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数日後正式に大聖女の地位を与えられ、治癒院で大聖女の仕事を始めたスザンヌであったが、すぐに王妃セリーナからお叱りを受ける事になってしまうのでした。
「スザンヌさん??これはどういう事ですか??」
スザンヌが王妃セリーナに応えました。
「何の事ですか?」
王妃がスザンヌに言った。
「もうすぐ夕方ですよ??なのになぜ誰の治癒も終わっていないのですか?」
王妃はそう言って周りを見渡しました。
治癒院にはすごい行列ができており、たくさんの人々が治癒が始まるのを待っていたのだった。
「スザンヌさん??あなた??今まで何をしていたの??」
するとスザンヌは悪びれる様子もなくこう王妃に言ったのでした。
「もちろん、ボケーとしてましたよ。」
王妃がスザンヌに尋ねました。
「なぜ治癒院の中にみなさんを入れてあげないんです。ケガを治してあげないとダメでしょう??」
スザンヌが王妃に言った。
「え~??だってこんな汚い奴らの傷を治すなんて嫌ですよ。それにここには私のお気に入りの服も持って来てるから汚されたら嫌なんですよ。」
王妃がスザンヌに言った。
「そんな事を言ってる場合じゃないでしょ。」
すると治癒院のスタッフが慌てて中に入って来た。
「大変です。セリーナ様!!順番を待っていたお婆さんが倒れました。」
王妃が治癒院のスタッフに言った。
「すぐに治癒院の中に運んでください。それと体調の悪そうな人をすぐに中に入れてあげてください。」
スザンヌは朝から治癒院の業務をほぼ放棄していたので、そとには体調の悪そうな人々がたくさんいた。
そして中に入って来た一人の老婆が体調の悪さからふらついてスザンヌの服を汚してしまったのだった。
するとスザンヌが大声でその老婆に言いました。
「このババア!!!よくも私のお気に入りの服を!!!汚してくれたわね!!!」
王妃がスザンヌに言います。
「あなたが傷を治さなかったから、こんな事になってるんでしょう?この方を責めるなんて筋違いにもほどがあります!!!」
「このババアが悪いですよ!!!私の大事な服を汚して!!!」
みかねた治癒院のスタッフがさきほどの老婆を別の部屋に連れていったのでした。
王妃がスザンヌに言いました。
「スザンヌさんあなた??大聖女の仕事をなんだと思ってるんですか?」
スザンヌが王妃に言いました。
「寝転がっているだけで、大聖女様、大聖女様とチヤホヤしてもらええるすばらしい仕事でしょ?」
「そんな訳ないでしょう!!!大聖女というのは治療院で人々の傷を癒して、結界を張って、みなさんに加護を与える大変な仕事なんですよ!!」
「えー??そんなのめんどくさいですよ??そうだ王妃様いまから聖女の仕事はここで寝転がって外の薄汚い連中に崇めさせるっていうのに変更しませんか?ナイスでグッドですよね?」
「そんなのダメに決まってるでしょ。」
「いいアイデアだと思ったのに。」
「もういいです。スザンヌさんあなたはマレルの村にいって結界を見張ってきてください。」
スザンヌは王妃にそう言われると渋々外に出ていったのでした。
「なんて子なの。」
ですが問題はそれだけで終わりませんでした。