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第9章「探究者」

※「発言など」※【心の声】※[Geegleの音声]※〈無線〉※

 「着陸を確認。風魔法によるブレーキ開始。」「停止を確認っと。ブレーキ機能もつけておかないとな。」「まぁ、スロットルをゼロ以上に下げたら風魔法を前向きに打つ感じにしようとは思うけど、」「そういえば、テスト飛行中に廃墟ながらも、建物があきらかにこの世界じゃない現代風のがあったんだよな。」「それもニホン時代の遺産か?」「行って確かめてみるかぁ、ちょうど風魔法による反作用を走りでも試したかったし、」「そうとなれば、ダッシュでゴー。」

〜無線通信〜

 「ディス、スパイディーツー。ウォント、ベース、アンサー。」〈ディス、ベース。〉「ディテクト、アンノウン、フライング、オブジェクト、ウィズ、マン、アンド、アンノウン、ウー。」〈アイシー。キープ、モニタリング、マスト。〉「アンダースタンド。」〈チェック、ツーアンノウン、キャン?〉「オブジェクト、キャント。オブジェクト、ブレイクド。ウー、キャン。アイ、ユーズ、インビジブルマント。」〈アイシー。フォアステート〉「フォアステート」

 【確かに、現代の建築の廃墟って感じだな。】「屋敷でも異世界としては違和感を感じるドアノブとかあったけど、この屋敷ほどの違和感ではなかったな。」「さて、入ってみるとするか。」【玄関に、寝室、トイレ、洗面台と風呂、台所。まさに、現代のそこらへんにある家だな。国民的アニメとかの主人公の家としてありそう。】「ニホン時代の遺産だとすれば、地下のハッチとかがあってもおかしくはないんだが、どこかに、」「あった。廊下のカーペットの下を見たら普通にあるのな。」「屋敷のハッチの雰囲気とは違う気がするが、とりあえず入るとするか。」【ん?何か声がする。】「何故できない!なぜ、なぜ、なぜ⁉︎」「イメージは完璧なはずだ!下書きの絵も、錬金魔法を駆使してこれほど上手い絵はないぐらいに完璧なはずだ!」【錬金魔法ということは、転生者か?そういえば、和明が復活するとか言ってたのが今年だし、和明なのか?とりあえず、試作銃を作ってから話かけてみるか。】「・・・」【最初の言葉はどうしようか、やや人間不信だったせいで人見知り状態になってたからな。赤の他人に話しかけるなんてなかったからなぁ。くそ、今こうなったのも渡辺麻衣の野郎のせいだ。】【笑、下書きの絵がどうこう言ってたから見てみたら、予想外のエルフが書かれとって笑うんやが、ちょうど良いし、最初の言葉これで良いか。】「エルフ作ろうとしてるのは草」「誰だ⁈」【「誰だ⁈」ってなるまで若干の時差があったが、反応速度遅くないか?】「「我らがストロング帝国の松澤強だ。」」「ストロング帝国。えっと、確かネットのおすすめで出てきた記事にあったギルドだな。ということは転生者仲間か!」「やはりそっちも転生者か、」「初めて、自分以外の転生者に出会ったよ。俺は小林伸樹(こばやしのぶき)だ。見ての通り廃墟の地下に隠れて魔法研究している。それと後ろにいるのは?」「ハイド。俺の脳をコピー&ペーストした奴だ。元の人は、確か井上諒子だ。」「なるほど、既存の人間に手を加えれば良いのか。」「人工エルフの基盤にするのか?」「もちろんだとも!この魔法があれば、可能性は無限。オタクの俺からすると、この世界は最高なわけだ。」「なる、ほ、ど」【「最高」か、我らがストロング帝国のゲームが恋しいな。サーバー間戦争の実装が間近だったというのに。やはり、異世界転生はしたくなかった。前世は安定していた。ゆえに、二度目の失敗も起きることはなかった。】「直接エルフを作ろうとするのではなく、イメージしやすい人間を作ってからやれば、難易度が低下するのでは?」「それで簡単になったら、この下書きでなぜ出来ないのかが謎だろう。」「エルフと人間の外見の違いは耳やら肌の色で明確だし、エルフのイメージ自体簡単だと思うが、それ以外の不明確なイメージを持っている状態な気がする。」「それを排除するのは俺には無理に決まってる。」「オタクだからか。よし、一回イメージを魔法原子の陽子と電子にまで具体化させよう。」「魔法原子?なんだそれ、」「この世界のあらゆる場所にある魔法に反応する電子と分子の総称みたいな感じだ。