コンテンツの終わり、ナゾの始まり
contents.は咄嗟に身体の周囲にシールドを張るも、物の数秒しか持たず光の槍で額のエメラルドを貫かれてしまう。
粉となった宝石と共に形を維持するだけのエネルギーを失い、ただの瓦礫の山となってしまった。
何が起きたのか分からなかった雷太はただ呆然と立ち尽くすしか無い。
ビルの屋上にやり切った顔で荒れ果てたこの大都市を見るドロテアは、風音に何か言おうと振り向いた時には姿は無かった。
自由勝手な奴だなと思いながらもほうきに跨って地上へ、雷太の後ろに舞い降りる。
「お前はこの機械だった奴を友達と言ってたけど、これで良かったのか? 雷太、また友達失ってよ」
何かを拾う事に集中して気づいていない様子。その言動が気になって見てみると、残ったエメラルドの残骸をかき集めていた。
「なあ、拾って何するつもりだ」
「関係無いだろ。それによ、まだコイツを失ったわけじゃねえ」
首を傾げて疑問に満ちた表情を浮かべた。普段はただの変態だがやる時はやる、そう確信しつつ少しだけ期待を勝手に膨らます。
概ね拾いきった所で入れ物がないのでドロテアのバッグに強引に押し込む。
「雷太はこれからどうするんだ? わたしは復興の為に尽力しなきゃいけないが」
「……特に無いな。ドロテアの手伝いでもしてやるか」
凛々しい表情で頷いて再びほうきに跨る。飛び立とうとした瞬間、辺りがほんのり暗くなった。
ドロテアが瞳孔を小さくする。指を差して。
「後ろ! 後ろなんかいるぞ! 包帯したへんな奴!」
恐る恐る言われた方向に顔を向けると、両目を包帯で包んでまるで正面が見えてないような銀髪のこれまた魔女がいた。
電撃の能力を使って一瞬でドロテアの横へ、魔女から距離を取る。
「お前! ドロシーとかいう奴と会った時にいた! 名前忘れたが!」
「ナゾ子です。そんなに弄られるのは始めてですが、良しとしましょう」
ドロテアのバッグに恐らく視線を向けて、手の平を天に向けて何かを欲しがるポーズをした。
何よ、と言わんばかりに少し引いた姿勢へ。
「今すぐover end contents.のエネルギー源を渡しなさい。理由の説明は不要」
不安げな表情でドロテアは雷太の方を見る。二人に睨まれてる雷太だが同様する事もなく答えも端的に否定する言葉を並べた。
余計に不穏な空気へと移り変わる。両者譲らず無言の対立が続く。
「じゃ、じゃあさ。二人が半分ずつとかどうだ? だめかな……」
雷太、ナゾ子共に「だめだ!」という返事でドロテアは縮こまってしまう。
ナゾ子が雷太達に背を向けそのままで。
「分かりました。ですが、いずれ奪いに来ます。では」
瞬間移動の魔法を使ってどこかへ。周囲も普段通りの明るさとなった。
二人の心にはナゾ子という足かせがまとわりついた瞬間であった。




