08
それから一週間後、マリーとミハエルはグスタリア公爵領の中心都市であるグリザールの中央広場へとやってきていた。
ミハエルはたくさんの公爵家に仕える騎士達も一緒に連れてきていたのだった。
私たちはある人物がやってくるのを待っていたのです。
私はミハエルに尋ねました。
「ミハエル??準備はどうですか??」
ミハエルが私に言いました。
「ああ準備は終わってるよ。舞踏会に出席していた人たちももう集まってる時間だ。」
私がミハエルに尋ねました。
「本当に送られて来るんでしょうか?」
ミハエルが私に言いました。
「さあな、国王様が出されたお触れにはちゃんと二人を送ると書かれていたがな。」
すると王家の騎士の一団が姿を現したのだった。
王家の騎士達は厳重に一つの馬車を守っていたのだった。
私とミハエルの前に騎士団長のルーカスが姿を現したのでした。
「マリー殿ミハエル殿、この馬車の中にいます。」
そっかこの馬車の中にいるんですね。
ミハエルが馬車の隙間から中を確認しました。
そしてミハエルが騎士団長のルーカスに言いました。
「確認しました。この度国王様のご判断には感謝いたします。」
「承りました。ではミハエル殿、これにて失礼します。」
騎士団長のルーカスさんはそういうと、部下の騎士達と一緒に王都へと戻っていきました。
そしてグスタリア公爵家の騎士達がその馬車を取り囲んでグリス中央広場へとその馬車を運んだのでした。
中央広場にはミハエルが呼んだ客人達が集まっていました。
そして厳重に運ばれていた馬車を公爵家の騎士達が取り囲むとゆっくりと馬車の扉が開けられたのでした。
馬車からは手錠を掛けられたフェルドとスザンヌの二人が出てきたのでした。
フェルドとスザンヌはすぐに騎士達に文句を言い始めました。
「おい!!離せ!!私は王太子様だぞ!!お前らみたいな価値のない連中とは違うんだ。もっと丁重に扱いやがれ!!」
「私は大聖女様なんですよ。もっと大切にしてください。」
フェルドとスザンヌは私の存在に気がついて私に言いました。
「悪役令嬢のマリーじゃないか??なんでここにいるんだ??どっかに失せろ!!」
「そうです、悪役令嬢のマリー!!どっか行きなさい。」
するとミハエルが大きな声で二人に言いました。
「お前たち自分の立場が分かってないようだな?お前たちは処罰を受けるためにグスタリア公爵領まで護送されてきたんだぞ。」
フェルドがミハエルに尋ねました。
「処罰だと??なんでだ??」
ミハエルがフェルドに言いました。
「今回の騒動を起こした責任を今回の騒動の元凶であるお前たちに取らせる為に決まってるだろう!!」
フェルドがミハエルに言いました。
「おい!!ふざけんな!!私は王太子様なんだぞ!!!それを一公爵家の跡取りであるミハイル??テメエごときがこの私を処罰する気か?そんな事をすれば父上が黙ってないぞ!!」
スザンヌがミハエルに言いました。
「そうです。大聖女の私を処罰するなんて国王様やお父様が許しませんよ。」
するとミハエルは書状を二人に見せながら言いました。
「これを見ろ!!国王様より出されたお触れの内容だ。ここにはフェルドとスザンヌの王族や貴族としての身分をはく奪して罪人とする事。スザンヌの大聖女としての地位を取り上げる事。さらにこのお触れにはフェルドとスザンヌの処分はグスタリア公爵家に一任すると書かれている。マグカルタ男爵様もこれに同意しているそうだ。」
フェルドとスザンヌはこの意味が分からないようでした。
「つまりどういう事なんだ??」
「それってどういう事ですか?」
私はフェルドとスザンヌに言いました。
「つまりフェルドとスザンヌをどうするのも私たちの自由だという事です。国王様やマグカルタ男爵様はフェルドとスザンヌを煮るなり焼くなり好きにしていいとね。」
ようやくフェルドとスザンヌは自分達の置かれた立場を理解したようでした。
「父上が私を見捨てたというのか??」
「お父様が私を処罰していいって言うなんて?そんな??」
ミハエルが大きな声で二人に言いました。
「マリーをイジメた貴様らを許すつもりは毛頭ない。ちゃんとその償いはしてもらうからな。覚悟しておけよ。」