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光の槍

 相手の攻撃を受けないようにしつつドロテア自身の攻撃のターンを様子見る。手慣れた立ち回りでステンレスやら鉄やら様々な物質が混ざった硬い爪を避ける。

 弾幕を張るように細かい光の棘を何度も発射し弱点である額のエメラルドを狙う。その度にバリアーで防がれクリーンヒットだったはずの攻撃も意味をなさなかった。

 作戦会議をしようと再び雷太の立つビルの屋上へと降り立つ。

 姿を見ようともせず話しかけようとするも、その前に腕の裾の部分を握られた。

 珍しく甘えてるなと思いつつも静かに「どうした」とだけ問う。

「友達をまた失うのは嫌だがよ、解き放たれてしまった以上コイツの不評が広がってしまうと思った。だから、俺がやる」

 手首を握っていた雷太は手放し数歩前に出る。

 二人とも気づいてはいなかったが、海を挟んだ位置にあるはずの神秘の島にいた風音が後ろの方から様子を見ていた。その表情は一律笑顔で曇る事も晴れやかになる事も無い。

 全身に緑色の電気を溜め急激に身体能力が上がってゆく。

 豪快に飛び降り、最初から躊躇いも無くエメラルドを殴りにかかるもバリアーは相当な硬さであった。

 一方、傍観していたドロテアの横に今来たかの如く風音が位置を移動し、今度はドロテアに質問を投げかける。

「行き過ぎた終了内容。そういう意味らしい。ところでドロテアさん。貴方ならここでどうする? 見守るの? それとも、大技の準備をするとか」

「アイツは邪魔するなと、そういう口ぶりだった。お前は今来たから分からないだろうけどな。それとも自慢の世界を監視する能力で見ていたか?」

 首を小さく横に振って逆に問われた事に答えない。代わりに暴れ回るcontents.に視線を向け淡々とした口調で物を語る。

「うちでも分かるよ。あの機械は意思を持っている。何をしたか、何で封印されてたかなんて分からないけど悪い奴じゃない。でも、自分らの力量じゃ滅ぼす以外の平和への道も無い」

 眉を尖らせてドロテアの方に顔を向ける。

「早く大技の準備した方がいいよ。over end contents.はまだ有り溢れるエネルギーがあるけど、雷太君は体力も精神も限界に近い」

「……分かった。今から世界中の光を集めてあの機械にぶつける。風音は離れてろ」

「そうこなくっちゃ!」

 何か狙いがあるような、少し悪の混じった笑顔だった。

 箒に足を置いて右腕を上げる。周囲から少しずつ光が一点に集中し小さな光の槍の先端部分が成形された。

 段々と大きく、そして形取られ対人で使うにはリーチがある方のスピアーと分かるまで大きくなってゆく。

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