交差する点は線になり
木々の匂いが香る涼しい道々
葉の影から水が濾過されたように滴る光
誰よりも働く交差点の信号機
ドミノのように並ぶ住宅街
時刻は10時頃
人通りもボチボチといるが所詮平日、休日とは比べるまでも無い
「………のどか過ぎるなぁ…」
学生服を着くずし、教科書が入る程のバックを持ち、1人周囲を見渡してふと独り言を喋る
最近寝起きが悪く、よくこの時間に登校する
そう、いわゆる不真面目人間だ
小、中学生の頃はこんな自分じゃ無くて親に行けと言われて嫌々学校に行った記憶がある
だが高校に入ってからしばらくして行ってきますの一言すら話さなくなった
俗に言う反抗期だろう、話さなくなって気が楽になった半面少し悲しい気持ちにもなる
そうこう考えているうちに学校が近づいてきた、三つ先の交差点を行けば学校が見えてくる
今日こそは学校に、今日こそは、、、
一つ目の交差点で左に曲がり二つ目の交差点で右に行けば
三つ目の交差点を真っ直ぐ、目の前だ、今日は行ける
と思ったら矢先
ここで足がすくんだ。動かない。
あぁやっぱり無理か、いつもここで止まる
最近はこの時間にこの場所を歩く、ただどうしてもここで止まってしまい諦めて1人の空間を探してしまう
なぜ止まってしまうのか、それは恐怖に近い
この時間に学校に行って人目を集めないか、何か言われないか、そう考えるだけで止まってしまう
やっぱり嫌になってきた、早く戻ろう
そう思い来た道を戻る
今日はどこへ行こうか、快晴で気持ちが良い
ならば裏山の公園か
などと考え交差点の押しボタン式信号のボタンを押す
待ち時間に靴紐を結ぼうとしゃがんだ所、押しボタン式信号機の下に花やジュースが置いてあった
「なんだこれは?」
…あぁそういえばニュースで近くの交差点で交通事故があったと報道してたな、近所のニュースだけに驚いた記憶がある、俺も気をつけるか
靴紐をしっかりと結んだと同時に信号が切り替わる
歩こうと思い立ち上がり前を向いた時、女子高生が立っていた
交差点の向こう、俺と対面する立ち位置でその人はいた
ブレザーを軽く着崩し、スカートは膝より少し上、教科書が入る程のバックを持ちこちらを見ていた
誰だ?なんでこっちをジロジロと見ているんだ?ていうかこの時間帯になぜ学生が歩いているんだ?まぁそれは俺が言えたことではないがな
まぁ無視していこう、目を背けながら
そう思い歩こうとした瞬間、向かいにいた女子高生が走ってきた、結構速い速度だ
その女子高生は驚いている俺の前に止まって驚いた顔をしながら一言
「なんでここにあなたがいるの?」
それは俺のセリフや






