表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の化身となりました  作者: レモングラス
4/35

4話

『それにしてもお前は不思議な人間だな。異世界から来たとか、俺達の声が聞こえるとか…。おい、いつまでそうしてるんだ。』

『だって、レナったらとても良い匂いがするんですもの。甘くて蕩けるような…。』


黒い彼が咎めるように鼻先を白い彼女へとぶつける。けど彼女は私から離れようとはしない。

さっきから彼女は私の匂いを一心不乱に嗅いでいるけどそんなに良い匂いがするのだろうか。

試しに彼女が鼻先を埋めている反対側に顔を埋めて臭ってみても私にはなんの甘い匂いも感じられなかった。

むしろ緊張で汗がたくさん出たからなのか若干汗くさい…ような…。

これ以上臭っても意味がないと思い彼女を左手で撫でているとふと視界にフサフサと揺れ動く黒い尻尾が映った。

彼に目を向けてみれば私のことをジッと、まるで餌をねだるかのような目で見てくる。


「どうしたの?」

『…に、匂ってみても、いいか…?』

「え?あーうん、どうぞ。」


そんな今にもクゥーンと鳴きそうな目で見つめられたら断れるわけないじゃないか!!

彼は彼女が占領している所とは反対の首元に恐る恐る鼻先を近づけてスンスンと匂いを嗅ぐ。そして彼女と同じように青い瞳をうっとりと細めた。


『あぁ…確かに良い匂いだ…リューン様を思い出す…。』

「リューン様…?」

『そう!!どこか懐かしい匂いだなぁ思ったらリューン様の匂いにそっくりなのよ!!』


彼女の興奮した声が頭の中に響く。やっとこさ顔を上げた彼女はその真紅の瞳で私の顔をのぞき込んだ。

黒い彼はまだ私の匂いを嗅いで悦に浸っている。さっき彼女を咎めていたとは思えないほどの変わりっぷりである。

ところでそのリューン様とは一体誰のことなんだろう。様って付いてるから偉い人なのは確かだ。


『リューン様は私達を創ったこの世界の神様よ。』

「ほおお。て、神様と私の匂いが似てる…?」


リューン様って私が匂ったら若干汗くさいの…?と一瞬思ってしまったが神様とあろうものがそんな汗くさいわけないよね。

というかこんなことを考えていたら神罰が下ってしまう。いけないいけない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