ちなみに、それらを凝縮して固体化させたのがこれ、魔法石だ。」「ちょっと何言ってるか分からないが、魔法石には興味がある。」【どうせ試作機に使ったし、魔法石の情報ぐらいは開示して大丈夫だろう。】「まず、これに触れていると魔法が発動しやすくなる。なので暴発注意。次に、触れている状態で魔法を打つと、魔法石を消費しつつも、魔法の威力が強化される。また、消費されて凹んだ部分は簡単に修復できる。」「なるほど。」【風魔法石とかも良いか、】「あと、魔法石は酸素にやや変化させると、風魔法のみ打つようになる。一応、一度魔法石を変化しかけにすると、別の魔法に変化させるのは可能だが、だいぶ体力を使う。」「体力?魔力ではなくて?」「ん?一応、この世界での父が魔法は『体力』を使うって言っていたから、体力なのでは?」「転生者の既存の魔力量と魔力向上速度の大きさに比べると異世界人はだいぶ少ないからな。異世界人にはそう思われるだろう。走って体力がなくなった時と、魔法を打って魔力がなくなった時では、症状がそんなに変わらないし、な。ただ、走った時は当然体力(脚力含む)が上がる。でも、魔法を打った時は体力は上がらないが、魔法を打てる量は多くなる。つまり、魔力が上がったということだな。」「なるほど、」【まぁ、何回か体力切れしてから寝たのに、走って体力切れになるまでの時間とか、前世と変わってなさそうだったしな。妥当だろう。】「そういえば、魔法原子がどうとか言っていたが、それも父からか?」「いや、独学。というか、Geegleだな。」「どういうことだ?」「異世界に転生した直後から音声が聞こえた。前世で開発していた奴だな。」【まぁ、開発は大嘘だけど、あんまり変わらないだろう。】「魔法による誤認では?まぁ開発っていうのは嘘だろうと思うけど、」【まぁ開発してるような奴には見えないだろうしな。】「魔法による誤認とは?」「魔法が想像次第でなんでもできる事、俺は魔法自由自在理論って呼んでいるが、それによって深層心理みたいな無意識に意識しているような部分も魔法として発生することによって誤認のことだ。」「でも、実際解析して多数の陽子と電子が空気中にあることを確認したんだが?」「陽子•電子が目に見えるか?」【そうか、解析自体も誤認。そうなると、これまで考えられてきた魔法の仕組みも変わってくるな。ん?だとすれば、明確なイメージは必要ない。動きと見た目が分かれば作れるはずだ、大日本帝国を、ストロング帝国を、ならば零戦•天山•彗星だって大和だって作れる。試作銃も試作機も必要なくなった。必要なのは前世の記憶と厨二病の発想だけだ。さぁ、ストロング帝国の出現だ。】「ということは、試作銃も本物の回転式拳銃にできるってことか?」【早速、回転式拳銃をイメージして作成。できた。】「シリンダー部分、引き金部分、弾丸。それぞれ、魔法石の有無に差がある。ということは、本物が作れたのか?」【的を作成。耳栓も作って装着、伸樹にも渡しておかないとな。】「三二一、てー。」【命中を確認。】「ワオ」「本物の作成に成功っと。」その直後、なぜか強は素早く後ろを撃った。「どうした?祝砲みたいな?」「ずっと一人で隠れて魔法を研究していたのか?」「残念なことに、異世界にオタク仲間はいないようだったのからずっと一人だ。」「ならば、透明の侵入者が居る。」「は?」「後方一メートル付近に足音がした。つまり入り口付近だな。」「ほう。」「それでいて左に寄りかかってるハイドが特に反応しなかったということは見えないということ。」「見えていたら足音以前に気づいているだろうからな。」「ほら、撃ったことで透明でなくなってる。」【しっかりと、ハイドはサブマシンガン構えてる。さすが俺だな。】〈スパイディーツー、アンサー、マスト。スパイディーツー、アンサー、マスト。〉「無線だ、これは英語なのかな?」【こいつが何者なのか情報が集められるかもしれないし、英語で応じてみるか】「〈This is spyD2. Sorry, I dropped my transceiver.(こちらスパイD2。すいません、無線機を落としてしまいました。)〉」〈I understood of you.(私はあなたのことを理解した。)〉【?】「何か言っていたか?」「おそらく、偽物だとバレたんだろう。やはり声が問題だったか?」

