第5話 1人、砂漠の地にて
まずい、ブクマ0だと・・・?
これは早急に手を打つ必要が(ry
───────────は?
いや、ナンデ!?サバクナンデ!!
は?は?え?ちょっとこればかりは理解のしょうがないと言いますかえぇ・・・
・・・・なんぞこれ?
「いや、まじでなんで!?」
もう、頭の中でナンデ!という疑問の言葉ばかりが渦巻いており、ゲシュタルト崩壊寸前なんですがこれは・・・
「・・・いや、えぇぇぇ・・・」
・・・まぁ、いい加減現実を受け止めねばならない。
目が覚めると、俺は、砂漠にいた。
・・・うん。字面を見ても何言ってるのかさっぱりですね(白目)。
・・・よし。とりあえず立とう。そして、周りを見よう。
そうすれば、きっと何かが見えて
「・・・なぁんもねー・・・」
うん、地平線のさらに先までずぅぅぅぅううっと砂ですね。
しかも、むっちゃ陽炎出てるし・・・
いや、これ一体何度だよ・・・
・・・あっ!!
「水!水は!?」
流石に水がないとこれは死ぬぞ!?
だが、周りには本当に何も無く、どうしようもない。
「え?まさか・・・ほんとに・・・?」
・・・俺、ここで死ぬのか?
は?まだ異世界に来て1分も経ってないんだぞ?まだ何もしてない、まだ何も知らないまま、しかも異世界に来てまで砂漠の暑さで脱水症状に陥るっていうマヌケな死に方で死ぬのか?
何も出来ずに、誰にも知られず、砂漠の暑さにやられて、何も知らずに死んでいくのか・・・・?
・・・・行き場のない怒りがふつふつと沸いてくる。
・・・ふざけんなよ・・・
「ッ!!そうだ、能力があるじゃないか!!」
直ぐに思い出したおれは、ステータスプレートを開こうとする。
だが・・・・・
「・・・あれ?ステータスプレートってどうやって開くんだ?」
・・・やばいやばいやばいやばい!!!
え?これ詰んだくね?
「えっ、ちょっ、す、ステータスプレート!!」
そう言いながらミューリさんの真似をして右手を大きく振り下ろすと・・・
「で、でた・・・」
っぶねッ!!まじあっぶなっ!!これで出てなかったら俺死んでたぞ!!
映っているのはさっきと同じ画面だ。
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名前: 河南 優雅 年齢:17
種族:人間
レベル:1
職業:ランダム(タッチして下さい)
スキル:ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
鑑定(残り:30回)
装備:ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
________________________
さて、この代わり映えのない画面に変化をもたらさなければならない。
「よし!頼む!!どうにか水分が確保できるような能力出てくれ!!」
そう願いながら、俺はまず、『職業』の欄を押した。
その瞬間、
カッ!_____
「うわっ!」
ステータスプレートにいきなり青白い光が走り、俺の目を焼いた。
次に目を開けた時に映っていたのは___
________________________
名前:河南 優雅 年齢:17
種族:人間
レベル:1
職業:魔法士
スキル:ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
鑑定(残り:30回)
装備:ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
________________________
新たに加わった職業の文字だった。
「___魔法士?」
俺は、ミューリさんに言われたとおり出てきた職業をタッチして詳細を確認する。
魔法士と言うくらいだから、魔法を使えるもののはずだが___
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『魔法士』
ランク:D
Lv:1
詳細:転職の際にある職業選択時に誰もが選択出来る基本三職の1つ。
派生はあるが、魔法を操る職業の系統の中で最弱であるため所有者の魔法に対する適性そのものが低い、もしくは全くない者に現れる。
底辺からでも魔法を極めたいと思う者や選択肢が限られている者以外は、この職業を取るよりもなるべく自分の適正にあったよりランクの高いものか生まれつきの職業を選んだ方が良い。
使用可能:身体強化
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・・・・・・・・・これは・・・・・・
「・・・・・・はずれ?」
え?初っ端はずれたの?
しかも、能力や説明からして明らかに使えそうな職業では無い。
ま、まぁ確かにランダムだしな。こんなこともあるだろう。
それに、ミューリさんは何かしら高ランクな能力も出ると言ってたじゃないか!
これから挽回できればいいんだよ!
「次っ!!」
俺は、勢いに任せてスキルの欄にある文字をすべてタップした。
すると・・・
「・・・・・ん?」
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名前: 河南 優雅 年齢:17
種族:人間
レベル:1
職業:魔法士
スキル:分身
夜目
耕作
鑑定(残り:30回)
装備:ランダム(タッチして下さい)
ランダム(タッチして下さい)
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・・・・・・・まぁ文字を見るからに、水分が取れそうなものは無いな。
「えっと・・・?」
まずは『分身』の詳細を確認する。
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『分身』
ランクD
Lv:1
詳細:
自身の魔力を用いて、自身と同体積の無機物で構成された不定形な塊を出現させる。
通常、モンスターに対しての身代わりに使うものなのだが、低いレベルでは全く使い物にならず、Lv8以上の高レベルになれば『命をストック』するという特別な手段を得ることが出来るが、これまでの歴史にLv5以上の分身スキル保持者は存在せず、人間の寿命でLv8以上に到達することは不可能とされている。また、同ランクの『デコイ』は低ランクながらも力の強い物から弱い者まで幅広く使っている万能性の高いスキルなので、そちらを選んだ方が良い。
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「・・・・・・・んぅ?」
えっと・・・多分・・・これもハズレだよな・・
・・・不定形な無機物の塊ってなんだ?
