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交易都市の商人

殺人鬼はどこにでもいる。普通に生活していれば出会うことは無い?

そんなことは無い。気を付ければ大丈夫?確かに。それでも気を抜いた時は?

出会ってしまったら?おとなしく殺されるのかそれとも……

 目が覚めると暗闇だった。

 何故か手足も拘束されているようだ。

「あら、起きたようね」

 女の声が聞こえたあと微かに明るくなった、

 何か明かりを点けたらしい。

「これってどういう状況ですか?」

「すぐに分かるわよ」

 そう言ってアイマスクらしきものを外され視界が開けた。

 そこは薄暗い部屋だった。

 首元も拘束されているが頭は固定されていない。

 明かりは蝋燭だった、女に見覚えは無い。

「あなたは誰ですか?」

「そんなこと知る必要はないわ」

 先端の尖った刃物を持ちながら女は言った。

「あなたはどのぐらい楽しませてくれるのかしら?」

 女は刃物を私に振り下ろしてきた。

 そうして私の最後の時間が始まった――


「ようやく到着しましたか」

 ここは大陸ユーピターにある交易都市ボーデン。

 金髪碧眼の男は深紅のマントコート姿で都市間移動バスを下車した。

 バスは蒸気機関で動いている。

「しばらく滞在しそうですし、まずは宿探しですかね」

 都市中央にある時計塔の時刻は昼の一時を回ったところだ。

 交易都市は大陸にいくつかあるがボーデンは資産家などが多いため、

商人が交易相手を求めてくることが多く、この男フラットもそのひとりである。

 当然商品を持ち歩くため荷物は多い。背中に大きなリュックを背負っている。

「しかし広すぎる都市というのも場所を探すのには少々不便ですね……」

 そうひとりごちながらバス降り場付近の主だった施設のある地図を

スルーし歩き始めた。

 栄えている都市なだけはあり、いろいろな施設があった。

 飲食店、衣料店、雑貨屋などの店舗型から出店でも様々な食べ物を売っていた。

「お兄さん、何か探してるの?」

 子供に声をかけられたようだ。

「私ですか?宿を探しているのですが、この都市に来たばかりでどうにも……」

「じゃあ僕たちが案内してあげるよ!」

「達?」

 少年の後ろにもう1人いたようだ。

「案内してもらうのは構わないのですが、

なるべく安いところだとありがたいですね」

「その辺は任しといてよ!」

 少年が元気よく自分の胸を叩いた。

 とりあえず当てもないので任せることにする。

 しばらく歩いていると少年が声をかけてきた。

「お兄さんしばらくこの都市に滞在するの?」

「そうですね、仕事次第ですが少なくとも一週間はいるかと」

「一週間?やった!」

 少年が喜んでいるともうひとりが口を開けた。

「……もうすぐ着きます」  

(こっちは女の子でしたか)

 少年と対照的に物静かな少女である。

 到着したそこは二階建ての宿屋だった。

「さ、入って入って!」

 少年に連れられ中に入ると、カウンターに女性がいた。

「母さん!お客さん連れてきたよ!」

「あら、無理やり連れて来たりしてないわよね?」

「そんなことしないよ!ね、プル?」

「……大丈夫」

 プルと呼ばれた少女は少年ではなく母親を見て答えていた。

(案内してもらってなんですが、名前聞いてませんでしたね……)

「そ、じゃあ本当にお客さんね、お名前と何泊のご予定ですか?」

「フラットといいます。とりあえず一週間ほど」

(流れで決めてしまった、料金とか大丈夫ですかね……)

