〉」〈ディス、ベース。〉「〈ヒューマンディーツー、ハブ、メニー、トランシーバー、アンド、テル、アンノウン、フライング、オブジェクト。〉」〈アンダースタンド。ゲット、オブジェクト、マスト。〉「〈アイシー。オブジェクト、ニード、ランウェイ。〉」〈アイシー。レディ、スーン。ウェイト、マスト。〉「〈アンダースタンド。フォアステート〉」〈フォアステート〉
〜通信II〜
「〈近藤親衛隊へのお取次ぎ願います。〉」〈待機せよ。〉〈電話変わって近藤親衛隊のですよ。〉「〈条件付きで空を飛ぶ『飛行機』を提供するとのこと。『コンドウロード』の準備は完了していますか。〉」〈既に完了しているのですよ。〉「〈了解。コンドウロードの使用許可を願います。〉」〈少し待つのですよ。〉
〜通信I〜
〈アンバサバー、アンサー、マスト。〉「〈ディス、アンバサバー。〉」〈ランウェイ、ユーズ、キャン。〉「〈アンダースタンド。フォアステート〉」〈フォアステート〉
〜通信II〜
〈近藤殿より、『ヒコウキ』での使用許可が出たのですよ。〉「〈了解。これより向かう。〉」
「さて、あとは待ち伏せだな。」「一応、一人乗りの提供する機と、帰還用の二人乗りの機で行くから、シークもハイドも姿を現すことになるんよな。」「行きで提供機に乗っていけば、ハイドの接触は最小限になるかな。」「ん?ワビシアが来た。だいぶ早いな。光学迷彩は既にしてるから黙れば大丈夫やな。」【ワビシア大使は、えっと、そうだ。中井 和だ。危ない危ない、名前を忘れる所だった。】「中井さん。滑走路の方は大丈夫そうでしたか?」「あぁ、滑走路の方は問題ない。」「では、向かいますので、この飛行機の後ろに乗ってください。」「これは?」「飛行機を二人乗りに改造したものです。その分、一部性能が低下しているので、微妙ですが、」【魔法石の燃料要素を配置してた場所に後部座席作ったから、長期飛行能力は落ちたが、その分は魔力増幅機で補っているがな。】「提供する飛行機の方は、後ろを付いて来る感じで離陸するので着陸場所の提示をお願いします。」「分かった。」〈提供機準備完了。〉【さて、そろそろ発進するかな。】「シートベルトを再度確認お願いします。」「大丈夫だ。」「〈先導機、発進する。〉」【じゃあ、スロットルを上げてっと、離陸。】
「あそこだ。」「把握。」【普通に道路やん。まだ使われてはいないみたいだが、絶対に車のために作られただろ。】「〈着陸態勢に移行する。〉」〈把握。5秒後に着陸する。〉【時間差気にしなくても横並びに着陸できる気もするが、まぁ良いか。】【着陸完了っと。】「これがヒコウキのですか。」「らしい。」【やっぱり、既に飛行機の情報が回っている。転生者が通信機器を作っているようだな。】〈提供機、着陸完了。〉「〈把握。帰還機、操縦席に移動せよ。無線機の回収も忘れるな。〉」〈了解。〉「条件については確認しましたか?」「『国で管理する。』『増産しない。』『異常は報告』の三つか。」「くれぐれも安心安全に運用してください。」【ワビシアの様子もとりあえず程度には分かったし、そろそろ帰るかな。】「操縦については?」「連絡があれば、向かいます。」【まぁスロットルと操縦桿の二つしか操作するものないからただ単に飛ぶ程度では難しくもなんともないだろ。】「それでは、」【道路は確認できたけど、陸上車両を確認できなかったな。神ゲーの最初期は陸軍と空軍しかなかったのもあって、空軍をメインでやったから、陸軍にバリエーションがないんよな。】「離陸するぞ。」「把握。」【陸軍としてあるのが、砲撃戦車二種と歩兵戦車二種と歩兵の銃やな。神ゲーだと、歩兵要素がなかったから普通の戦車には機銃が付いているものだと言うのも知らなかったからな。歩兵戦車とか銃は、FPSの『寄り道』で創り上げた奴だからな。】「そういえば、伸樹がエルフの研究していたやつで、ハイドの場合は1を1に変換しただけやが、解析していないはずの井上諒子が作れたと言うことは、0から1を作ることもできるのでは?」「これからは空軍の戦いになるからな。人数が欲しいところではある。」「そもそも、普通の人間の肉体ではなく人工的な魔法科学の肉体も作ることもできるのでは?」「転生者との戦闘では魔力量が大事だからな。」「つまり、魔力量という制限のない肉体を作れると良い訳なんだが、」「それは後として、ハイドとは別にクローンを0から作る実験はした方が良いな。」「将来的に、クローンでシーク部隊みたいなのを作るだろうからな。」「こっちもハイド部隊として、隠密要員作るかもしれんし、」「とすると、次に作るクローンの名前をシークにして、俺はストロング帝国皇帝ということで、ストロングを名前にするか。」