泡姫の恋
守って欲しかったの
誰かに守って欲しかったの
小さくて
弱くて
傷つきやすくて
一人では耐えがたい
耐えがたい荒波に揺さぶられていた私を
でも誰も来てはくれなかった
誰も寄せつけてはいけなかった
このしゃぼん玉みたいな泡の中で縮こまってる
誰かを中に入れてしまったら
入れてしまったら
そしたら弾けてしまうから
そして何もなくなってしまう
何も
何もなくなってしまったら
もう生きてはいけないから
だから強くならなくてはいけなかった
潰されないように
倒されないように
誰にも寄り掛からなくても
一人で立っていられるように
不思議ね
あなたに出会ったのは
ほんの少しの気まぐれだった
私は一人でも立っていられる
そう思ったのに
本当はあなたはお姫様を助ける王子様じゃない
騎士様でもない
でもどうしてだろう
私はあなたが作ってくれたこの部屋で
大切に守られている。
今ではね、
そんな気が
するの。