「……お母さん、料金」

「あ、ごめんなさい!料金は前払いで一泊銀貨二枚で

夕食と朝食をつけるならプラス銀貨一枚です」

「では七泊の銀貨二十一枚でお願いします」

 普通に宿泊だけでも銀貨三枚はするので食事つきで同額ならば十分に安い。

 少年に言われた通り安かったので銀貨二十一枚を渡した。

「ありがとうございます、部屋は二階の角部屋になります。

食事は一階に食堂があるのでそちらにいらしてください」

「わかりました」

「こちらが部屋の鍵になります」

 鍵をもらい部屋に行くとひとまず荷物を下ろし、商談に必要な分だけ持ち出す。

「宿も早く見つかりましたし早速仕事ですかね……」

 まだ昼過ぎて間もない時間であり商談相手を探すには丁度いい頃合いである。

 ひと段落してから階段を降りると先ほどの母親はいなかったが、

手伝いをしているのかまた別の少年と出会った。

「君もここの子ですか?」

「さっきブラウが連れてきたお客さんですか?」

「ブラウ……名前聞いてませんでしたがおそらくそうかと」

「あいつ名前も名乗ってなかったのか、あとで説教だな」

「いえ、こちらも聞かなかったもので」

「まあそれはそれとして、内はお母さんと僕ら三兄妹で経営してます。

一番上が僕ズィルで次が弟のブラウで一番下が妹のプルです」 

「お父さんはいないのですね」

「……はい」

(流れで聞いてしまいましたが、ややこしそうですね)

「まあ混み入った事情は聞かないことにします、ちなみにお母さんの名前は?」

「お母さんはメーアです」

「メーアさんですか、ちょっと出かけるのでそう伝えておいてください」

「わかりました、あと夕食はあまり遅くならないようにお願いします」

「はい、間に合わなかったら夕食は無くて大丈夫ですので」

「料金は先払いなのでキャンセルはできませんよ?」

「……そうでした、なるべく帰るようにします」

 そうして話し込んだ後、商談相手を探しに宿を出た。

 

 宿探しはあてどなくてもいずれ見つかるが、商談相手探しはそうはいかない。

 自分の商品・商材に目をつけてくれそうな相手を選ばなければならないからだ。

 ここは交易都市であり商談の場が設けられているためまずはそこに向かう。

 宿までの道を戻り、バスで到着した場所にあった地図まで歩いた。

「先に地図を見て場所を把握しておくべきでした……」

 ようやく到着し地図を見ると案の定である。

 宿からもう少し進んだところが目的地であった。

「どうして私はこんなに計画性がないのでしょうね……」

「どうかしたのですか?」

 今日はよく声をかけられる日だな……

 やたらスーツを着こなしている紳士風の男に声をかけられた。

「いえ、来た道を戻らなければならないようでして」

「どちらまでいかれるのですか?」

「都市中央にある交易所ですね」

「商談でもしに行かれるのですか?」

「そうです、今日都市に到着したばかりなので」

「どのような商品を取り扱っているのですか?」

(やたら質問してきますね……)

