喫茶店とピンク色の
今日も緑色の電撃が流星のように大都市の中を駆け巡る。
標的めがけてどこまでも高速で移動をおこなう。
一瞬通り過ぎる電流が起こす風圧にドロシー フォードはかぶってる魔女の帽子、先端には丸い緑色の物がついていて背中に大きな絵具の筆を担ぐ。
たまたま見かけた小ぢんまりした喫茶店に立ち寄って席に座り多少優柔不断になりながらも珈琲とその他一つを注文する。
しばらくして珈琲を出される。水面にはドロシーの顔が映っていてもやもやしている表情を鏡のように浮かび上がらせていた。
ナゾ子、そして亡くなった友人のカナイ。胸に隙間風が漏れ出している気分で暖かい飲み物をすすってもすぐに冷却される。
店のオーナーが溜息ばっかりつくのを見て思わず声をかけた。
「お嬢さん、悩み事ですかな。自分で良ければ聞きましょう」
「いえ、簡単な問題じゃないので大丈夫です。ありがとうございます」
この世に非現実的な魔法や処刑などが絡んでるので、安易に話せるわけもなく。
特に意味も無く携帯機を見て時間を潰す。まるで意義の無い時間だけが無駄に流れる。
このお店特有のアイスクリームをドロシーにサービス。申し訳なさそうに喜んで携帯機を置いて食す。
カランコロン、扉が開いて一人の女子高校生が入ってくる。鋭い目つきに見合わないピンク色の髪、からのアホ毛が動く度に動作を起こしている。
「マスターやっほ。女子高校生の恋のお悩み聞いてよ」
「とか言って本当は何か奢って欲しいんでしょう。いつものパターンです」
えへへ、と何故か照れながらドロシーの隣のテーブルがある席に座り込む。
妙な子が来たなと思いながら絡まれないようにアイスクリームを一口。
マスターがコップを拭きながらピンク髪の女の子見て笑顔になる。
「そういえば女声同士なら分かるんじゃないんですか? そこの魔女風のお方」
「へ!? 私?」
まずい。間違いなくこの女の子と会話する事になる。という具合だ。
用事思い出したなーと嘘をついて財布を取り出しながら会計を済ませようとするが、ピンク髪の子が肩を組んで悪い表情でドロシーに絡みだした。
「とか言って本当は聞いて欲しいんでしょ? 5分1000円で聞く」
振り払って「じゃあ結構です」とお金を置いてここを出ようとした。
「待って、魔女さん。貴方は本当に魔女なんでしょ? やっぱりお金なんて要らないから、私の話を聞いて」
空気が凝り固まる。どんより重い。
振り返って真顔で少女の顔つきを見た。
「私は有栖川歩美。最近この辺に引っ越してきた、自分も魔法を使える人だ」




