いつもと変わらない日常(そこそこイレギュラー)
尚大体ガバガバなのはご愛嬌ってことで...
夢を見ている
いつもと同じ夢 いつもと変わらない夢 いつも見ている夢 。
足下にはカビ臭く 濁り 何かが混ざっている 少しドロッとした赤黒い血 、そして真っ暗な空間だけが広がる。
初めて見た時、此処は地獄かと面食らった事を覚えてる。
「さてと」
手を握りこむのを繰り返し 軽くストレッチし 深呼吸を1回する。
何回も嗅いだこの刺激臭、鼻が腐り落ちそうなこの匂い、胃酸がせり上がってくるこの感覚
「もうこの匂いにも慣れたな。」
せり上がってくる感覚を押し込み、背後を振り向く。
何回も感じた この刺すような視線
「お前は3日前に食べた奴だったっけ?」
その瞬間 真っ暗な空間よりなにかが現れた。
カマキリ
しかし体がデカく 大型トラックぐらいあり 不自然にも左右大きさが違う鎌 そして体が黒く 所々 どげのように鋭い針がはえている。
その両目はさらに暗く、深淵を覗いているかのように暗い。
心なしかそのカマキリは 怒りに震えているかの様に鎌をぶつけ合っている。
「こいよ芝刈り野郎」
そう言い臨戦態勢を取る。
向こうもカマキリらしく体を左右に揺れている、相手との距離感を測っているのだ。
少しずつ自分もすり足で近づく
だんだんと距離を縮め、鎌のリーチに後一歩 そこですり足をやめた。
お互いの間に緊張がジワリと滲む。
一瞬、それか間も無くだろうか。
互いに一歩踏み込み そしてーーーーーー
「こら正晴!!!!いつまで寝てんだい!!!!!」
「ぅえ?」
気がつくとさっきの場所では無く、毎日聞いている怒鳴り声で目を覚ました。
「もう7時半だろ正晴!!いくら学校から近いといっても遅刻するだろう!!!!ほら早く着替えておいで!朝ご飯が冷めちゃうよ!!!!!!」
「え?あ、」
まだ少しボーっとする頭を起こしながら時計に目をやると、丁度ジャスト7:30だった
「まったく、寝坊助なところはおじいさんにそっくりだよ。ばあちゃん味噌汁温めてくるからね」
そこで部屋からばあちゃんがでる。自分は制服に着替え用とした時ーーーー
「そうだ!!栗ちゃんがリビングで待ってるわよ!!!!」
「うぉぉぉおえぇぇ!?」
部屋の扉がいきよい良く開かれる。
突然の事にびっくりしたがそれ以上に
「月栗がきてるのか!?」
「今リビングにいるよ。あんまり女の子待たせんじゃないよ」
ばあちゃんが二マナマしながら再度扉を閉める くそ、絶対確信犯だ。
それからものの2分で着替え 二階から一階に降りてリビングに行く。そしてリビングの扉を開くとそこには
「おはよう、正晴君。」
「おぉ..おはよう」
リビングの椅子に座っている 薄い栗色の髪の毛の少女 幼馴染 水沢 月栗がいた
「ほら、二人共、たらふく食べな」
そう言ってばあちゃんは2人前の焼きシャケと漬け物 そして白米と味噌汁を持ってきた
「いいんですか?清子さん」
「栗ちゃん今日何も食べずに来たんだろ?ごめんねぇ、ウチのボンクラ息子のために」
「ちょっとばあちゃん!」
ヒヒっと笑い 素早く台所に洗い物しにいったばあちゃんを追うのをやめ、小さく溜息を吐きながら大人しく食卓についたのだった。
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「「ご馳走さまでした」」
「月栗、食器持ってくよ」
「いいの?でも申し訳ないし」
「家んちだからいいっていいって」
ありがとね。と月栗からお礼と食器を受け取り 地味に重い二人分の食器を運んでばあちゃんに渡す。
「はい弁当」
「ありがとばあちゃん」
食器と交換して弁当を受け取り 鞄に入れる
