詩って、なんなんだ?
先に思考をドバ~っと書いてから、詩を書きます。しかし、思考は詩にはならないのか。詩って何なのだろう。そんな事も思います。
詩って、なんなんだろ?
死って、なんなんだろ?
痛みがなければ怖くない……?
知ってるんたろ、答を────!
死ぬのが怖い。そんなの当たり前のことだ。そんな私の気持ちなど知らずに、輪紋あざらしのぬいぐるみは真っ直ぐ北を向いている。
もし、痛みのない世界なら、死ぬのは怖くなかっただろうか。そもそも、死ぬことが怖くない世界など、生きてて面白いだろうか。
いくら食っても腹の痛みを感じないなら食に走っただろうか。はたまた美容整形に走っただろうか。
腹一杯のはち切れんばかりの苦しみも、感じ方によっては後悔の中にある幸せだ。美容整形はやったことがないから分からない。人生の壁にぶつかった時の痛みや、仲良くしたい人に出会った時や別れた時の痛みもないと考えると、なんとも味気のない世界だ。痛みのない世界は、死ぬことが唯一の好奇心に成りそうだ。
人は痛みがないと簡単に滅びるんだろうな。赤ちゃんを産むときも、麻酔をかけても痛さや怠さ、育てる過程で痛みを伴うし。
そんな事を思う。思ったところで輪紋あざらしの向きは変わらない。当然のように本棚の上を陣取っている。
◆
ぬいぐるみの輪紋あざらしは北向いて
「死など恐れぬ」言うような
すまし顔
痛みなければ怖くない?
腹一杯の後悔も味わえぬ
出会い別れの痛みも知らぬ
そんな世界は『死』が好奇心
なるだろな
人のいのちは
痛みとともに
産まれ出ず
母語る大袈裟な痛みの記憶思い出し
本当なのか、腹からスイカ
疑問は未だ謎のまま
扇風機の風吹く部屋
冷たい風が皮膚をすべる
これも痛みだ
ぬいぐるみの輪紋あざらしは北向いて
「当たり前だろ」言うような
すまし顔
これは果たして無駄な時間か
問う私
少しだけ胸の痛みを感じては
後悔の幸福を感じてる