over end contents.
激しく波打つ少し黒ずんだような海の見える港に雷太は仁王立ちしていて、ドロテアは箒に乗って5分遅れで到着した。
「分かってるよな、ドロテア」
「当たり前だ」
箒から降りて左手で持ち肘を曲げて掌を天に向ける。周囲から光が集まってきて最終的に玉となって縦横と門共に光の魔法を使ってる本人の身長と同じ大きさへ。
それをオーバースローで神秘の島を囲う結界に投げつける。
数分して衝突し魔法と結界で火花を散らす。やがて結界が破れ二人顔を合わせて頷き雷太は緑色の電光をまとって放物線状に飛び上がって一瞬にして島へ移動する。ドロテアも箒にまたがってゆっくりと島に向かう。
赤い屋根の建物が多くここ以外にはいない生物も多く、良く言えば個性的で悪く言うならばいびつな生物があちこちにいる。
大都市の方角にある港にドロテアは来て、そこにピンク色の髪をし前髪で目が隠れている女の子と紅茶の入ったカップ片手に優雅にひと時を過ごす。正面側に雷太がいて鬼の形相で佇む。
「風音さん、教えてくれよ。俺の妹は……!」
「待って。ドロテアさんが先の方が丸く収まると思うよ?」
言いたい事を止められ想いをぶつけられないもどかしさに指先から静電気を鳴らす。
ドロテア自身は、1年ぶりに合う友人を見て安堵の気持ちと目を何故隠してるかの疑問から不安が生まれる。
「どうしたの? じゃあうちから言うね。あの結界は『over end contents.』を押さえつける為に張ってたのに、君達はもしかしてまた悪さしたとでも思ったのかな。もうあの化け物は大都市に成りを潜めてるね」
「何言ってるんだ?」
まるで聞いた事の無い単語が飛び出し素の反応が出てしまう。共感を求めるべく雷太の顔を確認すると、滝のような冷や汗を流す。
「俺は、よく知っている。経緯は後程話すがよ、over end contents.はバケモンだ。自分達に叶う代物じゃねぇ」
項垂れてしまっているのがよく分かる。心配してはいるが投げかける言葉も思いつかない。
大都市の方角から地鳴りが響き渡り高層ビルが一つ倒れたのが見えた。既にover end contents.が暴れはじめてるとドロテアは思う。
「わたしはどんな奴か分からないが討伐しに行く、風音も手伝え」
「やだね。自分で解決しなよ」
完全に拗ねてしまいそっぽを向く。その行動にこっち側も拗ねてしまい、箒に乗って大都市へとんぼ返りした。
その頃、雷太自身はまだ葛藤を続けていた。