「いってらっしゃい」
「いってきます」
「朝ご飯美味しかったです ありがとうございました。」
ありがとねと月栗に言い見送るばあちゃんにいってきますと 言った後、通学路を二人で歩く
「清子さんの料理、美味しかったね。」
「そうだなー」
「もう、正晴君は本当に食に興味ががないよね。」
暫し二人の時間が流れる
「俺だって食に興味あるよ」
「そうなんだ!じゃあ例えば何に?」
その言葉に少し解答が詰まる
「そうだな...例えば・・・・・」
月栗は興味深々に自分の解答を待つ
まだ少し眠い頭で考える。
オブラートに包むのであればーーーー
「誰も知らない味 かな。」
「正晴君アニメの見過ぎだよー」
「何でだよ」
人っ子一人いない道で 毎日学校までの間に話す他愛ない会話、それでも絶対に大切な青春の一ページ その時間をただ噛み締めてーーーーーー
「ちょっと君」
「?自分ですーーーー」
あれ?まわりがゆっくりに見えーーーー
「正晴君!!」
「!」
ビタっと何かが首筋に当てられる。それが刃物だと気付くのに時間はかからなかった
「あの、なんの用で」
冷や汗が止まらない。こんなにも唐突に殺されかけるなんなんて、冷静なフリするだけで精一杯だ。
「ーーー違うか。"アレ"が人と仲良出来る筈がない」
いつの間にか首筋に当てられた物がない、それどころか両手には何も持ってなく、先程のは幻かと思うほど 嘘のように静まり返っている
ならこの首のキズは?と思考を巡らせているとー
「すまなかったな。正晴と言うもの」
見た感じ自分と歳は変わなさそうな白髪の少女は謝罪してきた
「あ...ああ」
ただただ目の前少女の謝罪を受け取り、返事を返すことに精一杯な自分が返事を返すと彼女は踵を返し歩く。
自分と月栗は茫然と見送ることしか出来ない
が、途中で彼女の歩みが止まる。
また踵を返し こちらに戻ってくる。
「!月栗逃げるぞ!!」
「あ、うん!」
自分と月栗は正気に戻り、全力で走りはじめた。
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「...いっちゃったか。」
彼女は走り去る彼らを見ながら そう呟やいた。
「彼らに聴きたいことがあったのに...」
丁度よく、彼女が持っていた携帯が震える。
彼女は顔色一つ変えずに電話を取った
「ーーもしもし!?たいちょー!」
電話から少女の声が大音量で聞こえくる。
「たいちょう!!急に飛び去らないで下さい!!!心配したんですよ!?」
「・・・試しに"索敵"をしてみたらただならぬ妖気を感じた。その近くに一般人が居たから直ぐに向かったんだ」
「えぇ〜〜〜!大丈夫でしたか!?その人!!」
彼女の通話相手の声が周りに漏れる ただでさえ静かな道なので通話相手の声がよく通る。だが彼女の声は誰よりもよく通りーーーー
「いや、人に義体している半妖だった」
「じゃあ倒しましたか?」
「いや 倒してない」
「!?何でーー」
「友好型であると判断した」
「・・・神木たいちょーが言うんであったら...」
「それで踵を返してそっちに戻ろうとしたところ 話を聞くべきだと思ってな。振り返って彼らに近づいたんだ」
「・・・それで?」
「何故か逃げられてしまった」
「おおかたたいちょーが武器突きつけたからでしょ〜〜〜〜!!」
「その通りだ」
「その通りだじゃあいですよ!!何してるんですか!!!」
「心配ない。ちゃんと話はする」
「?どうゆう事ですか」
「偶然にも潜入先の学校の先徒だからだ」
「・・・・・・大丈夫ですか?」
カマキリさん「解せぬ」
月栗さん「別に食い意地張ってるわけでわないですよ!?」
神木「何故にげた」
凛「それはたいちょーがぁ!!(以下略)」