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冒険は武器屋から  作者: 真空
23/78

姉と聖女と武器屋(9)

 7/3 読みづらい個所を訂正しました。

    加えて発見した誤字を修正しました。

 カルの双銃――右手のソルブライト、左手のルナダストはどちらも【無限創弾】という特殊機能があります。どちらもリボルバー式の短銃であり、シリンダー内の弾丸を撃ち終えれば次弾を装填しなくてはなりません。銃なのですから当たり前です。


 しかし、カルの持っている短銃はどちらもシリンダー内で弾丸の創成が可能です。

 一発、弾丸を撃つごとに、空になった薬室には次の弾丸が装填されています。

 それによりリロードによる隙を無くし、その短銃からは永遠に弾丸を吐き続けるわけです。


 しかし、私がカルのために創った短銃がその程度で終わるわけがありません。


「ふっ!」


 短く息を吐き、カルの両手から弾丸が即座に撃ち出されます。

 聞こえる銃声は一発。されど、ライカさんに放たれる凶弾は十発。

 全てが同時に彼に着弾……すると思われたとき。


 また稲光が空間を支配します。 


「あああああっ!!」


 ライカさんのまるで獣のような叫び声とともに、落雷による衝撃波とその電撃が全方位に放たれます。

 周囲の石畳にはひびが入り、周辺の建造物はすでに半壊状態です。


 しかし、一番怖いのはその電撃でしょう。


 雨が降っている中を走ってきた私たちは、全身が濡れているためにその電撃を回避する術がありません。繰返し放たれる雷に対し、カルが実行した対策は実に簡単なものでした。


「【創弾】――【雷耐弾頭(アンチ・サンダー)】」


 稲光が走った瞬間から、カルはその対策を行っていました。

 右手のソルブライトのシリンダーが自動的に一回転し、小さな紅い光を灯します。

 それを見た瞬間に――私に三発、そして自身に二発その弾丸を撃ちこみます。


 弾丸が身体に当たるわけですから当然その衝撃に呻きますが、すぐに弾丸は私の身体の中に溶け込むようにして消えます。

 

 そしてヴァジュラによる落雷の電撃が全身を襲いますが――少し身体が痺れるくらいで耐えることができました。


「あー……痺れるな、これは」

「すみません、私のために」


 右手のソルブライトは、【創弾】時に治癒や耐性といった守護に重点を置いた特殊な弾丸を創り出すことができます。今回は雷耐性の弾丸を創填し、私とカル自身に付与したということでしょう。そのため、落雷による電撃で命を落とすことは避けられました。


 カルは、ライカさんに左手のルナダストの銃口を向けつつ私に話しかけます」


「さすがは【創造武器(アルテラ)】だな。とくに、あの雷は厄介すぎる。あんなのをぽんぽん撃たれちゃ耐性があったとしても危険すぎるな」

「武器の相性が悪いと思いますか?」


 地面に目を向けると、先程カルが撃ち出した弾丸たちが転がっています。カ双銃より発射した弾丸は、すべてあの衝撃波によりその推力を失い、ライカさんに届くことはなかったようです。あの落雷による衝撃波を攻略しない限り、まともに弾丸を命中させることすらできないようです。


「あれに対しては対策がある。……しかしこの場合はどうすればいいと思う?」

「この場合というと……?」


 カルは顎でライカさんの方を示します。

 私は立ち上がり、目を凝らしてライカさんの姿を視認すると、カルの言いたいことがわかりました。


 すでに全身のほとんどの包帯が赤く染まっているのです。

 創造武器が持つ壮絶な力の反動のためか、塞がったはずの傷が開き、夥しい量の血が流れています。すでに、彼の足元には血だまりが出来つつありました。しかし、彼はそれに動じず、俯いて何かを呟いているようです。