「何故そこまで聞いてくるのですか?」

 フラットは不審に思い問いかけた。

「これは失礼、私はセバスといいます。

交易所に行くところでした、ただし買う側ですが」

「そうでしたか!私はフラットといいます。

取り扱う商品は一言でいえば'薬品'です」

 商談相手候補が偶然見つかったとフラットは一気にまくしたてた。

「'薬品'というと具体的にはどのような?」

「説明が必要なのでどこか落ち着ける場所にでも移動しませんか?」

「そうですね、では近くにある喫茶店にでも」

 そうして歩いてすぐの喫茶店へと移動した。

 軽く飲み物を注文したあと商品の入った小瓶を机上に置いた。

「私の扱う商品はいくつかあるのですが、説明に用いるのは

即効性の高いものにしています」

「ほう」

「ちなみに今空腹でしょうか?」

「昼から多少時間があいているので若干は」

「このカプセルに入った'薬品'は飲み込むと一定時間後に満腹になり、

ある程度の食事をしたエネルギーも補給されます」

「空腹でない今のような状態でも大丈夫なのですか?」

「まあ多少食べ過ぎた感じにはなるかと」

「試してみますか」

 そういって男はカプセルを飲み込んだ。

「さて、どうなりますか……」

「大体一分も経てば効いてくると思います」

 そう話していると飲み物が運ばれてきた。

「アイスコーヒー2つになります」

「どうも」

 フラットが応対すると店員は下がっていった。

「おや……」

 セバスが声をあげる。

「効き目がでてきましたね」

 フラットがアイスコーヒを一口飲む。

「効き始めてからは割とすぐですよ」

 丁度アイスコーヒーを飲み終えたころに

「確かに満腹以上の状態になりました……」

「お判りいただけましたか」

「よく分かりました」

「それはなによりです」

「アイスコーヒーもいらないので二杯目などいかがです?」

「いただきます」

(どうせなら別のを頼んでおくんでしたね……)

 フラットはセバスの分も飲み始めた。

「ところで他にはどのようなものが?」

 二杯目を飲み終えたところでセバスが声をかけてきた。

「そうですね、睡眠薬の逆の特性を持つタイプのものとか」

「眠気がなくなるのですか?」

「薬が効いている間は眠れないですね、ところで商談なんですが……」

「実は私、主人の代理で来ているのです」

 商談の話をしようとしたところ、セバスが割り込んできた。

「といいますと?」

「主人は自分で探すのは煩わしいようで、めぼしいものを

見つけたら連れて来るよう言われております」

「なるほど。自宅まで伺えばよろしいのですか?」

「はい、お手数をおかけしますが、利益の方は保証できるかと」

「今から伺いますか?」

「できれば、馬車も近くにありますので」

「では、行きますか」

 そうして見知らぬ主人の元へ向かうことになった。

 

 馬車を引き取りに行ったとき、御者がいなかったためセバスさんに問いかけた。

「御者の方などはいないのですね」

「ええ、今は私一人で主人の従者を担っておりますので」

 馬車はセバスさんが走らせていたため、客車には私ひとりであった。

(客車にひとりだと気まずいですね……)

 することもないので移動中の景色を眺めていた。

 居住区から離れると木々が生い茂る林が続いていた。

 しばらく馬車で進むと館に到着した。

「結構遠いですね、とゆうかこの都市が広い……」

 到着した馬車から降りるときにフラットが呟いた。

「主人のような資産家で館持ちの方は遠くに住んでいることが多いですね、

それもあって都市自体は結構広いですよ」

 館内の応接間に招かれ待っていると主人らしき女性がやってきた。

(主人とは女性だったのですか)

 フラットがそう思っているとセバスが紹介を始めた。

「こちら主人のマリーお嬢様でございます」

「あなたが今日のお客人?」

 赤いドレスに身を包んだいかにもなお嬢様である。

「そうなりますね、交易商人をしております」

「そう、商品をみせてもらえる?セバス、応接間に」

「かしこまりました」

 そうして館の応接間に招かれた。

「はい、こちらの'薬品'になります」

 そうして机上にカプセル入りの瓶を並べた。

「これで全部なのかしら?」

「いえ、サンプルになりますので在庫は別のところにあります」

「そうなの」

「商談が成立次第、必要な量をお渡ししますよ」

 そうして説明も始めていないときに

「こちら紅茶になります」

 セバスが運んできた。

「ありがとうございます」

「先ほどはコーヒーでしたがよろしかったでしょうか」

「どちらも好きですので安心してください」

「それは良かったです」

 そうしてセバスは下がっていった。

「では改めて商品を説明させていただきます」

「冷めないうちにお召し上がりになって?」

「そうですね、ではいただきます」

 フラットがカップの香りを嗅いだ。

(ハーブティーかな、結構クセが強そうだな)

 そう思いながらも口に運んだ。

「珍しい味ですね」

「そうかしら、これ飲むと体がリラックスするわよ」

「確かになんだか癒される感じがしますね……」

「そうでしょう」

「それでは商品の説明に入らせて……」

(なんだか眠くなってきたぞ、睡眠作用があるのか?)

