Q&A3+α
なんかこの主人公いっつも驚いてんな…
「陰陽師特務第12班隊長 神木マイ。 以後、お見知り置きを。」
吹き荒れる風の中、とてつもない暴風で人の声など聞こえないはずなのに、その声は自分の耳に良く吸い付いた。
「陰陽師…?よくあるゲームみたいな…?」
「ああ、大体そんな感じの認識であっている」
神木はそう言うと手に持っている筒を見せてきた。
「これは木混一式、朝お前の首を切りかけた物だ。」
「これが…!」
「これで妖や怪異、あと"条"も解くのに使ったりする。」
「条を解く…?」
ここに来て新情報だと!?もうあの一閃だけでもお腹が1杯なのに!?。
そんな顔をしていると神木は察したのか、説明し始めた。
「条とは条約の様なもの。ざっくりゆうと自分に課すルールやその場のルールのような物ね、理解した?」
「まぁ何となく…」
「それを使ってこんな事も出来るわ。」
神木はポケットから木の破片を取り出すと、それに向かって息を吹いた。
吐息で飛ばされた木の破片が力無く地面に落ちる、すると落ちた所から何かが盛り上がってくる。」
「んな…!?」
屋上のコンクリートからだんだんと、まるで蝉が土から出てくるみたいに、現れたそれは。
「神木が2人…!?」
地面から這い出た神木は全く同じ制服、同じ姿をしている。
「ーーとこの用に自分の形代が創れる、これに使役した妖、もしくは式神をいれて動かすの、朝の時点からこれを使っていたわ。」
「まじか…」
それじゃあ授業サボれるじゃんと思った事はさて置き、今思った疑問を口にする。
「何でそんなに教えてくれるんだ?」
「無論、今回の任務に利用する為だ。」
「ーーーん?」
ちょっとどうゆう事だか…
「利用するって具体的には…?」
「妖狩りに。」
「………ちょっとどうゆう事だか…………」
「お前ーー甘地木正晴は恐らく吸収タイプの半妖だ、その証拠に夢の中での戦闘が挙げられる」
「そう…なのか…」
遠回しにお前人間じゃないって言わて自分は特別な存在なんだ…!!とはならないな……
「その能力があれば"魔鏡伯"討伐に役立つかもしれない。」
…魔鏡伯?
「それってだ」
プルルルルルル
それって誰だ?と聞こうとした時、神木から呼び出し音が聞こえる、
途端に神木から表情が無くなる。
「・・・もしも」
「ちょっとたいちょぉ〜〜〜〜〜!!何一式使ってるんですかぁ〜〜〜!!!」
少し離れていても耳を塞ぎたくなるぐらい大きい声、神木は無表情のままだ。
「・・・信用してもらう為に使った。」
「だからと言って対大型妖怪討伐技使わないでください〜〜!もっと他にも技あったでしょ〜〜〜〜!」
少しだけシュンとしている神木を見て少しだけ同情する。
「神木、お前仲間がいたのか?」
「隊長だからな、部下はいるさ。」
「その部下は絶賛上司尻拭い中ですけどねぇ〜〜〜!何とか誤魔化す裏工作をするのも大変なんですからねぇ〜!!」
「・・・いつもすまない、凛」
「ッ!!!…もう!今回だけですからねぇ〜!!」
なんか随分と分かりやすい子だな…と言うか心無しか空気が重くなったような…
「・・・でも、収穫はあった。」
「・・・なんの収穫ですか?」
「1つ、吸収タイプの半妖が味方についた。」
「ーてちょっと!まだやると言ったわけじゃーー」
「え!吸収タイプ!?激レアじゃないですかぁ〜〜〜!!たいちょぉやりますね〜!」
…もう決定しちゃったみたいだ……
「後もう1つ」
「何ですかぁ〜〜〜?」
「魔鏡伯に捕捉された」
「「・・・・・・・・え?」」
次の瞬間、足元が割れた。
それはまるでガラスが割れていくように、
だんだんと亀裂が入っていく、亀裂から紫色の光が漏れ出ている。
「凛、これから家に引きずり込まれる、条解の準備を。」
「たいちょう!?!?ちょっとーーー」
その瞬間、床のが完全に割れた。
「悪いな正晴、協力してくれ。」
落下する瞬間、ふとこう思った。
・・・・一つだけ言わせてくれ。
「何が起こっているんだーーーー!!!」
「たいちょ〜〜〜〜〜〜!!!」
奇しくもその2人の声は、神木には届かず、そのまま神木と甘地木は深い闇の中え吸い込まれていくのだった。
木混 一式 1412年に初代鷹が考案した製法で造られた対大型討伐用携帯神器 長さは15cmで見た目は木の棒に見え、両側に穴が空いておりそこから気力と大地の力をあわせて穴から様々な形態変化が可能、そして穴から圧縮した風を出すことが出来、当時の最高火力を誇る多重式神砲を遥かに凌駕する瞬間火力が出る。1432年に木混 一式を用い廻炎、土入道を討伐、だが一時的に大地から力を注ぐ構造上、並の陰陽師が使おうとすると体の内部から体の組織を破壊し、死に至らしめる。木混 一式を使用し廻炎、土入道を討伐した3代目神木は二回の使用後、一命は取り留めたか2年後に死去、以来木混 一式は他の木混 合計4器と一緒に神木家に厳重に保管されている。