「このまま戦闘を続ければ、間違いなく死ぬな」


 カルはそう言いつつも決して狙いを彼から外すことはありません。

 恐らく、最悪の場合は命を奪うことを考えているのでしょう。


「あああぁあああ、ゆうさああああああ!!」


 俯いてたはずのライカさんが石畳を蹴り、一直線にカルに向かってきます。

 私はとっさに、その場を離れ近くの建物の脇に隠れました。

 このまま彼女の近くにいても足手纏いにしかなりません。


「邪魔だああああ!」


 ライカさんは、戦鎚を上段に振り上げ遠心力を利用して一気にカルに振り下ろします。単調な攻撃であるために見切ったのか、カルはそれを最低限の動作で左に回避します。大振りの直後、ライカさんには明らかに隙が出来おり、カルは右手のソルブライトで彼のこめかみを狙い――。


「があっ!」


 その直後、戦鎚が直撃した石畳がまるで破裂するかのように捲れあがり、粉砕された石弾たちが周囲に散らばります。それはまるで地下で何か爆発があったような勢いであり、直撃すれば確実に重傷を負うのは明らかでした。


 とっさにカルはバックステップを踏み、石弾による攻撃を回避します。

 どうやら大きな石弾の直撃こそ免れたものの、小さな破片が全身を襲い裂傷の痕が多く見えます。

 彼女の頬にも、赤い腺のような切傷ができていました。


 ライカさんより十分に距離を取ったカルは、私に向かって大声で言います。


「ルミス、武器説明を!」

「この状況でですか!?」

「この状況だからさ!」


 仕方ないですね……。


 しかし今は大雨、そして大聖堂からは逃げ惑う教徒たちの恐怖と悲哀の叫び声が絶え間なく聞こえてきます。これだけ離れた距離で説明をするには、かなりの大声を出す必要があるでしょう。ええい、面倒臭いので一言で終わらせます。


 私は息を吐き、肺の中の酸素をゼロにすると次に息を吸い込みます。

 そして、叫びました。


「金剛鎚ヴァジュラは、雨天のときのみに真価を発揮する武器です! その魔力性質は【雷】! 威力は極雷魔術と同等、いえそれ以上はあります! 主に空から雷を落とす【落雷】と、戦鎚自体に雷を纏わせる【征雷】のふたつが攻撃方法です! あ、ちなみに彼が戦鎚に触れている限りは彼に雷は効きませんよ!」

「すまん! 聞こえない、もう一度!」


 ああ、もう!

 面倒臭いですね!


「ですから、その戦鎚は――」

「うおおあああっ!」


 黄金の鎚がスパークしたかと思えば、またしても眩い光が視界を奪い、直後に空気が破裂します。またしても落雷による痺れが来るかと身構えますが、そのような状態変化はありません。改めてライカさんを見れば、その戦鎚からは青白いスパークが断続的に見えます。


 そして、彼と私の目が合いました。


 身体がぞくりと震えます。

 彼の瞳からは光が消えていました。どこか虚ろで、生気を感じることができません。

 明らかに異常な状態でした。


「ゆ、うがあああああああ!」

「ッ!?」


 先ほどルミスに放った一振りと同じように、石畳を蹴って高速で近づいきて上段から真っ直ぐに振り下ろされます。勿論、狙いは私の脳天。雨天により真価を発揮したヴァジュラの頭は、蓮の花びらのような鋭利な刃物と形状を変えています。そしてその中心には、まるで槍の先端のように尖っているのです。


 つまり、鎚で潰されるというよりは、槍で刺される。

 そういった表現が正しいのでしょう。

 今、私を襲っている脅威を説明するのであれば。


 私がライカさんの姿を捉えられたのは、その鎚を振り上げたところまでです。

 つまり、すでに、遅い――。

 矛先が私の頭――ではなく、銃声と同時に足元に振り下ろされました。


 見れば、ライカさんの両足、そして両肩には銃撃と思わしき新しい傷が見えます。

 彼の体勢を崩す絶妙な射撃により、私は絶命せずに済んだようです。


 しかし、足元に振り下ろされた戦鎚の威力は計り知れません。

 石畳が捲り上がると同時に、【征雷】の追加効果による雷撃が周囲に伝わります。

 電撃まだカルの弾丸の効果が持続しているために耐えれますが、弾け飛ぶように飛来する石弾はどうにもなりません。精いっぱい回避する努力をしようと身を屈めますが。それでも散弾のように面で襲い来るものはどうにもなりません。