 眠りに落ちそうになる前に抗睡眠剤を服用しようとしたところ

セバスがやってきて止められた。

「お休みなさいませ」

 そうして私は眠りに落ちた……

 

 目が覚めると暗闇だった。

(紅茶が睡眠剤入りでしたか……私は薬を取り扱っているというのに)

 類似の商品を取り扱っていても耐性がある訳ではないため眠らされてしまった。

(手足、首元が拘束されていますね、目にはアイマスクでしょうか)

「あら、起きたようね」

 身じろぎしているところを見かけられたのか、

 先ほどの女主人マリーらしき声が聞こえて微かに明るくなった、

(この感じは地下室ですかね……)

 地下室独特の淀んだ空気を感じる。

「なんだかあなた冷静ね」

「そうですか?大体状況はわかりますしね、とりあえず見えるように

してもらいたいのですが」

 フラットはマリーと普通に会話をする。

「あなた冷静すぎてつまらないから、そのままね」

(対応を間違えたか)

 マリーの機嫌を損ねたようだ。

 フラットの視界がさらに明るくなり、少し熱い。

(松明かなにかでしょうか)

「あなたはどのぐらい楽しませてくれるのかしら?」

 刃物を持ち上げたような音がした。

「今から私を傷つけようとしているのならやめておいた方がいいですよ」

「あら?変な命乞いね」

「忠告はしましたからね」

 やたら冷静で恐怖など感じていないフラットに対し、

マリーはこの後の反応を楽しみにしていた。

(ここまで冷静なお客も初めてですわ)

「さてどんな反応をしてくれるのかしら、ね!」

 言葉と同時に刃物を振り下ろしてくる音が聞こえた。

 ザクッ

 刺されるとフラットの体から血が噴き出した。

 噴き出した血液は刃となりマリーを襲う。

 ザクッ

「えっ……?どうして……?」

 血液の刃がマリーの腹部を貫いていた。

「だから忠告したというのに」

 フラットはやれやれといった感じで首を振り、

 マリーの腹部に刺さっていた血液が抜き取られ

フラットのアイマスクを切断する。

 そうして開けた視界で部屋を見渡すと

「こんな部屋でしたか、拘束具はと……」

 拘束具の鍵穴に血液が伸びていき鍵を開けた。

 解放されたフラットは地面に降り立つ。

「どういうこと……?あなた何者なの!?」

 腹部から血を流しながらフラットから離れていたマリーが問いかける。

「実は私、'殺人鬼専門の殺し屋'でして、交易都市ボーデンへ来た

旅人が行方不明になる件について調査していたんですよ。

あくまで行方不明だったので殺人でなければ放置するつもりだったんですが、

どうやら当たりだったようですね」

 すらすらと語るフラットに対しマリーが激昂する。

「何よそれ!私の方が罠にかかったとでもいうの!?」

「有り体にいってそうですね」

「ふざけるんじゃないわよ!私を誰だと思っているのよ……」

「知りませんよ、この都市に来たばかりですし」

 そう答えるとマリーは地下室の出口を向き叫びだした。

「調子に乗って……来いっ!セバーーーース!!」

 力を入れ過ぎたのか傷口を抑えている。

(傷は深そうなんですが、よくここまで動けますね)

 セバスが地下に降りてきた。

「お呼びでございますか、お嬢様」

「見ればわかるでしょ!?こいつが反撃してきたのよ!」

「左様で」

「いいから早くこいつ殺して!私に血で攻撃してきたのよ!」

「その傷でございますか?早く治療したほうがよろしいかと」

「そんなことわかってるわよ!」

(なんかセバスがすごい冷静なんですが……)