要はそれを生成するスキルってことだよな?
というか・・・
「スキルって・・・どうやって使うんだ?」
・・・・・あ、やばい
目から汗が・・・
「って、うぉぉぉおおおおいっ!!!」
よ、弱気になるな!きっとさっきみたいに念じれば出来るはずだ!!
絶望しかけた自分を大声を出して鼓舞することでなんとか持ち直す。
「魔力って言うのは分からないが・・・『分身』!!」
先程のステータスプレートと同じように名前を口にしながら念じる。
すると・・・・
「うぐッ!!」
いきなり、体に今まで感じたことの無いほどの虚脱感が襲いかかってきた。
しかし、それと同時に自分の目の前の空間に光が走り「ポンッ!」という音と共に煙が弾けた。
「ッ!?ゲホッゴホッ...一体なんだよ.....」
思わず咳き込んでしまったが、それと同時に虚脱感が抜けていくのを感じた。
そして、煙が晴れると....
「・・・なんだこれ?」
───目の前には肌色の大きな塊があった。
「・・・え?マジでなにこれ?」
目の前で起こっている現象に全く理解が追いつかないが、とりあえず目の前の大きな塊に触れてみる。
触れてみて分かったのは、この塊が粘土のような感触であったことと、これには意志がないこと。また、状況的にこれは俺が『分身』スキルで作り出したものであると思うので、話しかけたり、念じたり、何かを命令してみたりしたが、一切の反応はなく、ただそこにあるだけだった。
つまり、このスキルは・・・
「・・・虚脱感を伴う代わりに自分と同じ体積の粘土を作り出すスキル・・・ってことか?」
・・・・・・・おい、
おいおいおいおいっ!!
「これはマジで笑えねぇよッ!!!」
俺はそう叫びながら目の前の粘土を蹴り飛ばした。
すると、なんの抵抗もなく蹴りが当たった部分の粘土が飛んで行き、ボトボトと砂の上に落ちた。
ハッ!これで囮に使えるんだと!なんの力もない俺が蹴り飛ばせるようなこれで、普通の獣の何倍もの力を持った怪物共の足止めができるんだとっ!!
おかしいなぁぁあ!!!!
「・・・・・・・落ち着け。なに物に当たってんだよ俺らしくもない。頭に血が登りすぎだ・・・。」
身に降かかる理不尽に、押しつぶされそうになる。
・・・だけど、よく考えてみろ。
まだ、この世界に来て5分も経ってないんだぞ?
何もそんなに早く絶望する必要なんてない。
落ち着いて、次のスキルを見ていこう。
そう思いながら、俺は次の《夜目》と《耕作》のスキル詳細を見る。
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《夜目》
ランク:D
Lv:1
詳細:
暗い場所でも日中と同じ明るさで見ることが出来る。
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《耕作》
ランク:C
Lv:1
詳細:
品種別農業系スキルの上位互換。
特殊な作物でない限りあらゆる植物の成長を促進し、育成、収穫することが出来る。
Lvが上がると「この実はもっと甘く」「この野菜はもっとシャキッとした食感に」というふうに自分が思う方向へ植物を改良させることが出来るようになったり、全ての植物性の毒を無害化させることができるようになる。
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・・・・・・・・・・・・は?
・・・なんだこれ?
・・・まだ100歩譲って《耕作》に関しては文字からして大体の予想は着いていた。
だが、《夜目》はどうだろうか?
詳細がたった一文だけしかないじゃないか。
これまで「○○の方が良い」だとかなんとか長ったらしい説明文があったのにそれすらもない。
しかも、1番懸念していたことが起こった。
そう、《職業》と《スキル》が全く噛み合っていないのだ。
なんだこれは。
簡単に言えば、今の俺は魔法を使う職業の最下位でありながら忍者と農家のスキルのみを所持しているということだ。
・・・・・・・・カオスじゃないか。
体に照り付ける恒星のギラギラとした日光が俺の体を焼く感触が、強くなったような気がした。
だがそれとは別に、体の中には冷たい、氷のような絶望感が侵食している。
こんな所に連れてこられて、普通の人間であるおれか中途半端な能力をハリボテのように付けられて、食糧も水も助けも何も無いこんな極地に1人。
・・・・・・・・もう、嫌だ。
俺は、膝を地面に膝をつき焦点の合わない目で彼方の陽炎を見つめる。
だが・・・・
「・・・・確か、ミューリさんは必ず一つは高ランクの能力が出るって言ってたな・・・」
じゃあ・・・・武器だ。
武器から水や食糧が手に入るなんてあるわけないのに、ただ何かに縋りたいがためだけに俺は再びステータスプレートに手をかける。
たった一欠片でも、希望を求めて・・・・
この話から定期でシリアスはいりまーす!
ブクマと高評価をよろしくお願いします!!