「舐めるなよ」


 声がしたのは私の頭上からでした。

 それと同時に空中より、弾丸たちが降り注ぎます。

 双銃より創られた彼らは、確実に私に直撃する石弾を抉り、砕き、微塵にしていきます。

 そのため、私に当たったのは小石のようなものであり、カルと同様に身体全体に軽い裂傷を負いますが重傷よりはましです。


 カルは私とライカさんの間に降り立った瞬間に、右足を軸にして一回転し、左足でライカさんの鳩尾を蹴り抜きます。女性とは思えない膂力の一撃は、ライカさんの足を宙に浮かせて後方へと弾き飛ばしました。彼は雨で濡れた石畳に背中を強く打ちつけ、動かなくなります。


「大丈夫か? まさか彼にとって脅威である私では無く、戦力外であるルミスを狙うとは思ってなかった」

「…助かりました。それで、鎚についてですが」

「雷を落とす攻撃と雷を纏う二種類の攻撃だな。雷を自在に操るという点から考えても極雷魔術と同等以上の厄介さがありそうだ。それに、自分が持ってる鎚に雷を落としても平気そうな様子からして、雷は無効化されているように見える。他にあるか?」

「……十分ですよ」


 どうやら自分でそこまでは判断出来たようです。

 私、必要ないじゃないですか。

 ま、それでも一応他の情報もカルには伝えておきましょう。


「雨天のときに真価を発揮か……。なぜそんな設計を?」

「雨季に出没する魔物を効率よく倒すために、雷の膨大なエネルギーを利用するために考えた……のではないでしょうか」

「ふむ……。つまり、雨がないときはあの錆びた状態に。雨が降るとあの黄金の状態になるわけだな。それに加えて、あれには【狂気】だとかの性質はあるのか?」

「ありませんよ。……ですから、今のライカさんの状態は私には判断がつきません」


 視線の先には、ゆっくりと鎚を杖がわりにして起き上がるライカさんの姿がありました。まるで人間ではなく、糸が切れそうな人形のような危うさを感じます。その表情は、先ほどと同様に生気を感じられず、狂ったように激情を露わにして叫んでいたことが信じられません。


「あの様子からして洗脳されているんだろうか」

「どうでしょう……。私には暴走しているように見えます」


 ライカさんは再び戦鎚を両手に持ち、上段に振り上げました。

 しかし私たちから離れたその位置では、雷撃も石弾さえも届きません。何をするのかわからず、呆然と眺めていると戦鎚を振り下ろしました。すると、先ほどまでは両脚で鎚の反動で耐えていましたが、今回はすでに足腰に限界が来ているのか、鎚の頭が支点となってライカさんの身体が宙に浮きます。いえ……宙に浮き、私たちは全く別の方向に飛んでいきました。


「なっ……!?」

「に、逃げたんでしょうか……」


 すぐにライカさんが飛んで行った方向を見ると、彼の小さな後姿が見えました。同じように建物や地面に鎚を叩きつけることで加速しているのか、すごい速さです。

 しかし疑問が生じます。

 逃げたのであれば、一体どこに? そもそも正気じゃない状態で逃走?

 これはカルという人間との戦いを回避したのではなく、何か目的がある移動だとしたら? 


