69話・どうしてここに腹黒王女さまがいるの?
「「「「「おばさまぁ」」」」」
「まああ、よく来てくれたわねぇ。あなた達、ここまでどうやってきたの?」
アーサー父に連れられてやって来た五つ子を見て、アーサーの母は笑みを浮かべた。それまで厄介者の指導に追われていたので神経がささくれ立っていた。でも彼女達に抱きつかれて抱き返しているうちに、苛々感が収まっていくのを感じた。
「あなた、一言おっしゃってくれれば良かったのに。この子達が来ると知っていたならもう少しおめかししたわ」
「すまんな。急を要したのだよ」
「おばさまは綺麗だから必要ないよ」
「まあ、お上手ね。お世辞でも嬉しいわ」
「シュネ、嘘つかないよ」
「いい子ね」
シュネがアーサー母によしよしされていると、その脇でブランシュが頭を下げた。
「突然、押しかけてごめんなさい。おばさま」
「あなた達は家族のようなものよ。気にしないで。あらリズはいないの? ところであなた、さっきからアーサーの姿が見えないようだけど、どうしたのかしら?」
「それについては後で──」
「奥さま。リビングの清掃が終わりました」
「そう。ご苦労さま」
そこへアーサーの母に指示され掃除をしていたパメラ王女がやってきた。五つ子達は彼女の姿をみて固まる。王女も目を丸くしていた。
「なぜあなた達がここに……?」
「それはこっちが聞きたいわ。どうしてここにいるの? 王女さま」
ブランシュはねめつけた。口調は丁寧でも相手をよく思ってないことが伝わってくるような態度だった。
「そうよ。腹黒王女さま」
「今日はあのけばい化粧はしてないのね?」
「もしかしてアーサーを狙っているの? 着飾ることしか頭に無い王女さま」
「お姉さまを邪魔だと木の上から突き落としたくせに、よく平気でここに顔出せたものね?」




