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意味が分かると怖い話

作者: 雨宮翼

 ざわざわと騒がしいとある居酒屋。

 俺は同窓会で数年ぶりに会った友人二人と談笑していたんだ。

酒も入って気分もよくなり、久しぶりに会ったにも関わらずプライベートのことまで深く話していた。

 そんな中、居酒屋のテレビからニュースが流れてくる。

 都内のマンションで性別不明の焼死体が発見されたそうだ。刃物で刺殺した後、ガソリンをかけて焼いたらしい。

 

「また殺人事件かいな? 毎日毎日見るたびに気が滅入る」

 

と友人B。酒がまずくなるとか言いながらもグラスのビールを煽る。

 不意に、友人Bはニュースを見て思い出したのか昔話を切り出した。


 「そういえば『消えた山田くん事件』って覚えとるか?」


 友人Bの質問に俺と友人Aは「あったなそんな事件」と笑い出す。

 俺は皿に盛られた刺身を食べながら昔の記憶を掘り起こす。


 「小学校の林間学校で青いヘルメットを被った兵士を見たって騒いでた山田くんが次の日消えたってやつだろ? 幽霊とか小学生だったから正直ビビってたわ」

 「そうそう。あんときクラス中で探し回ったなぁ。実際は煽られて夜正体を暴きに宿舎を抜け出してそのまま外で寝ちゃってただけだったよな」


 煽ったのは実は自分だったスマン、と友人Aは俺たちに軽く頭を下げる。

 俺は意外な事実に少し腹を立てる。


 「煽ったのお前だったのかよ。ったく、山田くんも無事だったからよかったものの、何かあったらどうしたんだよ。あの後知ったんだけどあの付近で殺人事件起こってたらしいんだぞ」

 「げ、マジか。いやー、何事もなくてよかった。もし山田くんが事件に巻き込まれてたらテレビの男みたいになってたかもしれないしな」

 「そうそう、本当何事もなくてよかったぞ。つかお前実は悪いって思ってねーだろ? そんだから奥さんに逃げられるだぞ」

 「余計なお世話だ! あ、店員のねーちゃんビールおかわり」

 「お前飲みすぎじゃね? と言っときながら俺もおかわり。生ジョッキ大でよろしくー。Bお前はどうする?」


 俺はBにおかわりを聞いたがBは答えない。視線は空のジョッキに釘付けだ。

 まだ事件のニュースは続いている。喧騒でとぎれとぎれにしかテレビの音は聞こえないが、Bは必死にテレビの音を拾っているように口を閉ざしたままだ。

 酔っ払って気分でも悪いのだろうと、俺は親切心で店員のおねえちゃんに水も一緒に注文した。


これ気づいたら自分はどうするんだろうと自問自答するけど、たぶん無視するんだろうなぁと。なにせガラスのチキンハートですからwww

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