 ライカさんは言っていました。自身に対峙するカルのことを『邪魔だ』と。

 つまり他に目的があるということです。


 私は、彼が飛んで行った方向に何があったか街の地図を頭に思い浮かべて考えます。そして、ライカさんが何をしようとしているのかを探ります。仮に、これが彼の暴走だとしたら? その手に入れた力を何に使おうとする? 大聖堂を半壊にし、災害と等しい力を手にしたら何をする? 彼の感情は、心は、魂は、何をしたい……?


 ライカさんとの面会を思い浮かべ。

 彼の激情を思い出し。

 そして、彼の言葉が脳内に繰り返し響きました。


「あっ……もしかして……」


 私たちがいるこの大聖堂前。

 そしてライカさんが移動している方向。

 そして彼自身が抱えている感情。

 

「そうです……。彼が向かっているのは勇者学校です。間違いありません」

「勇者学校? 異世界から来た勇者たちのための教育機関……だったか?」


 異世界に来たばかりの彼らは、この世界の言語すら理解できません。そして戦いの経験が無い状態では、あまりにも危険がすぎます。そのため、冒険者の有志により結成された機関こそが勇者学校です。勇者のための、勇者を育成するための学校。


 そこには、紛れもない勇者の卵たちが多く在籍しています。

 昼下がりの今も多くの子どもたちがそこにいるでしょう。


「ライカさんの目的はキョウヤへの復讐です。しかし、暴走している彼にとっては勇者という存在自体が復讐の標的になっているんですよ」

「……ちっ…」


 カルは私の言葉を聞くと、怒りを露わにした表情をして走り出しました。

 恐らくは遠くに見えるライカさんを追撃するつもりなのでしょう。


「【創弾】――【強化弾頭(フィジカルアップ)】」


 ソルブライトより、自身の身体能力を一時的に強化する弾丸が撃ち出されます。

 それがカルの胸元に沈み込んだと同時に、彼女自身が走る速度が目に見えて変わりました。私が声をかける暇も無く、カルの背中は遠く離れてしまいます。


 ライカさんのことはカルに任せるしかないでしょう。

 私は建物の陰を出て、大聖堂へと目を向けます。


 運が良かったのか悪かったのか、雨のおかげで火災はすでに鎮火手前の様子でした。

 この聖堂前の大広間には、逃げ出してきた教徒たちがいます。

 ある者は大聖堂を呆然と見上げ。

 ある者は地面に手を着いて項垂れ。

 ある者は必死に祈りを捧げているようです。


 しかし、そこにあの聖女の姿はありませんでした。

 もしや逃げ遅れた……?


「あら、まだいたの」

「ひゃうっ!?」


 耳元のすぐそばから声がして、驚きのあまり変な声が出てしまいます。

 慌てて距離を取って後ろを振り向けば、部屋で着替えた服と同じ格好をしているシシルがいました。しかし、あの大聖堂から避難していたために、露出した肌の多くには黒く煤けた汚れが見えます。その長く美しかった白髪も、灰色のような色となっていました。


「な、なんでここに……?」

「この姿を教徒たちに見られるわけにはいかないじゃない。だから、別ルートから脱出して来たのよ。それより、あの包帯男はどこに行ったの?」


 包帯男。

 ライカさんのことでしょう。


「彼なら恐らくは勇者学校へ向かっていますよ」

「勇者学校? じゃあ、目的は異世界人たちってこと? まったく、面倒臭いわね…」


 それだけで十分だったのでしょう。

 シシルは立ち去ろうとします。


「ちょっと待ってください」

「何よ……。見てわからないの? これでも一応教会の責任者なんだから、大聖堂をあんなにした奴を放っておけないのよね。だから急いでるんだけど」

「そっちにはカルが行ったのでしばらくは大丈夫だと思います」


 シシルは何か言おうとしたのでしょう。

 しかし、その瞬間に稲光が遠くに見え、街中に雷が落ちたことがわかります。どうやら、カルとライカさんが再度衝突したようです。位置はまだ勇者学校から離れているため、少しは時間が稼げそうです。


