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名もなき

作者: 月白 深夜

この想いを何と名付けるのか

私にはわからないけれど

好きという言葉よりは


重く醜く歪で


きっと

死に近いものでしょう



臆病な私は

貴方のためにすべてを擲つことはできない

貴方の愛だけあればいいと叫ぶ小説の主人公にはなれない


けれど


貴方のいない道を進むことはできない

灯のない夜道を延々と歩くように

暗闇に沈んだ道の先に絶望し

いつしか膝を抱えて泣きじゃくる



本当に怖いのは好きになることより

嫌いになれなくなることで


正しい言葉は見つからないけれど

貴方は何より必要なもの

何より欲するもの

何より愛しいひと


貴方のためにすべてを捨てられない私は

貴方を失いすべてを失うでしょう

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