 冷静なセバスに対し苛立ち続けているマリー、

話している間にも傷口から血が流れ続けている。

「フラット様のお相手が先でしょうか?」

「手当なんかさせてくれる訳ないでしょ!?とりあえず何とかするわ……」

 そう言うとマリーは地下室の出口へと向かう。

 セバスがフラットに立ちはだかる。

「フラット様、申し訳ありませんが殺させていただきます」

(先にセバスをなんとかするしかないですね)

「そう言われましても……ところでお嬢様の趣味はどのくらいになります?」

 フラットはセバスに経緯を聞くつもりのようだ。

「そうですね、二年程経ったかと」

「よくそれだけ続きましたね」

 セバスは隠すつもりがないのかすらすらと答える。

「旅人を標的にしたのが正解だったのでしょう、基本的に騒がれなかったので」

(確かにこの都市に入る際、審査も特になかったですね……)

「あなたは何故止めなかったのですか?」

「お嬢様の言葉は絶対ですので」

(セバスは言われるがままという訳ですか)

「セバーーーース!早くやれ!」

 まだ出て行っていなかったようでマリーが叫んでから、地下室を出て行った。

「お嬢様に急かされましたので会話はこのくらいで」

「あなたは実行犯ではないのですよね?」

「ええ、ですがあなたの殺害対象に関係者は含まれないので?」

「いえ、対象ですね……」

「ではそのように」

 セバスがこちらに向かってきた。

(素手でくるのですか!?)

 セバスの手刀をフラットは躱した。

「血液は使わないのですか?」

「それを知っていて接近戦をするのですね……」

「私の武器はこの体一つなものでして」

「奇遇ですね、私もです」

(ただし、血液も含めてですが)

 再度、セバスが向かってくる。

 今度は避けなかった、セバスの手刀がフラットの胸を貫通した。

 同時にフラットの胸からの出血が刃となりセバスの体を斜めに切り裂いた。

「ぶはっ!なるほどこれで……」

 セバスが吐血しながら呟いた。

「セバスさん、あなた最初から死ぬ気でしたね?」

「いえ、あわよくば相打ちを狙ったのですが、駄目そうですね」

「残念ながらこの程度では私は殺せません」

「フラット様、お嬢様をお願いします」

 そう言ってセバスは事切れた。

(この人はお嬢さんを止めてほしかったのかな……)

 フラットは血液の刃を抜き取ると、セバスをその場に寝かせた。

(今までご苦労様です)

 セバスの顔はどことなく笑っているようだった。

 傷口を血液の凝固で止血し、地下室を抜け出た。

 

(さて、どこに行きましたかね)

「おや……」

 床に血液が点々と続いている、おそらくマリーのものだろう。

 辿っていくと先ほどの応接間に繋がっていた。

(ここですかね……?)

 扉を開くと案の定ソファでマリーが休息している。

「マリーさん、セバスさんは死にましたよ」

「そう、私も殺すのね」

「はい、その通りです。殺人鬼を殺すことが私の仕事ですので」

「セバスがあなたを連れてこなければ……」

「それはそうかもしれませんが、いずれ見つかったと思いますよ」

「そうかしら?今までは上手くいっていたのに……」

「ところで、この館にはセバスさん以外の使用人はいないのですね?」

「そうよ……私の趣味がバレないためにね」

「では、これで今回の仕事も終わりですね」

「あなたもロクな死に方しないわよ」

「ご忠告どうも、それでは、さようなら」

 マリーの首を血液の刃で切断した。

 落ちた首は微かに笑っていた。

(ここで殺された人に笑いながら死ねた人が何人いたのでしょうね……

殺人鬼の方が充実した最後を迎えられるとは皮肉なものです)

 その後、館を探したが言葉通りにセバス以外の使用人はいなかった。

 館を出てフラットは、今日の夕食には間に合わないのだなと思い悲しくなった。

 

……殺したか。いや、この場合は殺しに来たと言った方が正しいだろう。

とはいえ一撃を受けてからというのはいただけないな。参考にならない。

次は別のパターンを期待しておくとしよう。

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