 ならば、シシルに訊きたいことがあります。


「どうしてあれを彼が持っているんですか?」

「それ、今言わなきゃいけないことかしら。あなたのお姉さんが孤軍奮闘しているようだし、助けに行くのが先決じゃないの?」

「カルなら大丈夫です。それよりも私の質問に答えてください」


 シシルの目つきが鋭くなります。

 聖女とは思えない眼光、そして重圧が再び私を襲います。


「それなら私も訊きたいわ。どうして、包帯男が持っている鎚と、私が見せた鎚が同じ物だとわかったのかしら? 形状からして全く違うわよね」

「……最初から、あれが創造武器であることはわかっていましたよ。どうやら、あなたは私を試していましたよね? これ以上詮索されたく無かったのでわからないふりをしました」


 私の言葉を聞いて、とシシルは鼻で笑います。


「舐められたものね。それで? あの武器はなんていうの?」

「知らないんですか? 私を試すためにあなたが用意したのでは?」

「かなり前にね、行商人が売っていた武器の中にたまたま見たことがある戦鎚があったから買ったのよ。……彼以外が、あの武器を使うのは許せないし。倉庫にずっと保管してたから、まさかあんな姿になるとは全然知らなかったわ」


 その言葉に嘘は無いように感じます。

 私は金剛鎚ヴァジュラという名前だけは隠し、その性能を彼女に伝えました。この後戦闘に参加するのであれば必要な情報でしょう。


 シシルはそれを聞いて、呆れるように肩を竦めます。


「なるほどね。あいつらしい、滅茶苦茶な武器だわ」

「それで、どうして盗まれたんですか?」


 盗まれた、という言葉に表情を歪めますが、すぐに溜息を吐きます。

 時間が無いのはお互い様なのでしょう。やや早口で説明を始めました。


「いきなり、私の部屋に現れたのよ。あの包帯の男と異世界人の男が」

「現れた……? もしかして、【転移】の魔術?」


 私の言葉に「多分ね」とシシルが答えます。


 包帯の男はライカさん。

 そして異世界人の男は間違いなくキョウヤでしょう。狙われていると知りつつも、まだ街にいたとは驚きです。しかし、それ以上に驚きなのはキョウヤが転移してきたことでしょう。腕が立つ武器職人の勇者かと思いきや、転移魔術を使いこなすとは……。しかし、あの船上から姿を消したのも納得がいきます。あの薔薇の花びらに紛れて自身を転移させたのでしょう。


「もういいかしら? 私は行くわよ。落とし前はつけないと」

「はい。カルのことをよろしくお願いします」


 シシルは、ひらひらと手を振って、教徒の目がつかないように裏路地を走って行きました。 

 すでに前線を退いたとはいえ、最強の探究者である彼女を心配するのは余計なお世話というものでしょう。


 しかしこれではっきりしました。

 今回のライカさんの暴走もキョウヤの差し金だということ。

 前はライカさんを使って、自分の武器の業を私に伝えてきました。今回は、ライカさん自身を暴走(・・・・・・・・・・)させて武器にしているのでしょう。


 全くもって悪趣味な方法です。


 しかし、キョウヤが転移ほどの強力な魔力を有してるのであれば、それ以外の魔力は弱くなるはずですし、ライカさんを暴走させているのは何らかの道具……いえ、キョウヤの武器である可能性が高いでしょう。


「だとすれば……」


 私は雨の中を走り出しました。

 目指すはカルとシシル、そしてライカさんが殺し合っている戦場……ではなく、自分の店です。 

 私は足手まといになるだけですし、現状では何の役にも立てません。

 そう現状では。


 キョウヤの武器がライカさんを暴走させているのであれば。

 その暴走を打ち破る武器を創るのが私の役目です。


 倉庫にある素材、限られた時間、そしてライカさんを暴走させていると考えられるキョウヤの武器の性質。

 それらをすべて考慮して、私が創れる武器を考えます。


 私は、私だけができる私の戦いを始めました。


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