   〜???〜

 「スパイディーツー、ロスト!スパイディーツー、ロスト!カントリーディー、ムーブトゥウ、オペレーションツー。」「「「アイシー。」」」「〈スパイディーワン、アンサー、マスト。スパイディーワン、アンサー、マスト。〉」〈ディス、スパイディーワン。〉「〈スパイディーツー、ロスト。カムバック、マスト。〉」〈アンダースタンド。フォアステート〉「〈フォアステート〉」「パイレーツ、ゴー、サウスD、マスト。」「アンダースタンド。フォアステート」「「「フォアステート」」」

 【久しぶりに最速の反射神経を出したぞ。中学あたりでFPSゲームの一環としてサバゲーをやっていて、よく一緒にやる人から「遠近両用突撃兵」「反射神経ゼロ秒」みたいな呼ばれ方をしていた頃を思い出したなぁ。スナイパーライフルと片手打ちできるサブマシンガンを持って敵陣にダッシュする感じだったから、遠近両用の突撃兵ではある。たまに、自陣から狙撃したりしたけど、前線の予想外な場所から敵スナイパーを狙撃したり、乱射しながら突撃したり、疲れはするけど面白かったな。後ろを取られても足音で気づけば振り返って腰撃ちまで一秒未満でやれるし、最強みたいな感じで良かった。コンビニ強盗の時は、疲れてて、ややボーっとしてたから発揮できなかったが、異世界という不明確な場所では警戒せざるを得ないからな。(殺されそうになった時は、怒りでいっぱいだったから、発揮していなかったが)】「さて、確殺でも入れるとするか。」「ゲーマー?」「当然、『確殺』とか言うのはゲーマーぐらいだろうな。俺はそれより上のゲーム中毒だけど。」「なるほど(笑)」「確殺完了っと。あと、魔法についての礼ってことで、ハイドの元になった井上諒子って奴を作ってみるか、エルフの元にできるかもしれんし。脳を1から作るのができないから失敗しているとすれば、成功する可能性があると思うが、」「脳か、確かに人間がどのような仕組みで思考ができているのか分からないからな。」「ちなみに、見た目は小一くらいだけど転生者らしい。見た目と中身一致してないから要注意な。」「俺はオタクだけど、ロリコンではないからそれについては大丈夫。」「じゃあ、俺は井上諒子作ったら帰って錬金魔法で色々作るとするよ。あと、この侵入者はおそらく俺関連だから死体は回収していくぞ。」【死体からは何も分からない気がするけど、透明化していた方法は特定したいところ。場合によっては、次に撃ち殺すのは同じ転生者になるかもしれない。魔力上げとかないとならなそうだな。】

 「転生者との争いとなると、魔力量も重要になるな。」「その上で魔法石の存在は重要だろう。事前に作っておけば、使用時にほとんど魔力を使わずに魔法を打てる。しかも、魔力上げのために魔力を消費するのにも利用できて一石二鳥だ。」「あと、侵入者の透明化の方法の確認もあったな。」「よし、役割分担ってことで、俺が魔法の研究をするから、ハイドが透明化方法の解析をしといて。」「おそらく、このマントだろうし、これの解析をするか。」【さて、転生者との戦いとなると、魔力量が多い方が有利だろう。銃による魔力を消費しない攻撃もできるが、その分銃本体とマガジン等を持っておかないといけないからな。とすれば、重視すべきは魔力量と、アシスト程度の魔法石って感じだよな。なら、魔力量は魔法石作成で頑張るとして、その魔力量を有効活用できる方法が必要だよな。】【魔力増幅機を作れば良いのか!かつて、電力発電として直径の大きい円を電力で回して、それを直径の小さい円に接続して発電するという発電方法を小学校の頃に思いつくも、エネルギー保存の法則に敗れた発電方法だ。でも、運動エネルギー等を魔力で生み出すことができる魔法の存在があれば、科学のエネルギー保存の法則に打ち勝てるかもしれない。】

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